武雄市の文化財
けんぽんちゃくしょくしゃかさんぞんおよびびくぞう 1幅:県重要文化財・絵画
絹本着色釈迦三尊及び比丘像 指定年月日 昭和60年3月20日
所在地 佐賀市城内1-15-23 佐賀県立博物館

絹本着色釈迦三尊及び比丘像  本図は、武雄町の広福寺に伝わるもので、絹地に彩色したもので、縦168.8cm、横57.3cmの掛軸装です。李朝時代の16世紀代の作品と考えられており、宝座上に腰掛けた釈迦如来を中央上部に描き、前方に如意宝珠を手に獅子に乗る文殊菩薩と、白蓮華を手に象に乗る普賢菩薩を配し、釈迦の両脇には弟子の迦葉と阿難とみられる老若の比丘が描かれています。また、文殊菩薩の前には優填王と合掌した地蔵菩薩が立ち、普賢菩薩の前には尊像不詳の眷属と韋駄天と思われる武人が立っています。さらにこれら眷属を中心に四足獣が配されています。
 配色については、白や朱・群青・空色・黄緑などが使われ、全体的に彩が豊かで、高麗仏画にみられる伝統的彩色主義の流れを汲んでいます。
 このように本図は、種々の尊像を集合してわが国にない独自の構成で、李朝時代の複雑な信仰形態を示しており、県下に残る数少ない李朝時代の仏画として価値があり、日本と朝鮮半島との文化交流を考える上でも貴重です。




武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係