武雄市の文化財
たいじゃここふん 1基:佐賀県史跡・遺跡(古墳)
多蛇古古墳 指定年月日 平成6年3月31日
所在地 朝日町大字甘久

 多蛇古古墳は、甘久簡易郵便局の東側に位置する、標高20mの低丘陵地のほぼ中央にある前方後円墳です。平成3年に開発に伴う確認調査で前方後円墳と確認され、保存されることとなりました。旧状は前方部の大半が削平され、後円部も3個所に土取りの跡があり、古墳の姿も想像しがたいほどでした。このため平成8年度に全長40m、前方部の幅12m、後円部の径26mの柄鏡式の古墳として保存修理(復元)を行いました。平成3年の調査では、周溝や葺石・埴輪等の存在は確認できませんでした。
 この古墳が造られた時期については、明確ではありませんが、至近距離に存在した円墳の調査結果から、内部主体は粘土槨あるいは粘土床的な施設と推測され、出土遺物に須恵器がみられないことから、遅くとも5世紀中頃と推定されています。
 武雄市内における前方後円墳は、武雄町の県史跡矢ノ浦古墳と橘町の東福寺古墳群の中に2基・北方町の蓑具崎古墳群の中に1基が知られており、本古墳を入れて5基が確認されていますが、その中でも最大規模の古墳であり、武雄・杵島地方の古墳文化を考える上で重要な存在です。



多蛇古古墳

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係