武雄市の文化財
どうぞうたんじょうぶつ 1躯:県重要文化財・彫刻
銅造誕生仏 指定年月日 昭和60年3月20日
所在地 佐賀市城内1-15-23 佐賀県立博物館

銅造誕生仏  釈迦は、マーヤー(摩耶)夫人の腋の下から生まれると7歩あゆんで、右手で天、左手で地を指差し、「天上天下唯我独尊」と唱えられたといわれています。この姿を表現したものが誕生仏です。4月8日の花祭りには誕生仏に甘茶をかけて、釈迦の誕生を祝います。
 本像は、右手を上げ、左手を下げた一般的な誕生仏で、銅の鋳造品で金メッキが残っています。光背用のほぞ(突起)や台座まで一鋳されているのは珍しく、高さは頭頂から足先までが9.8cm、右手先から台座下までが13.2cmあります。頭上には肉髻相とよばれる突起がありますが、頭髪は刻まれていません。目や鼻・唇などの面相は、たがね打ちで作られており、素朴な表現がされています。耳は大きく長く、頭の上部にまでのびています。体は細く、胸や腹に膨らみはありません。右手は上腕を伸ばし、手首を曲げ、手のひらを上にして頭頂にあて、左手は肘をやや曲げて左腿につけています。右手の人差し指と中指が欠けています。上半身は裸で、下半身には脛下までの裳をつけ、腰紐を右腰で結んでいます。
 足下の蓮華座は蓮実が大きく、間弁のある五葉蓮弁の反り花を備え、框(台座の最下段)は長方形をしています。
 右手の挙げ方や裳の着け方など、全体的に簡素な表現であり、8世紀の作と考えられ、県内で確認された最古の仏像です。




武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係