武雄市の文化財
さいこうみつじのかけぼとけ 3面:武雄市重要文化財・工芸品
西光密寺の懸仏 指定年月日 昭和56年3月30日
連絡先 山内町大字宮野 定林寺

 本像は、黒髪神社の本地仏として西光密寺に祀られていたもので、御正体はそれぞれ金箔を施した薬師如来、阿弥陀如来、千手観音の坐像で、頭上に天蓋があり、いずれも台盤は木製銅板張りで円形をしています。直径は59cm、御正体の総高35cm、で、御正体の両脇には蓮の花を活けた花瓶が描かれています。銅板には波形・蓮華・雲流の文様が背景として描かれ、最上端に円環が取り付けられています。
 それぞれの台盤の裏に銘があり、「干時寛永六年己巳八月如意吉祥日 / 奉造立(それぞれの仏名)尊像 鋳仏導師 興 / 大願主武雄主殿助藤原朝臣茂綱公敬白 / 仏師 源右衛門尉」と薬師如来には刻銘、他は墨書で書かれています。寛永6年(1629)に第21代武雄領主武雄(後藤)茂綱の願により、鋳仏導師興と仏師源右衛門によって作られたことがわかります。



薬師如来 阿弥陀如来 千手観音
薬師如来          阿弥陀如来          千手観音

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係