武雄市の文化財
ごこしょ 1口:武雄市重要文化財・工芸品
五鈷杵 指定年月日 平成11年3月3日
所在地 山内町大字宮野 定林寺

 五鈷杵は金剛杵とよばれる密教法具の一種で、日本では密教修法に際して使用される用具です。杷とよばれる握りの部分と鈷とよばれる両端部からなり、五鈷杵は鈷が五つにわかれて尖った形態をしています。人間の心の中の煩悩を払い、本来の仏性を表すための法具といわれます。
 この五鈷杵は、昭和40年頃に宮野小路の堂跡から出土したもので、全長16.9cmの銅製です。杷中央には鬼目とよばれる大き目の粒文があり、両側には単弁の蓮弁文が描かれています。5本の分かれた鈷の付根付近には、粗目の節がみられ、先端に向かって大きく湾曲し、5本に先端が合わされるようになっています。
 製造年代については、その形態から鎌倉時代と考えられ、出土の状況から堂宇建設に伴う鎮壇具として埋納されたと推定されています。



五鈷杵

武雄市教育委員会 文化・学習課文化財係