武雄市の文化財
ごうのきいせきしゅつどこがたぼうせいきょう 1面:武雄市重要文化財(考古資料)
郷ノ木遺跡出土小形ぼう製鏡1 指定年月日 平成6年4月27日
所在地 武雄町大字武雄5304-1 武雄市図書館・歴史資料館

 小形製鏡とは中国大陸で作られた鏡をまねて、日本などで鋳造された鏡で、面径が約10cm程度のものをいいます。弥生時代後期を中心に作られ、共同体や連合体の各首長層が保有したという説があります。
 本鏡は青銅製で、橘町郷ノ木遺跡の弥生時代終末期の土壙墓(穴を掘って直接遺体を埋葬した墓)から鉄製の刀子とともに副葬されていたものです。面径9cmの完形品で、銅質はやや不良で、背面の文様構成は外側から、幅広の平縁、目の粗い斜行櫛歯文帯、内行花文帯(12弧)及び花文の間に二重の鋸歯文、一圏をおいて鈕(紐を通す穴の開いたつまみ)となっています。
 市内では他にも茂手遺跡、納手遺跡から小形製鏡が出土していますが、本鏡の保存状態が最もよく、弥生時代終末期の武雄地方や佐賀・北部九州の古代史を解明する上で重要な資料です。



郷ノ木遺跡出土小形ぼう製鏡2

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係