令和元年度 武雄市図書館・歴史資料館企画展

すごいぞ!武雄

見たい!知りたい!学びたい!武雄の蘭学

 武雄領主鍋島茂義(1800-62)は、長崎を通じて西洋の先進的な科学技術を取り入れ、佐賀藩ひいては日本の近代化に大きな影響を与えました。武雄には、茂義の時代を中心に蒐集した文物が数多く残っており、そのうち2,224点が「武雄鍋島家洋学関係資料」として国の重要文化財に指定されています。
 武雄に残された資料は、どれも我が国における西洋の科学技術の受容に関係する貴重な資料です。これらを元に研究を行った武雄は、西洋砲術、医学、測量、天文、化学、植物学など当時の日本のなかでも最先端の知識や技術を持っていました。武雄に根付いた蘭学・洋学は幕末以降大きな実を結び、羽州戦争での武雄隊の奮闘や、岩倉使節団に副使として派遣された山口尚芳の活躍など、新しい時代へとつながっていきました。
副読本  武雄市歴史資料館では、平成30年度の明治維新150周年に合わせて、副読本「すごいぞ!武雄~見たい!知りたい!学びたい!武雄の歴史~」を刊行しました。副読本の刊行を記念し、我が国における蘭学・洋学の先進的な受容という、武雄のすごい歴史を多くの人に知ってもらう展覧会を開催します。また、先生方や子どもたちに展覧会を見学していただき、副読本の活用を推進します。
 

場所:蘭学・企画展示室(観覧無料)
期日:令和元年7月27日(土)~8月25日(日)
開館時間:金・土曜日は9時~21時、それ以外の日は9時~18時
 
ギャリートーク
7月27日(土)・8月12日(月・祝)・18日(日)・24日(土)
いずれも14時~

 

展示物の一部を下に紹介します。  チラシ 
 

イギリス焼物(染付西洋風景図稜花深皿)
   
 

イギリス焼物(染付西洋風景図稜花深皿)

重要文化財
イギリス 19世紀
武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 イギリスで作られた皿です。銅版画による転写紙を硬質陶器の器面に貼りつけ、釉薬を施して低温で焼き上げるプリントウェアの技術が使われています。イタリア・ベネチアのゴンドラのような舟や、アルプスを思わせる山などがデザインされています。

 
   
 
シャルルヴィル銃
   
 
 

シャルルヴィル銃

18世紀後半
武雄市蔵

 弾を発射する火薬に、火打石で火をつける火打石銃です。江戸時代、日本では火縄で火をつける火縄銃が一般的でしたが、ヨーロッパでは16世紀ごろから、より進んだ火打石銃がひろまっていました。鍋島茂義が西洋の戦術を取り入れる手始めとして手に入れたのは、このような火打石銃だったといわれています。

 
 
 
   
 

連邦志略

重要文化財
箕作阮甫訓点 元治元(1864)年
武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 アメリカ合衆国の地理や歴史、文化などについて書かれた本です。中国の上海で発行されたものを、津山藩(現在の岡山県)の箕作阮甫が訓や点(漢文を訓読みするための文字や符号)をつけて出版されました。政治制度や経済についても書かれています。

 
   
連邦志略
 
合言葉
   
 

合言葉

重要文化財
慶応4(1868)年8月24日
武雄鍋島家資料 武雄市蔵

 戊辰戦争で羽州(秋田・山形)方面へ出陣した武雄軍団に、8月24日の戦争中に使用する合言葉を知らせるものです。合言葉は、敵と味方を区別する手段でした。書かれている合言葉は「秋ノ 夜寒」です。他にも「鼻ノ下タ」や「愉快ナ噺シ」、「馬進マズ」などいろいろな合言葉が使われました。

 
   

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