○武雄市議会基本条例

令和5年10月5日

条例第28号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 住民との関係(第6条・第7条)

第3章 市長等との関係(第8条―第11条)

第4章 議会の機能強化(第12条―第19条)

第5章 政治倫理(第20条)

第6章 見直し手続(第21条)

附則

人口構造の変化に伴い地域課題は多様化・複雑化し、地方公共団体を取り巻く環境が変化する中で、住民の多様な意見を反映しながら合意形成を行う場である議会は、重要な役割を十分に果たすこと、また議会のあるべき姿を明確にすることが求められている。

このため武雄市議会は、二元代表制の一翼を担う存在として、住民との協調の下、政策立案及び政策提言を行うとともに、積極的に議会改革に取り組み、変容する社会の中で、地方自治における議会の役割を果たすべく取り組むことを決意する。

よって、ここに条例を制定し、住民の負託にこたえていくことを宣言する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、議会、議員及び議長の活動原則を明らかにするとともに、議会と住民及び市長等との関係並びに議会に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく住民の負託に的確にこたえ、もって住民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。

(最高規範性)

第2条 この条例は、議会における最高規範であって、この条例の趣旨に反する議会に関係する条例、議会規則、議会告示等を制定してはならない。

(議会の活動原則)

第3条 議会は、議会が、議員、市長、住民等の自由な討論の場であるとの認識に立つものとする。

2 議会は、主権者である住民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重んじ、住民に開かれた議会として、住民参加を目指して活動するものとする。

3 議会は、市の施策に対する意思決定を行う議決機関として、市政運営状況の監視及び評価を行うとともに、適切な判断と責任ある活動を行うものとする。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、住民福祉の向上を目指して活動するものとする。

2 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由かっ達な討論の推進を図るものとする。

3 議員は、自己の能力を高める不断の研さんに努め、市政全般についての課題及び住民の意見、要望等を的確に把握するものとする。

(議長の活動原則)

第5条 議長は、議会を代表して中立公正な職務遂行に努め、民主的な議会運営を行わなければならない。

第2章 住民との関係

(住民との関係の基本原則)

第6条 議会は、議会の活動に関する情報公開に努めるとともに、住民の求める説明を十分に果たすものとする。

2 議会は、本会議のほか、議会運営委員会、常任委員会、特別委員会及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第12項に規定する議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を原則として公開するものとする。

3 議会は、本会議、議会運営委員会、常任委員会及び特別委員会の運営にあたり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

4 議会は、議会及び議員の政策形成能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るために、議員と住民等との意見交換の場を設けることができる。

(議会及び議員の広報)

第7条 議会及び議員は、多くの住民が議会及び市政に関心を持つよう、多様な手段を活用し、広報に努めるものとする。

2 議会及び議員は、発信する情報の正確性、公平性を確保しなければならない。また、氏名等の個人情報の取扱いに厳重に注意しなければならない。

第3章 市長等との関係

(市長等との関係の基本原則)

第8条 議会は、市長との立場及び権能の違いを踏まえ、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と常に緊張ある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び市長等への政策提言を通じて、市政の発展に取り組むものとする。

(市長等による政策等の形成過程の説明)

第9条 市長等は、議会に対して、提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため、次に掲げる事項の説明に努めるものとし、議会は、市長等に対して、提案される政策等に関し、必要に応じて説明を求めることができる。

(1) 必要とする背景及び目的

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 期待される効果

(4) 計画における根拠又は位置付け

(5) 関係する法令及び条例等

(6) 財源措置

(7) 将来負担すべき経費

2 議会は、前項の政策等を審議するにあたっては、当該政策等の立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(予算及び決算の審議における政策説明)

第10条 議会は、予算及び決算の審議にあたっては、前条の規定に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明を市長等に求めるものとする。

(市政に係る重要な計画の取扱い)

第11条 議会は、市長等が各行政分野における基本的な計画の策定、変更等をするために計画の概要を公表し、広く住民等から意見等を募集するときは、あらかじめ、市長等に当該計画の策定、変更等を行う理由及び概要の説明を求めるものとする。

第4章 議会の機能強化

(会派)

第12条 議員は、議会活動を行うため、会派(議会において基本的政策をもって活動を行う個人又は団体をいう。以下同じ。)を結成することができる。

2 会派は、政策立案、政策決定及び政策提言に関し、会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。

(政務活動費)

第13条 会派及び会派に準ずるクラブ等は、調査研究その他の活動に資するために政務活動費の交付を受けたときは、証拠書類を公開すること等により、その使途の透明性を確保するものとする。

2 前項に定めるもののほか、政務活動費の交付に関しては、武雄市議会政務活動費の交付に関する条例(平成18年条例第223号)の定めるところによる。

(議会改革の推進)

第14条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、議員間で協議する場を設け、議会の役割を果たすべく、見直しも行いながら、積極的に議会改革の推進に取り組むものとする。

(専門的事項に関する調査)

第15条 議会は、議案の審査又は市の事務に関する調査のために必要な専門的事項に係る調査にあたり、学識経験を有する者等を積極的に活用するものとする。

(議員研修の充実強化)

第16条 議会は、議員の政策の形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。

(災害時の対応)

第17条 議会は、住民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害等が発生した場合は、住民及び地域の状況を的確に把握するとともに、議会としての業務を継続し、市長等に速やかに必要な要請を行うものとする。

(議会図書室)

第18条 議会図書室は、誰もが利用することができる。

2 議会は、議会及び議員の調査研究に資するため、議会図書室の図書等の充実に努め、その有効活用を図るものとする。

(議会事務局の体制整備)

第19条 議会は、議会及び議員の政策の形成及び立案機能の支援体制を強化するため、議会事務局の調査及び法制機能の充実を図るものとする。

第5章 政治倫理

第20条 議員は、住民の代表として良心及び責任感を持って、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めなければならない。

第6章 見直し手続

(見直し手続)

第21条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを定期的に検証するものとする。

2 議会は、この条例の施行後、常に住民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

武雄市議会基本条例

令和5年10月5日 条例第28号

(令和5年10月5日施行)