今から2年前、武雄温泉駅を起点とする西九州新幹線が開業しました。武雄に住みながら他県に通う人、便利で豊かな環境を求めて武雄に移住してくる人、アジアだけでなく欧米からもやってくるたくさんの観光客。新幹線をきっかけに、私たち一人一人の生活の幅は広がり、まちの風景は大きく変わりました。
昨年5月には、ケーブルワンスポーツパーク(武雄市民体育館)がニューオープン。「Noと言わない公園」をコンセプトに、スポーツをする人もしない人も、誰もが思い思いに過ごせる場所を目指してきました。オープンから1年経った今、広場ではバスケやグラウンドゴルフ、キャッチボールなど、都会では禁止されていることも、自分らしく自由に楽しむ人たちの姿を毎日見ることができます。
これからは、アートも楽しめる文化拠点の整備をきっかけに、文化を活かした心豊かなまちづくりに力を入れていきます。また、国内トップクラスのデジタル教育をさらに前へ進め、4年制大学の誘致にもチャレンジするなど、人づくりも大切にします。変わらないことは、現状維持どころか衰退を意味します。今求められているのは、未来を見すえた「まちのアップデート」です。
一方で、忘れてはいけないのは、まちづくりの根本は、誰もが安心して暮らせるようにするということ。防災や治水対策に全力で取り組むとともに、子どもの貧困対策、障がい者の支援、ヤングケアラーの支援、不登校対策など、どちらかというとこれまであまり光が当たらなかった分野にも、武雄市はどの自治体より早く、きめ細かく取り組んでいます。裾野が広がれば、山は自然と高くなるもの。どんな境遇や環境であっても、誰もが自分らしく幸せに暮らせる「優しいまち」こそ、真の意味で、未来に続く強いまちだと信じています。
ただ、今は何が正解なのかわからない時代です。大切なのは、現場に行って人の話を聞くこと。本を読み、旅に出て、自ら学ぶこと。その上で、自分の頭で考え抜き、行動に移すこと。思い切ってチャレンジすること。それを繰り返す粘り強さは、あなたの糧になり、必ず誰かの幸せにつながるはずです。
市民一人一人の幸せのために、誠実に生きようという志のある皆さん。
未来のこどもたちに、このまちをつなぎましょう。私たちと一緒に。
武雄市長 小松 政