市長提案事項説明要旨




 樋渡市長/おはようございます。

 平成22年4月16日に2期目をスタートして4年。

 私は常々、市議会の皆さんと市民の皆さん、いろいろな方々と忌憚のない、フラットな率直な議論を通じて、さまざまな施策を展開してまいりました。

 特に私の施策の根幹は、市民の皆さまの暮らしの支援と福祉の維持向上でありました。

 中でも多くの期待をよせていただいたのが、企業誘致であります。

 これは、私が8年前、市長に着任させていただいて以来、もっとも重要視してきた施策であります。

 8年間の中でリーマンショックであるとか、異様な円高であるとか、ざまざまな外的要因で厳しい面はありましたけれども、市内に進出した企業は、新武雄病院を含め、8法人に達しております。雇用の創出は1100人を超えたところであります。

 平成2年に分譲開始した、若木町の武雄工業団地は完売をし、また新たな企業誘致の受け皿として開発を進めた武雄北方インター工業団地は、平成23年10月に分譲開始し、昨年秋に流通企業と進出協定を締結。来年には、新たに120人の雇用の場が誕生する予定であります。

 また、地域所得の向上を目指し、平成23年11月に2品からスタートした自治体発インターネット通販「Japan SG」の取り組みは、インターネット検索サイト大手のヤフーと、武雄市ほか17の自治体が組むことで、新たな流通革命を起こすまでに拡大・成長しつつあります。

 先ほど触れた企業誘致や、行財政改革などの取り組みの成果として生まれた貴重な財源を、くらしを支える、人にやさしい政策として、市民の皆様の福祉の維持向上に生かしていくのが私の市政の根幹であります。

 その施策のひとつとして、子育て世代を支援する子どもの医療費の助成の拡充を、本年4月から実施してまいります。

 先の12月議会において、所要の条例改正を行わせていただき、本定例会に所要の予算をお願いしております。これまでの、小学生、中学生の入院費に加え、通院費、調剤費までに助成の範囲を拡大するもので、義務教育期間中のこどもの医療費は、定額の支払いで済むことになります。これにより、子育て世代、子育て家庭の負担は、格段に軽減されるものと考えております。

 続きまして、教育の充実についてであります。

 平成25年度は、教育の既成概念を振り払い、新たな視点で、新たな取り組みに着手をいたしました。

 昨年10月、教育監に就任していただいた、元東京都杉並区立和田中学校長、代田昭久氏を中心に、ICTを活用した学校教育環境の整備を着々と進めてきております。

 2月4日の市議会臨時会においては、市内全校の小学生が利用するタブレットなど、ICT関連機器・設置整備費等の取得契約の議案について、議員各位のご理解とご賛同を賜り、可決していただきました。保護者の皆様、学校関係者などが期待する、児童の学力向上に向けた重要な一歩と受け止めております。

 学力向上のもう一つの取り組みが、ソフトであります。

 予習を中心に、教え合い、学び合うことで、児童の理解を深める「反転授業」の導入を予定いたしております。既に、電子黒板など情報通信環境を整えている武内小学校、山内東小学校で研究授業を行うとともに、保護者の皆様への説明会も随時、開催をしております。

 続きまして、武雄市図書館についてであります。

 知の拠点として、昨年4月にリニューアルオープンした武雄市図書館は、3月末で1年を迎えます。

 先月末までの来館者は78万人を超え、指定管理者制度導入前である平成24年1月末と比べて3.7倍に達し、予想を上回る多くの方々にご来館をいただいております。100万人突破は、今年の4月中に見込まれていると聞いております。

 新しくなった図書館では、蔵書の充実はもとより、指定管理者であるCCCを中心に、堀江貴文氏や乙武洋匡氏など、多くの著名人による講演会、トークセッションなども定期的に開催をしております。今晩は、代田教育監と対談しますので、議員の方は全員ご参集いただきますようにお願いをいたします。

 本から得る知識と情報に加え、新たな産業、文化、価値観を生み出された方々の言葉に直接触れることは、図書館機能をさらに高める試みだと思っておりますし、今、国はもとより、さまざまなところが武雄市図書館の挑戦について注目をしております。

