○武雄市土木設計業務等委託契約約款
令和3年7月26日
訓令第6号
(総則)
第1条 発注者(以下「甲」という。)及び受注者(以下「乙」という。)は、この契約書(頭書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及びこれらの図書に係る質問回答書並びに現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この契約書及び設計図書を内容とする業務の委託契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 乙は、契約書記載の業務(以下「業務」という。)を契約書記載の履行期間(以下「履行期間」という。)内に完了し、契約の目的物(以下「成果物」という。)を甲に引き渡すものとし、甲は、その業務委託料を支払うものとする。
3 甲は、その意図する成果物を完成させるため、業務に関する指示を乙又は乙の管理技術者に対して行うことができる。この場合において、乙又は乙の管理技術者は、当該指示に従い業務を行わなければならない。
4 乙は、甲に対し、業務を遂行する上で必要と認められる説明を行うよう努めなければならない。
5 乙は、この契約書若しくは設計図書に特別の定めがある場合又は第3項の指示若しくは甲乙協議がある場合を除き、業務を完了するために必要な一切の手段をその責任において定めるものとする。
6 乙は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
7 この契約の履行に関して甲乙間で用いる言語は、日本語とする。
8 この契約書に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
9 この契約の履行に関して甲乙間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
10 この契約書及び設計図書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
11 この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
12 この契約に係る訴訟の提起又は調停(第56条の規定に基づき、甲乙協議の上選任される調停人が行うものを除く。)の申立てについては、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
13 乙が共同企業体を結成している場合においては、甲は、この契約に基づくすべての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、甲が当該代表者に対して行ったこの契約に基づくすべての行為は、当該共同企業体のすべての構成員に対して行ったものとみなし、また、乙は、甲に対して行うこの契約に基づくすべての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
(指示等及び協議の書面主義)
第2条 この契約書に定める指示、催告、請求、通知、報告、申出、承諾、質問、回答及び解除(以下「指示等」という。)は、書面により行わなければならない。
3 甲及び乙は、この契約書の他の条項の規定に基づき協議を行うときは、当該協議の内容を書面に記録するものとする。
(業務工程表の提出)
第3条 乙は、この契約締結後5日以内に設計図書に基づいて業務工程表を作成し、甲に提出しなければならない。
2 甲は、必要があると認めるときは、前項の業務工程表を受理した日から7日以内に、乙に対してその修正を請求することができる。
4 業務工程表は、甲及び乙を拘束するものではない。
(1) 契約保証金の納付
(2) 契約保証金の納付に代わる担保となる有価証券等の提供
(3) この契約による債務の不履行により生ずる損害金の支払を保証する銀行、甲が確実と認める金融機関又は保証事業会社(公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社をいう。以下同じ。)の保証
(4) この契約による債務の履行を保証する公共工事履行保証証券による保証
(5) この契約による債務の不履行により生ずる損害をてん補する履行保証保険契約の締結
5 業務委託料の変更があった場合には、保証の額が変更後の業務委託料の10分の1に達するまで、甲は、保証の額の増額を請求することができ、乙は、保証の額の減額を請求することができる。
(権利義務の譲渡等)
第5条 乙は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、甲の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 乙は、成果物(未完成の成果物及び業務を行う上で得られた記録等を含む。)を第三者に譲渡し、貸与し、又は質権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、甲の承諾を得た場合は、この限りでない。
3 乙が前払金の使用や部分払等によってもなおこの契約の履行に必要な資金が不足することを疎明したときは、甲は、特段の理由がある場合を除き、乙の業務委託料債権の譲渡について、第1項ただし書の承諾をしなければならない。
2 甲は、成果物が著作物に該当するとしないとにかかわらず、当該成果物の内容を乙の承諾なく自由に公表することができ、また、当該成果物が著作物に該当する場合には、乙が承諾したときに限り、既に乙が当該著作物に表示した氏名を変更することができる。
3 乙は、成果物が著作物に該当する場合において、甲が当該著作物の利用目的の実現のためにその内容を改変するときは、その改変に同意する。また、甲は、成果物が著作物に該当しない場合には、当該成果物の内容を乙の承諾なく自由に改変することができる。
4 乙は、成果物(業務を行う上で得られた記録等を含む。)が著作物に該当するとしないとにかかわらず、甲が承諾した場合には、当該成果物を使用又は複製し、また、第1条第6項の規定にかかわらず当該成果物の内容を公表することができる。
