武雄市の文化財
どうほこ 1口:県重要文化財・考古資料
銅鉾 指定年月日 昭和52年3月11日
所在地 武雄町大字武雄5304-1 武雄市図書館・歴史資料館

 橘町玉江遺跡から発見されたと伝えられているものです。その経緯は、昭和36年に弓野人形に使用する粘土を採掘中に、地表下約80cmの深さにこぶし大の礫敷があり、この銅鉾はその直上から出土したそうです。祭器として埋納されたものと考えられます。
銅鉾は、中央で折れていますが、ほぼ完全な形をしています。全長80.4cm、刃部の最大幅5.9cm、重さ1,763gで、袋部下端に飾り耳がついています。全体的な仕上げ研磨は丁寧であり、刃部周縁は面取り研磨されてつぶれています。黒味がかった緑色で、銅質はよく、保存状態も良好です。
この銅鉾は、形態から中広形銅鉾に分類され、弥生時代後期の製作と推定されています。中広形銅鉾・広形銅鉾などの祭器としては、これまでのところ佐賀平野西端での出土例であり、武器形祭器の波及など、弥生時代の青銅器文化を考える上で貴重な資料です。



銅鉾

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係