平成21年度 武雄市図書館・歴史資料館企画展

嬉野家資料展

 嬉野家の先祖は、平安時代以降、杵島・藤津地方を本拠に活躍した一族です。1159(平治元)年、この地方で時の政府に対して反乱を起こした日向太郎通良の後裔であり、白石氏を称えました。
 13世紀後半の蒙古襲来では、肥後の御家人竹崎季長を助けて奮戦。その様子を描いた『蒙古襲来絵詞』にも肥前国御家人白石六郎通泰の名で描かれています。この頃から宇礼志野(嬉野)氏を名乗り、藤津地方の有力豪族として成長しました。
 江戸時代、嬉野家の嫡家は佐賀鍋島家の家臣となり、350石から175石余の禄高が与えられる格式の高い家柄でした。
 嬉野家には、100通を超える貴重な古文書を始め、江戸期を中心とする多くの資料が残されています。とくに、宇礼志野六郎通氏子息に宛てて出された、1289(正応2)年の「蒙古合戦勲功賞・神崎(神埼)荘配分状」は、原本の残る例の少ない貴重な資料で、その他の古文書類も高い価値が認められています。
 平成18年の台風13号で築200年を上回る嬉野家の邸宅が大被害を受けたため、一族ゆかりの杵島地方にある武雄市図書館・歴史資料館へ保管の申し入れがありました。今回、武雄史図書館・歴史資料館で保管される嬉野家資料を公開する初めての展覧会を開催します。

場所:企画展示室(観覧無料)
期日:平成21年4月4日(土)〜平成21年5月24日(日)


 蒙古合戦勲功賞神崎(神埼)荘配分状
   
 
 

蒙古合戦勲功賞神崎(神埼)荘配分状

1289(正応2)年3月12日
肥前国宇礼志野六郎通氏子息犬童・黒童あて

 13世紀後半の蒙古襲来では、九州の御家人たちが多く動員され、命がけの戦闘を行なった。この資料は、宇礼志野六郎通氏の子息に褒美として神崎荘(現在の佐賀県神埼市一帯)を配分し与えたことを示すもので、現存するものとしても大変貴重なものである。

 
 

   
 

染付菊文角小皿

江戸時代後期

 表面には菊の絵を染付け、裏面には牡丹唐草文を2箇所に描く。大川内鍋島藩窯で造られたと思われる。

 
   
染付菊文角小皿

鳥槙蒔絵提重
   
 

鳥槙蒔絵提重

 重箱や小皿、盃などが収められた提重。右側の空いた部分には銚子等が入る。箱の上部に持ち運ぶための取っ手がついていた跡がみえる。

 
   

   
 

陣羽織

江戸時代

 嬉野家の家紋である三つ丸一の紋が入った陣羽織。黄色の羅紗地に、コード刺繍の技法で波濤文が施され、背割れの上端に緒飾りが付いている。

 
   
陣羽織


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