5 甲は、乙が成果物の作成に当たって開発したプログラム(著作権法第10条第1項第9号に規定するプログラムの著作物をいう。)及びデータベース(著作権法第12条の2に規定するデータベースの著作物をいう。)について、乙が承諾した場合には、別に定めるところにより、当該プログラム及びデータベースを利用することができる。
(一括再委託等の禁止)
第7条 乙は、業務の全部を一括して、又は甲が設計図書において指定した主たる部分を第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
2 乙は、前項の主たる部分のほか、甲が設計図書において指定した部分を第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
3 乙は、業務の一部を第三者に委任し、又は請け負わせようとするときは、あらかじめ、甲の承諾を得なければならない。ただし、甲が設計図書において指定した軽微な部分を委任し、又は請け負わせようとするときは、この限りでない。
4 甲は、乙に対して、業務の一部を委任し、又は請け負わせた者の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
(特許権等の使用)
第8条 乙は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている履行方法を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、甲がその履行方法を指定した場合において、設計図書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、乙がその存在を知らなかったときは、甲は、乙がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(意匠の実施の承諾等)
第8条の2 乙は、自ら有する登録意匠(意匠法(昭和34年法律第125号)第2条第3項に定める登録意匠をいう。)を設計に用い、又は成果物によって表現される構造物若しくは成果物を利用して完成した構造物(以下「本件構造物等」という。)の形状等について同法第3条に基づく意匠登録を受けるときは、甲に対し、本件構造物等に係る意匠の実施を無償で承諾するものとする。
2 乙は、本件構造物等の形状等に係る意匠登録を受ける権利及び意匠権を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。ただし、あらかじめ、甲の承諾を得た場合は、この限りでない。
(監督員)
第9条 甲は、監督員を置いたときは、その氏名を乙に通知しなければならない。監督員を変更したときも、同様とする。
2 監督員は、この契約書の他の条項に定めるもの及びこの契約書に基づく甲の権限とされる事項のうち甲が必要と認めて監督員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
(1) 甲の意図する成果物を完成させるための乙又は乙の管理技術者に対する業務に関する指示
(2) この契約書及び設計図書の記載内容に関する乙の確認の申出又は質問に対する承諾又は回答
(3) この契約の履行に関する乙又は乙の管理技術者との協議
(4) 業務の進捗の確認、設計図書の記載内容と履行内容との照合その他契約の履行状況の調査
3 甲は、2人以上の監督員を置き、前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督員の有する権限の内容を、監督員にこの契約書に基づく甲の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を、乙に通知しなければならない。
4 第2項の規定に基づく監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
5 第1項の規定により甲が監督員を置いたときは、この契約書に定める書面の提出は、設計図書に定めるものを除き、監督員を経由して行うものとする。この場合において、監督員に到達した日をもって甲に到達したものとみなす。
(管理技術者)
第10条 乙は、業務の技術上の管理を行う管理技術者を定め、その氏名その他必要な事項を甲に通知しなければならない。管理技術者を変更したときも、同様とする。
3 乙は、前項の規定にかかわらず、自己の有する権限のうちこれを管理技術者に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を甲に通知しなければならない。
(照査技術者)
第11条 乙は、設計図書に定める場合には、成果物の内容の技術上の照査を行う照査技術者を定め、その氏名その他必要な事項を甲に通知しなければならない。照査技術者を変更したときも、同様とする。
2 照査技術者は、前条第1項に規定する管理技術者を兼ねることができない。
(地元関係者との交渉等)
第12条 地元関係者との交渉等は、甲が行うものとする。この場合において、甲の指示があるときは、乙はこれに協力しなければならない。
2 前項の場合において、甲は、当該交渉等に関して生じた費用を負担しなければならない。
(土地への立入り)
第13条 乙が調査のために第三者が所有する土地に立ち入る場合において、当該土地の所有者等の承諾が必要なときは、甲がその承諾を得るものとする。この場合において、甲の指示があるときは、乙はこれに協力しなければならない。
(管理技術者等に対する措置請求)
第14条 甲は、管理技術者若しくは照査技術者又は乙の使用人若しくは第7条第3項の規定により乙から業務を委任され、若しくは請け負った者がその業務の実施につき著しく不適当と認められるときは、乙に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
