平成23年度 武雄市図書館・歴史資料館企画展

岩倉使節団 米欧回覧140年

知ってますか?山口尚芳

 平成23(2011)年は、明治4(1871)年岩倉具視を全権大使とする米欧視察の使節団が、横浜港を出発してから140年に当る年です。
 この使節団に全権副使として参加した外務少輔山口尚芳(ますか)は、武雄の出身で、岩倉と共に使節団の全行程を巡った唯一の副使でもあります。
茂昌肖像
 米欧派遣から帰国後、明治7年に佐賀戦争が起きると、山口は海軍の警備兵を率いて佐賀に入り、鎮圧に努めました。また、明治8年には元老院議員、14年には初代の会計検査院長に就任、同時に元老院・参事院議員も勤めました。
 岩倉使節団の派遣から140年の今年、関係機関等の協力を得て、山口尚芳関係の資料を展示・紹介するとともに、近代日本の黎明期に山口尚芳が果たした業績を振り返る展覧会を行ないます。
 

場所:企画展示室(観覧無料)
期日:平成23年10月29日(土)〜11月27日(日)
 
担当学芸員のギャリートーク:いずれも13:30〜
10月29日(土)・11月12日(土)・23日(水)

 

展示物の一部を下に紹介します。関連年表は こちら 
 
 
   
 

石席惣着到

慶応元(1865)年 武雄鍋島家資料

 定米八石取り(切米六石加米弐石)として尚芳の父、山口形左衛門の名がある。山口治喜人の名も定米拾五石として記されるが、加米であり付箋で添付されていることから、この時期に急ぎ加増されたらしいことが判る。
 なお『武雄団結給禄着到』には、山口形左衛門倅として山口治喜人の名が記され、それを線で消した横に、新たに「範蔵」の書き込みがあることから、「治喜人=尚芳」と考えられる。

 
   
石席惣着到
 
岩倉米欧使節紹介状ほか
   
 

岩倉米欧使節紹介状ほか

明治4(1871)年カ 武雄市蔵

 岩倉使節団の最初の寄航地サンフランシスコで、通訳及び日本領事を務める銀行家チャールズ・ブルックが米国政府に提出した使節団一行の紹介状および米国ドルへの両替証明書など。

 
   
 
   
 

「特命全権大使 米欧回覧実記」

 岩倉使節団が米欧各国で体験した事象が、あらゆる分野において詳細に記述・洞察され、貴重な旅行記であると同時に、東西比較文明論としての位置付けもなされている。『米欧回覧実記』は人々の関心を呼び、明治11(1878)年10月、博聞社から初版500部が5冊同時に発売された後、普及版が四版まで増刷され、印刷部数は総数でおよそ3,500部に達した。写真の表紙は普及版。
※武雄市所蔵分は、一篇のみ初版、二〜五篇が普及版。

 
   
特命全権大使 米欧回覧実記
 
国会議員百首
   
 

國会議員百首

明治24(1891)年 武雄市蔵

 当時の国会議員と和歌を紹介したもの。山口尚芳も絵入りで登場する。ページの上段には経歴が記され、下段にくつろぐ山口尚芳の姿と「百八十と国は多けと秋津島その日之本のうましまつ国」の歌が記されている。上段の説明には「爰に掲る哥ハ国と題して詠たるもの也」とある。

 
   
 
   
 

【参考】要用書附のうち

明治7(1874)年 武雄鍋島家資料

 佐賀戦争に加担して捕縛された本藩藩士石井忠敏を、山口外務少輔(尚芳)と相談の上取り調べるよう、警備隊本営から鍋島総蔵(茂昌)へ送られた書状。
※読み下し
佐賀賊徒石井忠敏、馬上通掛候ニ付、捕縛致、警送候条、山口外務少輔被相談、可被御取糺候也
  二月廿八日  警備隊本営
   鍋島総蔵殿
※今回は展示されていません。

 
   
要用書附
 

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