面浮立は、鬼の面をつけて踊ることからついた名称です。その起源は、戦国時代に肥前に攻めてきた敵勢を鬼の面をつけた奇襲で打ち破り、その出で立ちで戦勝祝いを踊ったのが始まりという説があります。しかし、本来は雨乞いや悪魔を払い禍を去り、福を招き、五穀豊饒、家内安全を祈念する踊りと考えられます。

 袴野の面浮立は、明治39年に嬉野市塩田町大草野から師匠を招いて習得し、毎年秋の彼岸に氏神社の貴船神社に風願成就として奉納されています。

 当日は、集会所から神社まで道行きし、鳥居をくぐってふみ込み、境内に整列します。「かけうち」(黒面をつけた踊り手=20人前後)は3列縦隊で、その前に親面と呼ばれる赤と青の面をつけた2人の先導役が立ちます。「かけうち」は、親面の合図で笛・鉦・大太鼓の伴奏に合わせて腹部につけたモリャーシを打ちながら、上下の躍動を中心とした踊りを踊ります。曲目は、法願導・神の前・法願導くづし・夜神導き・新浮立・直囃し・地輪くづし・水重ね・村渡しの9曲が伝承されています。

袴野面浮立

県・市指定芸能リーフレット
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