2 乙は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に甲に通知しなければならない。
3 乙は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、甲に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを請求することができる。
4 甲は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について決定し、その結果を請求を受けた日から10日以内に乙に通知しなければならない。
(履行報告)
第15条 乙は、設計図書に定めるところにより、契約の履行について甲に報告しなければならない。
(貸与品等)
第16条 甲が乙に貸与し、又は支給する調査機械器具、図面その他業務に必要な物品等(以下「貸与品等」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 乙は、貸与品等の引渡しを受けたときは、引渡しの日から7日以内に、甲に受領書又は借用書を提出しなければならない。
3 乙は、貸与品等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
4 乙は、設計図書に定めるところにより、業務の完了、設計図書の変更等によって不用となった貸与品等を甲に返還しなければならない。
5 乙は、故意又は過失により貸与品等が滅失若しくは毀損し、又はその返還が不可能となったときは、甲の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
(設計図書と業務内容が一致しない場合の修補義務)
第17条 乙は、業務の内容が設計図書又は甲の指示若しくは甲乙協議の内容に適合しない場合において、監督員がその修補を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が甲の指示によるときその他甲の責めに帰すべき事由によるときは、甲は、必要があると認められるときは、履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(条件変更等)
第18条 乙は、業務を行うに当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに甲に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書及びこれらの図書に係る質問回答書並びに現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
(2) 設計図書に誤謬又は脱漏があること。
(3) 設計図書の表示が明確でないこと。
(4) 履行上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な履行条件と実際の履行条件が相違すること。
(5) 設計図書に明示されていない履行条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
3 甲は、乙の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後14日以内に、その結果を乙に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ、乙の意見を聴いた上、当該期間を延長することができる。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、甲は、必要があると認められるときは、履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(業務の中止)
第20条 第三者の所有する土地への立入りについて当該土地の所有者等の承諾を得ることができないため、又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)であって、乙の責めに帰すことができないものにより作業現場の状態が著しく変動したため、乙が業務を行うことができないと認められるときは、甲は、業務の中止内容を直ちに乙に通知して、業務の全部又は一部を一時中止させなければならない。
2 甲は、前項に定めるもののほか、必要があると認めるときは、業務の中止内容を乙に通知して、業務の全部又は一部を一時中止させることができる。
3 甲は、前2項の規定により業務を一時中止した場合において、必要があると認められるときは履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙が業務の続行に備え業務の一時中止に伴う増加費用を必要としたとき若しくは乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(業務に係る乙の提案)
第21条 乙は、設計図書等について、技術的又は経済的に優れた代替方法その他改良事項を発見し、又は発案したときは、甲に対して、当該発見又は発案に基づき設計図書等の変更を提案することができる。
2 甲は、前項の規定により乙の提案を受けた場合において、必要があると認めるときは、設計図書等の変更を乙に通知するものとする。
3 甲は、前項の規定により設計図書等が変更された場合において、必要があると認められるときは、履行期間又は業務委託料を変更しなければならない。
(適正な履行期間の設定)
第22条 甲は、履行期間の延長又は短縮を行うときは、この業務に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により業務の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
(乙の請求による履行期間の延長)
第23条 乙は、その責めに帰すことができない事由により履行期間内に業務を完了することができないときは、その理由を明示した書面により甲に履行期間の延長変更を請求することができる。
