武雄市図書館・歴史資料館企画展

広渡家〜絵師の系譜をたどる〜

 広渡家は、戦国時代に武雄領主であった後藤家信の頃から、代々武雄の御用絵師を務めた家です。広渡家からは、様々な絵師が生まれました。後に佐賀本藩に召し抱えられた広渡雪山、朝廷から認められ、優れた絵師に与えられる「法橋」の称号を授けられた広渡心海(法橋心海)、広渡家の養子となり、武雄領主鍋島茂義に絵を教えるなど広渡家を再興した広渡心海(心海良寛)、心海良寛の子で、山水花鳥を得意とした広渡三舟などです。特に、広渡雪山・法橋心海は、後の世でも「京摂ニモ知ラレタリ」(柴田花守『画学南北弁』)と評価されており、文化の中心地である京都や大坂でも広く名の知れた絵師だったことがわかります。
 本展覧会では、初公開の新収蔵品を中心に、武雄に残る広渡家の絵師たちの作品を紹介します。

 

場所:蘭学・企画展示室(観覧無料)
期日:平成31年3月2日(土)〜4月7日(日)
開館時間:金・土曜日は9時〜21時
     それ以外の日は9時〜18時
ギャリートーク:3月3日(日)・3月23日(土)
          いずれも14時〜

 
 【参照】広渡家系図   【参照】武雄の絵師 広渡心海    チラシ 

 
 
蝦蟇図
   
 

『蝦蟇図』

広渡心海(法橋心海)筆
江戸時代 武雄市蔵

  中国の仙人、劉(りゅう)海蟾(かいせん)のこと。金王朝に仕えて大臣となったが、のちに山にこもって仙術を学んだとされる。劉は蝦蟇(ヒキガエル)を使って妖術をおこなったと伝わる。

 
   
 
 
   
 

『鉄拐図』

広渡心海(法橋心海)筆
江戸時代 武雄市蔵

 姓を李といい、中国・隋時代の八仙人のうちの1人。鉄拐(てっかい)は小字。自分の姿を空中に吐き出すという鉄拐仙人を描いたものは、13世紀後半から14世紀中期の趣向である。

 
   
鉄拐図
 
高砂図
   
 

『高砂図』

広渡心海(心海良寛)筆
江戸時代 武雄市蔵

 「高砂」は、能の作品。兵庫県高砂市の高砂神社に生える、縁結びや夫婦円満を示す2本の松を背景に、箒と熊手で落ち葉を掃く老人の男女という能の一場面を描いている。

 
   
 
 
   
 

『鯉遊泳之図』

広渡三舟筆
大正13(1922)年 武雄市蔵

 鯉は、鯉の滝登りのように、出世魚として喜ばれるため、画題として人気が高い。「時年八十有四翁」と書かれており、84歳の時の作品である。

 
   
鯉遊泳之図
 

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