 賛否両論あって当然だと思います。

 しかし、われわれは前例にとらわれず、市民の皆さんたち、来館者の皆さんたちにとって、本当にいい図書館だということを思っていただくような施策を随時応援をしてまいりたいと、このように考えております。

 一番大事な行財政健全化の取り組みについてであります。

 私が市長に着任したときは、武雄市は潰れる寸前でありました。これは、山内町、北方町の多くの基金の積み上げで、なんとか救われている状態というのが武雄市のスタートでありました。

 そこで私は、心を鬼にして2期8年間、一貫して、市民の立場、目線に立って、いろんなことをやってまいりましたが、行財政改革も恐れずひるまず取り組んで参りました。

 まず、1期目で取り組んだ市民病院の民間移譲、2期目で取り組んだ図書館の指定管理者への移行は、市民価値の向上に加え、行財政健全化に向けた取り組みの一つでもあります。

 そのほか、保育所の民間移譲、給食センターの民間委託など、民ができることは民で、ということを旗印に、様々な行財政改革を実行してまいりました。

 私が市長に就任して以来、職員数はこの8年間で、560人から392人にまで削減をしております。

 また、家庭でいえば家賃など毎年必ずかかる費用の割合を示す経常収支比率は、私が市長に就任した平成18年度は94.3%でありました。これが、平成24年度には僅かではありますが、87.1%まで改善しております。

 また、家庭での借金に当たる市の借入金の残高は、私の就任当時、実に400億円にも達しておりました。平成24年度末には315億円と、85億円減少させています。

 その一方で、家庭での貯蓄に当たる市の基金は、今後の施策に備える財政調整基金と公共施設整備基金を合わせて、私の就任当時、33億8千万円しかありませんでしたが、平成24年度末では2倍以上の71億1千万円まで増加をさせています。

 借入金の減少と基金の増加を合わせると、122億3千万円の財政効果が認められております。

 この様々な取り組みによって、来年度は、法人市民税、個人市民税合わせて、予算ベースで言うと5%伸びるという報告を受けておりますので、様々な施策がこれからやっと展開できるのかなと思っております。

 「あれも、これも」ではなく「あれか、これか」で施策を絞り込み、真に市民の皆さんの福祉向上に寄与する事業に財源を充当してまいりました。

 財政状況の好転は、市議会の皆様の、行財政改革への深いご理解あってこそであります。

 なお、昨日の佐賀新聞で大きく取り上げられました、windowsXP問題であります。

 教育委員会ではXP端末を、220台を保持しており、220台のうち80台が、すでに3月補正の予算案で計上をさせていただいております。

 40台は、ソフトで対応が可能で、要するにXPを、たとえばセブンにするということで、40台はソフトで対応が可能と。さすれば220台のうち100台がそのままで、ネットにつながないということで、windowsXPが持つインフラの脆弱性をカバーするということにしておりましたが、これは誤解を招きやすい。ですので、この際精査の上、必要な対応をしてまいります。

 一つは、どうしても更新できないものについては利用停止にする。

 あるいは、どうしても使わなければいけないというものであった場合は、更新をしていきます。

 いずれにしても、予算上の手当をして参りたいと思っておりますので、議会の皆様とよく相談をしまして、年度末までに、手当をしていきたいと思います。

 過ちを直すにはばかることなかれ。

 やはり、昨日の佐賀新聞の記事を見て、私自身、非常にショックを受けてまいりました。これは、ひとえに予算編成権を持つ私の責任であると、深く認識をしており、ただし指摘があって、かつ、市民の福祉の維持向上につながるものは、さっそく改めるということで、今回措置させていただきたいと思っております。

 終わりになります。

 市民の皆様からお預かりした貴重な税金を無駄にせず、常に行財政の健全化を念頭に、2期8年間の市政運営を市議会の皆さんとともに行ってまいりました。

 まさに、車の両輪でありました。

 本議会に提案している議案についても、市民の皆様の福祉向上に向け、最小限の財源で最大限の効果を生み出すよう、知恵と工夫をもってとりまとめ、提案しております。

 何卒、議員各位のご理解を賜るようお願い申し上げ、私の説明にかえさせていただきます。

 今議会もよろしくお願いします。

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