平成20年度 武雄市図書館・歴史資料館ミニ企画展

新収蔵品展

 武雄市図書館・歴史資料館では展示資料の拡充を図るため、武雄に関するもの、また江戸後期に積極的な蘭学導入を図ったことを示す武雄鍋島家伝来資料を補完する意味から蘭学に関わるものを中心に、新たな資料の収集を進めています。
 今回は平成19年度・20年度に新たに収蔵した資料を展示します。この機会にぜひ御鑑賞下さい。
 下に、展示品の一部をご紹介します。

場所:蘭学館ミニ展示コーナー(観覧無料)
期日:平成21年2月20日(金)〜4月15日(水)


清水家伝来甲冑
   
 

清水家伝来甲冑

江戸時代

 武雄の清水家に相伝した甲冑。清水家は、江戸時代の初め、京都から武雄に来た清水に始まる家系で代々の医家を継承している。医師が身に着けた甲冑に相応しく、胴の右脇には救急処置用の薬品等を入れたと思われる衣嚢(ポケット)が付けられている。また、兜の前立ては、これも珍しい鎌の形で、薬草を刈り取ることと関係するのだろうか。

 
   

   
 

調練歩行の図

慶応3(1867)年・歌川芳藤筆

 旗や笠の絞所が意味する所は不明だが、徳川幕府は開国に際し、軍備の近代化の為フランス式歩兵訓練を行い、軽歩兵などからなる陸軍を組織している。この錦絵もそうした部隊の1つが画題とされた可能性がある。
 歌川芳藤は、子供のための玩具絵を浮世絵で手がけ、「おもちゃ芳藤」とも呼ばれた。

 
   
調練歩行の図

西洋兵学訓蒙
   
 

 西洋兵学訓蒙

安政4(1857)年

 江戸時代後期、異国船の来航が相次ぎ、海岸防備や伊勢神宮防備に忙殺された津藩(現在の三重県)の中西喜一郎の著書。オランダ語の砲術・兵学用語が、絵入りのカルタ方式で紹介されている。

 
   

   
 

萬国山海通覧分図

嘉永6(1853)年

 アメリカ合衆国使節のペリーが浦賀に来航し、またロシア使節のプチャーチンが長崎に来航した年に出版された版画で、当時の海外情報がふんだんに盛り込まれている。中央には、人々の驚異の的となった蒸気船が描かれている。また、長崎の警戒にあたった大名の中に「肥前佐賀松平肥前守」の名も記されている。

 
   
萬国山海通覧分

雪景鳥図
   
 

雪景鳥図

江戸時代前期・広渡(法橋)心海筆

 広渡(法橋)心海は、代々武雄領主の御用絵師をつとめた広渡家の第4代。広渡家は20代の家信に起用され、一度は途絶えたものの、昭和初期まで絵師の家柄であった。京都遊学中に禁裏(宮中)の御用を命じられ、寛文4(1664)年「法橋」の官位を受けたことから「法橋心海」と呼ばれる。

雪景鳥図「印鑑」雪景鳥図「鳥拡大」

印鑑部分拡大

鳥部分拡大

 
   


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