2 甲は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、履行期間を延長しなければならない。甲は、その履行期間の延長が甲の責めに帰すべき事由による場合においては、業務委託料について必要と認められる変更を行い、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(甲の請求による履行期間の短縮等)
第24条 甲は、特別の理由により履行期間を短縮する必要があるときは、履行期間の短縮変更を乙に請求することができる。
2 甲は、前項の場合において、必要があると認められるときは、業務委託料を変更し、又は乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(履行期間の変更方法)
第25条 履行期間の変更については、甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
(業務委託料の変更方法等)
第26条 業務委託料の変更については、甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
2 前項の協議開始の日については、甲が乙の意見を聴いて定め、乙に通知するものとする。ただし、甲が業務委託料の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、乙は、協議開始の日を定め、甲に通知することができる。
3 この契約書の規定により乙が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に、甲が負担する必要な費用の額については、甲乙協議して定める。
(臨機の措置)
第27条 乙は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、乙は、あらかじめ、甲の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2 前項の場合において、乙は、そのとった措置の内容を甲に直ちに通知しなければならない。
3 甲は、災害防止その他業務を行う上で特に必要があると認めるときは、乙に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
(第三者に及ぼした損害)
第29条 業務を行うにつき第三者に及ぼした損害(第3項に規定する損害を除く。)について、当該第三者に対して損害の賠償を行わなければならないときは、乙がその賠償額を負担する。
3 業務を行うにつき通常避けることができない騒音、振動、地下水の断絶等の理由により第三者に及ぼした損害(設計図書に定めるところにより付された保険によりてん補された部分を除く。)について、当該第三者に損害の賠償を行わなければならないときは、甲がその賠償額を負担しなければならない。ただし、業務を行うにつき乙が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、乙が負担する。
4 前3項の場合その他業務を行うにつき第三者との間に紛争を生じた場合においては、甲乙協力してその処理解決に当たるものとする。
(不可抗力による損害)
第30条 成果物の引渡し前に、天災等(設計図書で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)で甲乙双方の責めに帰すことができないもの(以下「不可抗力」という。)により、試験等に供される業務の出来形部分(以下この条及び第50条において「業務の出来形部分」という。)、仮設物又は作業現場に搬入済みの調査機械器具に損害が生じたときは、乙は、その事実の発生後直ちにその状況を甲に通知しなければならない。
3 乙は、前項の規定により損害の状況が確認されたときは、損害による費用の負担を甲に請求することができる。
4 甲は、前項の規定により乙から損害による費用の負担の請求があったときは、当該損害の額(業務の出来形部分、仮設物又は作業現場に搬入済みの調査機械器具であって立会いその他乙の業務に関する記録等により確認することができるものに係る額に限る。)及び当該損害の取片付けに要する費用の額の合計額(以下「損害合計額」という。)のうち、業務委託料の100分の1を超える額を負担しなければならない。
(1) 業務の出来形部分に関する損害 損害を受けた業務の出来形部分に相応する業務委託料の額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
(2) 仮設物又は調査機械器具に関する損害 損害を受けた仮設物又は調査機械器具で通常妥当と認められるものについて、当該業務で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における成果物に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
(検査及び引渡し)
第32条 乙は、業務を完了したときは、その旨を甲に通知しなければならない。
2 甲又は甲が検査を行う者として定めた職員(以下「検査員」という。)は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から10日以内に乙の立会いの上、設計図書に定めるところにより、業務の完了を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を乙に通知しなければならない。
3 甲は、前項の検査によって業務の完了を確認した後、乙が成果物の引渡しを申し出たときは、直ちに当該成果物の引渡しを受けなければならない。
4 甲は、乙が前項の申出を行わないときは、当該成果物の引渡しを業務委託料の支払の完了と同時に行うことを請求することができる。この場合においては、乙は、当該請求に直ちに応じなければならない。
