武雄市の文化財
しゃかじいせきしゅつどいぶつ 1括:県重要文化財(考古資料)
釈迦寺遺跡出土遺物 指定年月日 平成3年3月30日
所在地 武雄町大字武雄5304-1 武雄市図書館・歴史資料館

釈迦寺遺跡出土遺物  釈迦寺遺跡は、橘町片白にあり、弥生時代中期の甕棺墓を主体とする遺跡です。平成元年度の県道拡幅工事に伴う発掘調査でSJ246甕棺墓から銅戈1口、SJ279甕棺墓から銅剣1口、銅1個が出土しました。いずれも弥生時代中期初頭(紀元前2世紀から同1世紀初め)とみられ、完形品で、特に戈とは質がよく、大陸からの舶載品と考えられます。甕棺に青銅器が副葬されていることは珍しく、いずれも首長級の墓と考えられ、武雄・杵島地方におけるクニの成立を考える上で貴重な資料です。

【銅剣】完形の細形銅剣で、全長32.2cm、幅4.2cm、重量220gです。鋒は鋭く、鎬と身下位の刳り込みまでが刃として研ぎだされています。茎の断面はほぼ円形をしており、鋳造時の真土が残っています。全体的に腐食しており、ややもろくなっています。

【銅戈】2つに折れた状態で出土した細形銅戈で、全長24.6cm、幅5.9cm、重量250gです。鋒近くまで樋が通っており、胡と呼ばれる基部付近まで研ぎだされています。胡は戈の特徴として傾斜しており、茎とともに鋳造時のバリが残っています。茎は通常扁平ですが、本戈は断面が楕円形をしています。銅質がよく、錆はほとんどみられず、保存状態は良好です。

【銅】上甕と下甕の継ぎ目に滑り込み、2つに折れた状態で出土しました。使用による研ぎ減りで長さ6.2cm、幅2.3cm、重量20gとなっています。横断面は爪形に表面が膨らんでおり、中央と両側面には三角突起がつけられ、厚くなっています。先端部が刃部となっており、表面側を研磨した片刃です。は、柄を装着して木材の表面を押して削るカンナの一種です。

【甕棺】SJ246甕棺は、通称「金海くずれ」とよばれる形態の甕で、上甕と下甕が接口式の甕棺です。SJ279甕棺は、体部中位に三角突帯をめぐらす形態で、上甕が下甕を覆う覆口式の甕棺です。




武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係