武雄市の文化財
えんのうじとりいがたいしもん 1基:武雄市重要文化財(建造物)
円応寺鳥居型石門 指定年月日 平成5年4月30日
所在地 武雄町大字富岡 円応寺

 この石門は、円応寺の参道入口に立つ鳥居型をしたもので、塩田の石工が塩田産の安山岩で造ったものです。柱と柱の間は2.76m、高さは5.01m、貫までの高さ3.23mです。柱の部分は切石の基礎石に、面取りがなされた角石2個が積み上げられています。貫は虹梁型の1本もので、正面に模様が刻まれています。笠木は3本の石を組み合わせて作られ、全体に強い反りがみられ、両端は渦を巻いています。中央に額束があり、「白雲関」と刻まれています。向かって右側の柱の右側面に「寛政十年(1798)」の銘があり、他に「願主 江口卯兵衛尉親澄 原松右衛門 小奉行 眞名子嘉太八 田代蔵七 石工 塩田住 筒井與四右衛門 同名幸右衛門」、左側の柱には「施主 古川長衛尉忠行 北川郷右衛門尉好信」等の名前がみえ、塩田の石工によって造られたことがわかります。
 この種類の石造りの門は、類似のものが少なく、築造年がはっきりした江戸時代の鳥居型石門として、石造建築史上価値の高いものです。



円応寺鳥居型石門

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係