市長提案事項説明要旨

市長提案事項説明要旨

 平成21年3月武雄市議会定例会の開会にあたり、市政に関する重要案件及び提案いたしました条例議案、平成20年度補正予算議案、平成21年度予算議案等について、その概要を御説明申し上げます。

 急激な経済状況の悪化を受け、非正規労働者の雇い止めなどが大きな社会問題となる中、先般、定額給付金事業をはじめとする国の緊急経済対策が発表されました。

 そこで、本市におきましても、今議会に提案しております平成20年度補正予算及び平成21年度予算において雇用創出推進費をはじめとする経済対策として、約5億6千万円を計上し、地域経済の浮揚と雇用の拡大を図ることとしております。

 さて、平成18年4月、市長に就任し、今日までの間、私は「武雄に生まれて良かった、育って良かった、帰ってきて良かった」と感じていただける元気な武雄市を創るため、持てる力を全て注いでまいりました。

ホームページ レモングラス

 この3年間を振り返りますと、75回、延べ3,800人に及ぶ市長と語る会の開催、こども部や子育て総合支援センターの設置、動く市役所の取組み、平均13パーセントの水道料金の引下げ、下水道使用料の統一など、市民の皆さんの声を受け止めた政策を議会の皆様の御理解を得て着実に実行してまいりました。また、テレビドラマのロケ誘致、市ホームページの改革など武雄市の情報発信、農業分野における新たな特産品としてレモングラスの栽培及び商品化など、新しい武雄市の顔づくりを市民の皆さんとともに取り組んでまいりました。

 多くの新しい情報を発信したことにより、一期目の目標でありました、武雄の知名度が向上し、全国からの視察が相次ぎ、185回、延べ1,673人の視察を受け入れたところであります。

 行財政運営におきましては、国が進める三位一体の改革以降、厳しさを増す地方財政の現状を踏まえ、行政改革プランを策定し、具体的な行政改革に取り組んでまいりました。これについても、一定の成果を上げつつあると認識をしております。

武雄病院移譲

 特に財政赤字と医師不足の問題を抱えます武雄市民病院につきましては、昨年5月に民間への移譲を表明し、7月の市議会臨時会において、移譲先医療法人及び移譲時期について可決をいただきました。

 市民病院の運営につきましては、移譲先医療法人から医師の派遣を受け、休止しておりました救急医療を昨年8月から再開、以後、救急医療の原点でもあります患者の皆様の受入れを断らない24時間365日の診療体制を築くとともに、集中治療室の設置、回復期リハビリテーション病棟の設置など、医療環境の整備、充実に力を傾注してまいりました。

救急医療再開

 今後は、平成22年2月1日の移譲に向け、移譲契約の締結など重要事項の取組みを着実にかつ確実に進めるとともに、武雄杵島地区医師会の御理解、御協力を賜りながら、市民の皆さんが安心して暮らすことができる地域医療の維持向上を図ってまいる所存でございます。

 平成20年度まで不均一課税を採用してまいりました固定資産税の税率につきましては、合併協議会での協定に基づき、平成21年度から1.55パーセントに統一されることになります。

 しかしながら、県内一高い税率については、市民、企業の皆さんに他の自治体より多くの負担を求めることになるため、平成21年度、税率の引下げに向けた具体的かつ早急な検討を行ってまいります。

 武雄市の農業が抱える切実な問題として、いのししによる農作物被害があります。

いのしし会議

 いのししの被害対策につきましては、広域的な観点からの対策を進めることが必要であること、そして、農業被害のみならず人家付近にいのししが出没するなど人的被害も憂慮される状況であることから、平成20年度の重点施策と位置付け、いのしし被害を最小限に食い止める方策と具体的な取組みを検討する組織として、「いのしし会議」を設置いたしました。 具体的な「いのしし被害対策」につきましては、今後、関係各位の御意見を承りながら取組みを進めてまいります。

いのしし肉の加工場

 一方、「いのしし肉の加工所」が平成21年度から本格的に稼動する運びとなりました。商品の開発及び流通ルートの開拓にあたっては、レモングラスの特産化で培ってきました商品開発のノウハウを活かすとともに、レモングラスの流通ルートを活用し、市場性を有した売れる商品づくりを進めてまいります。

 これら「いのしし」に関する被害対策と商品開発を包括的に取り組んでいくため、本年4月、営業部に「いのしし課」を新設いたします。いのしし課は、いのしし会議を所管するとともに、マイナスの財産と捉えられてきたいのししを価値あるプラスの財産に変えていく施策を推進してまいります。

 子育て支援対策といたしましては、議会からご質問がありました、乳幼児医療費助成制度を拡充し、3歳以上就学前児童の保健の向上と福祉の増進を図るため、本年4月から、保護者の負担を診療報酬明細書ごとに300円のみに改めたいと考えております。

