平成23年度 武雄市図書館・歴史資料館ミニ企画展

しげよしってどんな人?

 武雄市図書館・歴史資料館では、平成23年9月より、「子ども司書講座」(計8回)を開催。5回目にあたる11月12日には、「武雄の歴史を学ぼう しげよしってどんな人?」と題し、 武雄の「蘭学」と深く関わりのある第28代鍋島茂義にスポットをあてた講座を行いました。
 この度は、講座の開催風景とともに、茂義の生きた時代と業績について、子どもにもわかりやすく解説したパネル展示を行います。

講座風景
「しげよし双六」に挑戦する受講者たち


場所:蘭学館ミニ展示コーナー(観覧無料)
期日:平成23年11月18日(金)〜3月14日(水)


   
 

「御日記草書」

寛政12(1800)年
武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 御日記草書は、佐賀城下に在った武雄屋敷(現在の佐賀西高等学校グラウンド・本願寺付近)の記録である。天明5(1785)年から幕末まで、70冊程が残されており、寛政12年10月25日の項には、「若君様御出産」として茂義誕生の記述がある。各日付の下には、当日の気象状況なども記入され、それにより当日が積雪のあった寒い日であったことが知れる。また、11月3日の項には、若君様が『孟太郎』と名付けられたことが記される。

 
   
「御日記草書」

キセル
   
 
 

キセル

武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 茂義の買い物帳とも言うべき資料「長崎方控」のなかに、度々『たばこ』の注文も見受けられる。煙草の調合についても細かく指示がなされ、茂義のこだわりをうかがい知る事が出来る。
 江戸時代の喫煙方法は、髪の毛のように細く刻んだ『細刻み』をキセルで吸うのが一般的である。キセルは、日本をはじめ中国や朝鮮半島など、東アジアの国々に見られる喫煙具。たばこを東洋に伝えた南蛮人のパイプを模倣したものがキセルの原型と考えられている。写真のキセルは、金属で出来た雁首と吸い口の間を繋ぐ羅宇が、布で装飾されており、吸い口は武家が好んだ玉川形である。

 
 

水キセル
   
 

水たばこ用キセル

武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 たばこの煙を、水をくぐらせて吸うための喫煙具。煙を冷やし、味をやわらげる工夫としてトルコなど中近東の地域で発明され、その後、インド、中国からアジアの一部にかけての地域に広まった。元々の器具は大きさがあり気軽に持ち運べないが、このキセルは中国で改良された携帯用である。手入れ用の、金属の棒とピンセットが本体に収納できるようになっているが、残念ながら本資料からは失われている。

 
   

   
 

虫眼鏡

武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 17世紀から19世紀にかけ、オランダはレンズ技術の先進国であった。その技術は日本にももたらされ、17世紀の終わり頃には、江戸や大阪などで眼鏡だけではなく、望遠鏡や顕微鏡も作られるようになった。ただし、無色透明の質の良いガラスを作る技術がなかったことから、材料には水晶が用いられることが多かった。
 この虫眼鏡の包み紙には「御餞別麁蘭物」とあり、玉もガラス製であることから、舶来品ではないかと考えられる。

 
   
虫眼鏡


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