令和4度保存修理資料(事業費:3,913千円 国庫補助率50%)

冊子『海外新話一~五』『舎密開宗初編』

【主な処置】
 綴じ糸を外し、冊子装を解体した。
 柔らかい刷毛等を用いて塵埃・虫糞等の汚れを除去(ドライクリーニング)。汚れが著しい箇所のみ濾過水を用いて、本紙下に敷いた吸取紙に汚れを移動させる方法で汚れを除去した。
膠着力の低下した墨と朱に対し、筆を用いて2wt%の膠水溶液を塗布含侵させ、接着力を強化した。
 本紙欠失箇所に、本紙料紙と同質の補修紙を用いて補修を行った。補修紙の接着には、小麦澱粉糊を用いた。
 わずかな湿りを加え荷重をかけて乾燥させることにより、料紙を整えた。(フラットニング)
 表紙は欠失箇所は新糊を用いて表紙と同質の補修紙で補修を施した。表紙と台紙の間に糊離れが生じていたため糊挿しを行った。
 綴じ糸を新調し、元の冊子装に仕立てた。『舎密開宗初編』の角裂は新調し、修理前の色味に合わせて染色し、修理前と同じく上と下の冊の天地角に施した。
 包紙に包み、保護用の中性紙に挟み、管理用の封筒に収めた。

海外新話一

【修復前】
海外新話一 修復前

【修復後】
海外新話一 修復後

海外新話二

【修復前】
海外新話二 修復前

【修復後】
海外新話二 修復後

海外新話三

【修復前】
海外新話三 修復前

【修復後】
海外新話三 修復後

海外新話四

【修復前】
海外新話四 修復前

【修復後】
海外新話四 修復後

海外新話五

【修復前】
海外新話五 修復前

【修復後】
海外新話五 修復後

舎密開宗初編

【修復前】
舎密開宗初編 修復前

【修復後】
舎密開宗初編 修復後

一紙もの『威遠流砲術弐百目野戦銃五丁打順』『〔添状〕(別紙願書持たせ申し候。御取替候差出方二てこれ有る哉)〉』

【主な処置】
 柔らかい刷毛等を用いて塵埃・虫糞等の汚れを除去(ドライクリーニング)。
 本紙欠失箇所に、本紙料紙と同質の補修紙を用いて補修を行った。補修紙の接着には、小麦澱粉糊(以後、新糊)を用いた。
 わずかな湿りを加え荷重をかけて乾燥させることにより、料紙を整えた。(フラットニング)
 当初の折り畳み跡で折り畳んだ。
 包紙に包みんで保護用の中性紙に挟んで管理用の封筒に収めた。

威遠流砲術弐百目野戦銃五丁打順

【修復前】
威遠流砲術弐百目野戦銃五丁打順 修復前

【修復後】
威遠流砲術弐百目野戦銃五丁打順 修復後

〔添状〕(別紙願書持たせ申し候。御取替候差出方二てこれ有る哉)〉

【修復前】
〔添状〕(別紙願書持たせ申し候。御取替候差出方二てこれ有る哉)〉 修復前

【修復後】
〔添状〕(別紙願書持たせ申し候。御取替候差出方二てこれ有る哉)〉 修復後

起請文(威遠流砲術)

【主な処置】
 柔らかい刷毛等を用いて塵埃・虫糞等の汚れを除去(ドライクリーニング)。その後、濾過水を本紙表面から噴霧し、本紙下に敷いた吸取紙に汚れを移動させる方法で可能な限り除去を行った。
 本紙欠失箇所に、本紙料紙と同質の補修紙を用いて補修を行った。補修紙の接着には、小麦澱粉糊(以後、新糊)を用いた。
 新糊を用いて薄美濃紙で、肌裏打ちを行った。
 折れの発生していた箇所及び今後折れが発生する恐れがある箇所に、新糊を用いて薄美濃紙で折れ伏せを施した。
 新糊と布海苔の混合糊を用いて雁皮と楮の混合紙で、総裏打ちを行った。
 仮巻芯、仮表紙を新調し、新調した中性紙箱に納めた。

修復前
起請文(威遠流砲術) 修復前
修復後
起請文(威遠流砲術) 修復後


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