武雄市の文化財
せきぞうこまいぬ 1対:武雄市重要文化財・建造物
石造狛犬 指定年月日 昭和49年4月15日
所在地 西川登町大字神六 神六神社

 狛犬は神を守護する霊獣として、神社の参道や拝殿・神殿の前に祀られています。
 神六神社の狛犬は、像高が阿像36cm、吽像37cmの小型なものです。正面からみると頭部がとがった長方形をし、側面からみると上部がきれた直角三角形をしています。線彫りで表現された直毛の頭髪や四肢、尻尾、また首がほとんど表現されていない頭部などは、体部に密着しています。浮き彫り様式で表現された四肢は、付根から爪先までの太さがほぼ同じで、垂直に立つ前肢と水平に伸びる後肢は直角に交わっています。口は直線で顔面いっぱいにつけられ、鼻孔は正面に向けて円形に開き、目は楕円形に、髭と眉毛は直線的に線彫りされています。
 こうした独特の様式の狛犬は肥前狛犬とよばれ、肥前国に濃密に分布しているもので、江戸時代前期頃の地方色豊かな石造文化の所産といえます。また、この狛犬の正面には、阿像に「神六村住人前田助左衛門□□」、吽像に「天和二壬戌十一月吉日」の線刻があり、数少ない在銘の石造狛犬として貴重な存在です。



石造狛犬1 石造狛犬2

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係