2 甲は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から30日以内に業務委託料を支払わなければならない。
2 前項の場合においては、甲は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 甲は、第1項の規定により成果物の全部又は一部を使用したことによって乙に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(前金払)
第35条 乙は、保証事業会社と、契約書記載の業務完了の時期を保証期限とする公共工事の前払金保証事業に関する法律第2条第5項に規定する保証契約(以下「保証契約」という。)を締結し、その保証証書を甲に寄託して、業務委託料の10分の3以内の前払金の支払を甲に請求することができる。
2 甲は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から14日以内に前払金を支払わなければならない。
3 乙は、業務委託料が著しく増額された場合においては、その増額後の業務委託料の10分の3から受領済みの前払金額を差し引いた額に相当する額の範囲内で前払金の支払を請求することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。
4 乙は、業務委託料が著しく減額された場合において、受領済みの前払金額が減額後の業務委託料の10分の4を越えるときは、業務委託料が減額された日から30日以内に、その超過額を返還しなければならない。ただし、当該期間内に第38条の規定による支払をしようとするときは、甲は、その支払額の中からその超過額を控除することができる。
5 前項の期間内で前払金の超過額を返還する前にさらに業務委託料を増額した場合において、増額後の業務委託料が減額前の業務委託料以上の額であるときは、乙は、その超過額を返還しないものとし、増額後の業務委託料が減額前の業務委託料未満の額であるときは、乙は、受領済みの前払金の額からその増額後の業務委託料の10分の4の額を差し引いた額を返還しなければならない。
(保証契約の変更)
第36条 乙は、前条第3項の規定により受領済みの前払金に追加してさらに前払金の支払を請求する場合には、あらかじめ、保証契約を変更し、変更後の保証証書を甲に寄託しなければならない。
2 乙は、前項に定める場合のほか、業務委託料が減額された場合において、保証契約を変更したときは、変更後の保証証書を直ちに甲に寄託しなければならない。
3 乙は、前払金額の変更を伴わない履行期間の変更が行われた場合には、甲に代わりその旨を保証事業会社に直ちに通知するものとする。
(前払金の使用等)
第37条 乙は、前払金をこの業務の材料費、労務費、外注費、機械購入費(この業務において償却される割合に相当する額に限る。)、動力費、支払運賃及び保証料に相当する額として必要な経費以外の支払に充当してはならない。
2 乙は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る既履行部分の確認を甲に請求しなければならない。
4 前項の場合において、検査に直接要する費用は、乙の負担とする。
部分払金の額≦第1項の業務委託料相当額×(9/10-前払金額/業務委託料)
(1) 第1項に規定する部分引渡しに係る業務委託料
指定部分に相応する業務委託料×(1-前払金の額/業務委託料)
(2) 第2項に規定する部分引渡しに係る業務委託料
引渡部分に相応する業務委託料×(1-前払金の額/業務委託料)
(債務負担行為に係る契約の特則)
第38条の2 債務負担行為に係る契約において、各会計年度における業務委託料の支払の限度額(以下「支払限度額」という。)は、次のとおりとする。
年度 円
年度 円
年度 円
2 支払限度額に対応する各会計年度の履行高予定額は、次のとおりである。
年度 円
年度 円
年度 円
(債務負担行為に係る契約の前金払の特則)
第38条の3 債務負担行為に係る契約の前金払については、第35条中「契約書記載の業務完了の時期」とあるのは「契約書記載の業務完了の時期(最終の会計年度以外の会計年度にあっては、各会計年度末)」と、同条及び第36条中「業務委託料」とあるのは「当該会計年度の履行高予定額(前会計年度末における第37条の2第1項の業務委託料相当額(以下この条及び次条において「前会計年度末業務委託料相当額」という。)が前会計年度までの履行高予定額を超えた場合において、当該会計年度の当初に部分払をしたときは、当該超過額を控除した額)」とする。ただし、この契約を締結した会計年度(以下この条及び次条において「契約会計年度」という。)以外の会計年度においては、乙は、予算の執行が可能となる時期以前に前払金の支払を請求することはできない。
(債務負担行為に係る契約の部分払の特則)
第38条の4 債務負担行為に係る契約において、前会計年度末業務委託料相当額が前会計年度までの履行高予定額を超えた場合においては、乙は、当該会計年度の当初に当該超過額(以下この条において「履行高超過額」という。)について部分払を請求することができる。ただし、契約会計年度以外の会計年度においては、乙は、予算の執行が可能となる時期以前に部分払を請求することができない。
部分払金の額≦業務委託料相当額×9/10-(前会計年度までの支払金額+当該会計年度の部分払金額)-{業務委託料相当額-(前会計年度までの履行高予定額+履行高超過額)}×(当該会計年度前払金額)/当該会計年度の履行高予定額
3 各会計年度において、部分払を請求できる回数は、次のとおりとする。
年度 回
年度 回
年度 回
(第三者による代理受領)
第39条 乙は、甲の承諾を得て業務委託料の全部又は一部の受領につき、第三者を代理人とすることができる。
2 甲は、前項の規定により乙が業務を一時中止した場合において、必要があると認められるときは履行期間若しくは業務委託料を変更し、又は乙が増加費用を必要とし、若しくは乙に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(契約不適合責任)
