武雄市の文化財
もでいせきしゅつどゆうこうくしろがたどうせいひん 1個:県重要文化財・考古資料
茂手遺跡出土有鉤釧形銅製品 指定年月日 昭和57年3月19日
所在地 武雄町大字武雄5304-1 武雄市図書館・歴史資料館

茂手遺跡出土有鉤釧形銅製品  有鉤釧形銅製品は有鉤銅釧とも呼ばれ、鉤付の青銅で作った腕輪のことです。この形の祖は、南海産のゴホウラ貝を縦に切って作った腕輪で、複数を男性の右腕につけられることが多く、特権階級の存在をうかがい知る資料のひとつとなっています。
茂手遺跡は、橘町大字大日の六角川沿いにあり、弥生時代から近世にかけての集落遺跡です。出土したのは掘立柱建物跡の柱穴からで、この建物は高床倉庫ではなかったかと推定され、建物の安全や豊饒などを祈念したのではないかと考えられています。
この有鉤銅釧は両端面が平坦ですが、全体の形状は楕円形をしており、長さ9.1cm、幅6.7cmで、鉤の長さは2.0cmあります。完形品で丁寧に磨かれ、にぶい銀色をしており、錆はほとんどみられません。弥生時代後期(1900年前頃)の製作と推定されています。
有鉤銅釧は県内では、唐津市の桜馬場遺跡から出土していますが、形態的に相違がみられます。類似するものとしては、福井県の西山公園遺跡や長崎県原ノ辻遺跡の出土品があげられます。このことから本資料は、武雄地域の弥生時代の文化圏を考える上で重要です。




武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係