釈迦堂内の壇上に、釈迦如来坐像を中心にして「東方持国天」、「南方増長天」、「北方多聞天」、「西方広目天」のそれぞれが四方を守護しています。

 本像は、檜材による寄木造で、内刳りがあり、玉眼が施されています。像高は約140cmで、極彩色の名残をとどめています。

 いずれも武人の形で、持国天・増長天は開口し、それぞれ内側の腕を振りかざして三叉戟・宝剣を持ち、邪鬼を踏んで外敵を恐れさせる激しい忿怒(怒り)形をしています。

 また、大きな袖をひるがえし、裙(キュロット状のスカート)を大きく風にたなびかせる姿は躍動的です。広目天・多聞天は後方に配され、口を閉じてそれぞれ内側の手を前へ差し出して経巻・宝塔を執り、一方の手で筆・三叉戟を持ち、岩座にほぼ直立して立ち、沈思の姿をしています。

 寺伝によると、運慶の作とされますが確証はなくその写実性や様式から、鎌倉時代中期頃の慶派の作と推定されています。

多聞天
多聞天
広目天
広目天
増長天
増長天
持国天
持国天