第41条 甲は、引き渡された成果物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、乙に対し、成果物の修補又は代替物の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
2 前項の場合において、乙は、甲に不相当な負担を課するものでないときは、甲が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
(1) 履行の追完が不能であるとき。
(2) 乙が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3) 成果物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、乙が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、甲がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
2 甲は、前項の規定によりこの契約を解除した場合において、乙に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(甲の催告による解除権)
第43条 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当するときは相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(1) 第5条第4項に規定する書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
(2) 正当な理由なく、業務に着手すべき期日を過ぎても業務に着手しないとき。
(3) 履行期間内に業務を完了しないとき又は履行期間経過後相当の期間内に業務を完了する見込みがないと認められるとき。
(4) 管理技術者を配置しなかったとき。
(5) 正当な理由なく、第41条第1項の履行の追完がなされないとき。
(6) 前各号に掲げるもののほか、この契約に違反したとき。
(甲の催告によらない解除権)
第44条 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第5条第1項の規定に違反して業務委託料債権を譲渡したとき。
(2) 第5条第4項の規定に違反して譲渡により得た資金を当該業務の履行以外に使用したとき。
(3) この契約の成果物を完成させることができないことが明らかであるとき。
(4) 乙がこの契約の成果物の完成の債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(5) 乙の債務の一部の履行が不能である場合又は乙がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
(6) 契約の成果物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、乙が履行をしないでその時期を経過したとき。
(8) 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)又は暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)が経営に実質的に関与していると認められる者に業務委託料債権を譲渡したとき。
2 甲は、乙(乙が共同企業体であるときは、その構成員のいずれかの者。以下この項において同じ。)が次の各号のいずれかに該当する者であるときは、この契約に係る成果物が完成している場合を除き、この契約を解除する。
(1) 暴力団
(2) 暴力団員
(3) 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
(4) 自己、自社若しくは第三者の不正な利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって暴力団又は暴力団員を利用している者
(5) 暴力団又は暴力団員に対して資金等を提供し、又は便宜を供与する等直接的又は積極的に暴力団の維持運営に協力し、又は関与している者
(6) 暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している者
(7) 暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれを利用している者
(乙の催告による解除権)
第46条 乙は、甲がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(乙の催告によらない解除権)
第47条 乙は、次の各号のいずれかに該当するときは、直ちにこの契約を解除することができる。
(1) 第19条の規定により設計図書を変更したため業務委託料が3分の2以上減少したとき。
(2) 第20条の規定による業務の中止期間が履行期間の10分の5(履行期間の10分の5が6月を超えるときは、6月)を超えたとき。ただし、中止が業務の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の業務が完了した後3月を経過しても、なおその中止が解除されないとき。
3 前項に規定する既履行部分委託料は、甲乙協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、甲が定め、乙に通知する。
