No. 41-1

時を越えて作り手の思いを感じる 武雄温泉楼門

#特別編

着付け体験授業の後、佐賀女子短期大学の学生11名が着物姿で訪れたのは、国の重要文化財にも指定されている「武雄温泉楼門」。

東京駅や日本銀行本店などを設計した辰野金吾博士が設計し、1915年(大正4年)に完成した木造の建築物です。

100年を超える歴史を紡ぎ、今でも武雄温泉を訪れる観光客を迎え入れ、武雄市のシンボルとして知られています。

この日のガイド役を務めるのは、武雄温泉株式会社の岸川課長。長いご経験の中でも、これだけの人数の着物姿の女性が楼門を訪れたのはめったにないとのことで、「やっぱり日本建築には着物がよく合いますね」と嬉しそうに話されていました。

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岸川課長の案内で、学生たちは楼門の2階へと上がります。釘が一本も使われていないこと、他にもあと2つの楼門の建設が予定されていたことなど、興味深い話が次々と出てくる中で、学生の皆さんの興味を一際引いたのが、天井の四隅に彫られた「干支(えと)」の話。

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楼門2階の天井を見上げると、四隅には「子(ねずみ)」、「卯(うさぎ)」、「馬(うま)」、「鳥(とり)」の4つの干支の透かし彫りが。

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12の干支のうち残りの8つの干支は、どこにあるかというと・・・。

それは、何と辰野金吾博士ゆかりの東京駅!

博士のちょっとした遊び心(?)が生んだミステリーに、「東京駅に干支があることも知りませんでしたが、東京駅にない干支が武雄にあるのには驚きました!」、「東京駅の干支も見てみたい!」などと、学生の皆さんも興奮気味。

続いて、岸川課長の計らいで、側面に設置された唐桟戸(からさんど)という扉を開けていただきました。扉が開くと、正面に武雄温泉新館の朱塗りの建物が飛び込んできました。「すごくきれい!」、皆さん興奮の連続です。

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最後に、学生の皆さんは、その新館へと足を運びました。

新館も辰野金吾博士の設計によるもので、かつて1階が風呂場、2階が休憩室として利用されていました。

2階の長い廊下に面した窓側から外を眺めると、向かい側に見える楼門がちょうど窓の枠内に収まる大きさに作られており、「窓を背景に写真を撮ると、そこがインスタ映えすると思います」と、当時の趣向が時を越えて今を生きる学生たちを魅了していました。

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あっという間に時間が過ぎ、旅の思い出に、皆さんで記念撮影。

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100年以上前の技術、工夫、思いが、今でも新鮮な感動を呼ぶ武雄温泉楼門。11名の学生たちも笑顔で「たけ推し」!

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