武雄市の文化財
あらおどりえま 1面:県重要有形民俗文化財・民俗芸能
荒踊絵馬 指定年月日 昭和54年3月31日
所在地 山内町大字鳥海 鳥海天満宮

 荒踊は、旧武雄邑に伝わる民俗芸能で、モッショとカキと呼ばれる踊り手が円陣を組みながら唄にあわせて群舞する一種の奴踊です。
 この絵馬は、明治24年(1891)に鳥海浮立の発足を契機に、立野川内から師匠を招いて奉納した際の記念に奉納されたといわれています。鳥海天満宮は天正12年(1584)の創建で、元和7年(1622)に鳥海の鎮守社となりました。
 絵馬に描かれているのは、「せり込み」という場面で、鳥居をくぐって先頭は拝殿まで達し、列は大きく蛇行しています。龍と女神を戴いたカンバンを先頭に、先モッショ3名、カキ21名、後モッショ3名が両手を挙げて腕鉾をつくり、両足を踏ん張っています。踊り手のあとに、笛・鉦・モリャーシ・大太鼓の囃子方が続き、周囲には多くの見物人も描かれています。
 この絵馬に描かれている風景は、踊に関する数少ない記録の中で貴重であり、当時の風俗を知るうえでも重要な資料です。



荒踊絵馬

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係