武雄市の文化財
かいしゅんさいおんえのぐ 1括:武雄市重要文化財・歴史資料
皆春齋御絵具 指定年月日 平成20年2月21日、一部解除 平成26年8月21日
所在地 武雄町大字武雄5304番1 武雄市図書館・歴史資料館

 本資料は武雄鍋島家に所蔵されていたもので、群青・緑青・朱・弁柄・黄土・胡粉・鉛白などの岩絵具の入った包み・紙袋・紙箱が木箱に収められています。これらの絵具の包み紙等には文字が書かれているものがあり、江戸の深川や京橋の絵具屋(今の画材屋にあたるもの)で購入したことが判っています。

 木箱は3箱あり、その1つには「茂義公皆春齋御暑」と書かれており、第28代武雄領主鍋島茂義[1800〜1862]の持ち物であったことがわかります。茂義は西洋科学を積極的に導入し、幕末の佐賀藩の近代化に先鞭つけた人物です。文化・芸術面でも造詣が深く、10代後半から絵を嗜み、「皆春齋」の雅号を持ち、軽快な筆致と古画を好みました。

 本資料は状況から江戸後期のものと考えられ、約200点にも及ぶ膨大な量の絵具が一ヵ所に残されているという希少性が高く評価されています。未使用の状態で残されるものや包み紙に購入場所や購入時期などの詳細な情報が書かれているものもあり、当時の絵具の流通を解明への寄与を考えると、絵画史上貴重かつ重要な資料なのです。

※ このうち当時最先端であった合成絵具(プルシアンブルー・ウルトラマリンブルー等)は平成26年8月21日に国の重要文化財に指定されました。


 詳しくは武雄市歴史資料館の  主な武雄鍋島家洋学関係資料 絵具(薄青・青・濃青・濃紺) (青へのあこがれ〜武雄に伝わる青色絵具〜)
をご覧ください。



皆春齋御絵具

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係