2 前項の規定にかかわらず、この契約が業務の完了前に解除され、かつ、前条第2項の規定により既履行部分の引渡しが行われる場合において、第35条(第38条の3において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による前払金があったときは、甲は、当該前払金の額(第38条第1項又は第2項の規定による部分引渡しがあった場合は、その部分引渡しにおいて償却した前払金の額を控除した額)を前条第3項の規定により定められた既履行部分委託料から控除する。この場合において、受領済みの前払金になお余剰があるときは、乙は、第43条、第44条又は次条第3項の規定による解除にあっては、当該余剰額に前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ支払遅延防止法第8条に規定する率で計算した額の利息を付した額を、第42条、第46条又は第47条の規定による解除にあっては、当該余剰額を甲に返還しなければならない。
3 乙は、この契約が業務の完了前に解除された場合において、貸与品等があるときは、当該貸与品等を甲に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品等が乙の故意又は過失により滅失又は毀損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
(2) 調査機械器具、仮設物その他物件に関する撤去費用等 乙が負担する。
8 業務の完了後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については甲及び乙が民法の規定に従って協議して決める。
(甲の損害賠償請求等)
第51条 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
(1) 履行期間内に業務を完了することができないとき。
(2) この契約の成果物に契約不適合があるとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
(2) 成果物の引渡し前に、乙がその債務の履行を拒否し、又は乙の責めに帰すべき事由によって乙の債務について履行不能となったとき。
(1) 乙について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
(2) 乙について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
(3) 乙について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
5 第1項第1号に該当し、甲が損害の賠償を請求する場合の請求額は、業務委託料から既履行部分に相応する業務委託料を控除した額につき、遅延日数に応じ、支払遅延防止法第8条に規定する率で計算した額とする。
6 第2項の場合(第44条第1項第8号及び第2項の規定により、この契約が解除された場合を除く。)において、第4条の規定により契約保証金の納付又はこれに代わる担保の提供が行われているときは、甲は、当該契約保証金又は担保をもって同項の違約金に充当することができる。
(2) 前号に掲げるもののほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2 請求等は、具体的な契約不適合の内容、請求する損害額の算定の根拠等当該請求等の根拠を示して、乙の契約不適合責任を問う意思を明確に告げることで行う。
4 甲は、請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
5 前各項の規定は、契約不適合が乙の故意又は重過失により生じたものであるときには適用せず、契約不適合に関する乙の責任については、民法の定めるところによる。
6 民法第637条第1項の規定は、契約不適合責任期間については適用しない。
7 甲は、成果物の引渡しの際に契約不適合があることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該契約不適合に関する請求等をすることはできない。ただし、乙がその契約不適合があることを知っていたときは、この限りでない。
8 引き渡された成果物の契約不適合が設計図書の記載内容、甲の指示又は貸与品等の性状により生じたものであるときは、甲は当該契約不適合を理由として請求等をすることができない。ただし、乙がその記載内容、指示又は貸与品等が不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(保険)
第54条 乙は、設計図書に基づき火災保険その他の保険を付したとき又は任意に保険を付しているときは、当該保険に係る証券又はこれに代わるものを直ちに甲に提示しなければならない。
(賠償金等の徴収)
第55条 乙がこの契約に基づく賠償金、損害金又は違約金を甲の指定する期間内に支払わないときは、甲は、その支払わない額に甲の指定する期間を経過した日から起算して業務委託料支払の日までの日数に応じ支払遅延防止法第8条に規定する率で計算した額の利息を付した額と、甲の支払うべき業務委託料とを相殺し、なお不足があるときは追徴する。
2 前項の追徴をする場合には、甲は、乙から遅延日数につき支払遅延防止法第8条に規定する率で計算した額の延滞金を徴収する。
(紛争の解決)
第56条 この契約書の各条項において甲乙協議して定めるものにつき協議が整わなかったときに甲が定めたものに乙が不服がある場合その他契約に関して甲乙間に紛争を生じた場合には、甲及び乙は、協議の上調停人を選任し、当該調停人のあっせん又は調停によりその解決を図る。この場合において、紛争の処理に要する費用については、甲乙協議して特別の定めをしたものを除き、調停人の選任に係るものは甲乙折半し、その他のものは甲乙それぞれが負担する。
(情報通信の技術を利用する方法)
第58条 この契約書において書面により行わなければならないこととされている指示等は、法令に違反しない限りにおいて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければならない。
(契約外の事項)
第59条 この契約書に定めのない事項については、必要に応じて甲乙協議して定める。
附則
この訓令は、令和3年7月26日から施行する。