 この制度の拡充により、保護者の経済的負担が軽減されるほか、早期治療が促進され、就学前児童の健康増進に寄与するものと考えております。

 佐賀県事業として進められてきましたJR佐世保線高架化事業につきましては、平成21年度、事業完了を迎える運びとなりました。

 この高架化事業の完了に伴い長年の懸案が解決し、今後の土地区画整理事業など総合的なまちづくりの事業推進に役立つものと考えております。

 景気後退の中で、住民の皆様方への生活支援対策として国が打ち出しました定額給付金事業につきましては、関係法案成立後、速やかな対応ができるよう体制づくりを進めてまいります。

 また、商工団体が、定額給付金事業の実施に併せプレミアム商品券を発売いたします。

 これにつきましては、最大20パーセントの特典を持たせた地域限定の商品券であり、地域経済の景気対策の一助となるよう効果的な活用に努めてあります。武雄商工会議所、両商工会の取組みに深く感謝をいたすところであります。

 以上、市政に関する重要案件につきまして御説明いたしました。今後とも、議会そして市民の皆さんとの対話を更に深めて、ぬくもりのある元気な武雄市の実現に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。

 それでは、条例議案につきまして御説明いたします。今回の条例議案につきましては、新規条例1件、一部改正条例9件の計10件の条例議案を提案しております。

 新規条例として提案しております「武雄市戸別浄化槽条例」につきましては、市民の皆さんの日々の生活に直結いたします下水道事業について、平成21年度から新たに戸別浄化槽事業を取り組むこととしております。

 戸別浄化槽事業は、公共下水道などの集合処理計画区域を除く市内全域を対象とし、浄化槽の設置及び維持管理を市が行うもので、その戸別浄化槽の使用、管理等について必要事項を定めるため条例を提案するものであります。この事業により、生活環境の改善が更に進むものと期待をしております。

 また、この条例提案に伴い、戸別浄化槽等に接続する水洗便所の改造工事に必要な資金につきましても融資あっせんの対象とするため、「武雄市水洗便所等改造資金融資あっせん及び利子助成に関する条例の一部を改正する条例」を提案しております。

 次に、一部改正条例の主なものにつきまして御説明申上げます。

 「武雄市部設置条例の一部を改正する条例」につきましては、組織機構の見直しに伴い、総務部と企画部を統合し、新たに政策部を新設いたします。

 総合計画、財政計画など行財政運営の基本的な計画を同一部で執行することにより、組織の簡素化、効率的な行政を進めるため提案するものであります。

 「武雄市乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例」につきましては、先ほど申し上げましたとおり3歳以上就学前児童の医療費に係る助成を拡充いたします。

 そのほか、

を提案しております。

 次に、事件議案では、

の4件を提案しております。

 続きまして、予算議案につきまして、主なものを御説明いたします。

 補正予算議案では、「平成20年度武雄市一般会計補正予算(第13回)」ほか9件を提案しております。特に、一般会計補正予算では、国の補正予算で措置された地域活性化のための交付金約3億3千万円に市単費を追加し、学校施設、道路、ため池等の公共施設の整備を促進するとともに、商店街活性化のためのプレミアム商品券事業に対する補助等を行い、地域の活性化を図ることとしてしております。

 また、平成21年度の予算議案につきましては、限られた財源の中で、効果的に事業を展開するため、市民の皆さんのために、真に必要な事業なのか否かを念頭に置きながら、予算の編成に臨みました。

 一般会計予算では、主なものとして、いのしし関連事業に対応するための経費を増額するとともに、乳幼児医療費助成制度の拡充、妊婦健診無料化に要する経費を計上し、子育て支援の充実を図ることとしております。

 特に、現下の厳しい経済状況に速やかに対応するため、地方交付税で増額配分予定の地域雇用創出推進費約1億7千万円を活用し、市道や農林道の維持管理費などを増額し、地域経済の浮揚と雇用の拡大を図ることとしております。

 そのほか、11件の特別会計予算と3件の公営企業会計予算を提案しております。

 詳細につきましては、議案審議の際、それぞれ説明させていただきます。よろしく御審議賜りますようお願いいたします。

 最後に一言付け加えさせていただきます。今まで大変なご苦労をいただきました大田芳洋副市長につきましては、今月末をもって県庁に復帰されることになりました。

 私の強力な補佐役として、国・県との連絡調整、企業誘致、広報監としての情報発信、を行っていただきました。そしてなによりも、武雄市として最大の課題であった市民病院の民間移譲に一定の目処がついたことから、その復帰を認めることにいたしました。あらためてこの場を借りて感謝お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

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