武雄市の文化財
かわごのくすみきぼりかんのんりゅうぞう 1躯(付)銅造如意輪観音坐像1躯:武雄市重要文化財・彫刻
川古のクス幹彫り観音立像 指定年月日 平成6年11月30日
所在地 若木町大字川古 川古の大楠公園

 本像は、国指定天然記念物川古のクスの幹に掘り込まれていたもので、伝説によると僧行基が刻んだといわれています。明治の廃仏毀釈で顔面が削られ、昭和60年には永年の風雨虫損で幹からはがれてしまいました。
 像高は201cmで、製作年代は像形からは不明ですが、『川古庄屋日記』という古文書の中に「大殿様楠観音へ御立寄の事」という明和3年(1766)3月13日の記事があり、この時点ですでに観音立像が存在していたことがわかります。
 幹彫りの仏像は立木仏とも呼ばれ、神仏習合の思想に深く関係しているといわれ、全国に散在するようですが、県内では小城市牛津町の宝積寺に存在していたようですが、すでに剥離滅失して現存していません。
 銅造如意輪観音坐像は、観音立像の顔面にはめ込まれていたもので、廃仏毀釈の際に分離されました。像高は4cmで、鋳造技法等から江戸時代の作品のようです。
 いずれも大楠公園内の堂宇に安置されています。



川古のクス幹彫り観音立像1 川古のクス幹彫り観音立像2

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係