平成21年度 武雄市図書館・歴史資料館企画展
〜石炭採掘〜
室町時代から江戸時代に発見された石炭は、燃え石とか油石ともよばれ、家庭燃料としてまた銭湯や瓦焼・塩田用の燃料として重宝されました。幕末以降には蒸気船の燃料としても需要が多く、やがて近代工業の発展とともに欠かせない資源として採掘されるようになりました。しかし、昭和30年代後半になると石油にその座を奪われ、閉山の道をたどることとなりました。
このような流れは武雄地方にもあり、江戸時代の宝暦元年(1751)に北方町大崎の大副山で石炭採掘が開始されました。明治20年代から昭和まで多くの労働者をかかえた大規模資本の炭鉱が展開され、人口の増大や学校が大規模化し、活況にあふれ、街はおおいに賑わっていました。
この石炭にみる近代史を通して、にぎわいの原風景を探るとともに、エネルギー問題や人権問題など、私たちが今も課題としていることがらにも思いをはせていただければ幸甚に存じます。
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