杉森家住宅主屋は、建築面積202㎡で診療所と製薬所の部分がつながっています。

 診療所部分は、木造二階建て入母屋造り妻入り桟瓦葺きです。明治24年に増築された正面玄関には、アーチ状の破風板を付けたポーチを構え、側面窓の鎧戸とともに洋風の意匠をとっています。1階が診察室、2階は病室となっていました。

 製薬所部分は、木造二階建て切妻造り平入り桟瓦葺きで、外壁は竪羽目焼杉張、1階壁面上部は漆喰の白壁です。1階部分が診療所とつながっていましたが、明治24年の増改築で2階も接続したと考えられます。

 明治時代の医業及び薬業の状況を知る上で重要な建物であり、国土の歴史的景観に寄与する建物として貴重です。

杉森家住宅二階門1