市長提案事項説明要旨

 平成22年3月武雄市議会定例会の開会に当たり、提案いたしました条例議案、平成21年度補正予算議案、平成22年度予算議案等について、その概要を御説明申し上げます。

 私は、1市2町の合併の後、平成18年4月に市長に当選させていただきまして以来、「武雄に生まれて良かった、育って良かった、帰ってきて良かった。」といった「ぬくもり」のある元気な武雄市を市民の皆さんと一緒に創造することを目指して市政を担わさせていただきました。

 この4年間で議会と密接に連携し、500項目以上にわたる企画・政策・事業を展開してまいりました。

 就任以来、累積赤字、医師不足等の懸案を抱えておりました武雄市民病院につきましては、先の2月1日から移譲先であります社団法人巨樹の会により「新武雄病院」として、新たなスタートを切ったところであります。

市民病院閉院式

 市民病院の民間への移譲が無事行われ、スムーズな運営が行われていることは、市民並びに議会の皆様、関係各位の御理解、御協力の賜物と深く感謝をいたしております。

 新武雄病院は24時間365日の救命救急医療で市民の命を守り、全体で500人近くの雇用が見込まれ、移転新築される中で、看護学校、リハビリ専門学校等も併設されます。これら病院群を核として、利便性の高い生活に根ざした関連施設が集積していくことによって、「医療を中心としたまちづくり」のチャンス、更には全国的なモデルケースになり得るものと確信をしております。

新武雄病院

 この市民病院民間移譲問題は、樋渡市政の最重要項目であり、この問題に取り組む中で、私が絶対に忘れなかったことは、「市民のお立場・市民の目線に立つこと。そして、取り分け、弱者の方々への視点を忘れずに、さらには、将来を担う子供たちに財政的な負担をかけないこと、このことからもこの問題を絶対に先送りしないこと。」この思いの一存でありました。このことは、市民病院問題に限らず樋渡市政の全ての政策を遂行する上での根幹となるものであります。

 私が敬愛してやまない希代の歴史家であるE.H.カーは、「現在に生きる私たちは、過去を主体的にとらえることなしに未来への展望をたてることはできない」と言います。全国的に注目されたこの市民病院問題については、今後、このような歴史的な視点を忘れずに、これを市政運営の糧としてまいります。

 行財政改革につきましては、財政健全化計画、行政改革プラン、定員適正化計画等を策定をし、各種計画は予定どおり順調に進行しております。限られた財政状況の中、事務事業計画の徹底を図り、国の相次ぐ景気・経済対策事業に併せ、教育施設整備事業、環境整備事業、公共下水道事業等の主要施策を進めてまいりました。

がばいばあちゃん2ロケ地

 「今あるものを活かす」観点から、長い歴史に培われた武雄市の誇るべき文化、芸術、自然、温泉などを全国への情報発信、知名度アップ、経済の活性化にもつながる取組として「テレビドラマ・佐賀のがばいばあちゃん」のロケを誘致し、第2作として去る2月20日には「佐賀のがばいばあちゃん2」が全国放映されたところであります。

 視聴率は、関東地区で13.9パーセント、関西地区で16.2パーセント、北部九州地区で19.7パーセントとなっております。

 ちなみに、武雄市佐賀のがばいばあちゃん実行委員会の電話調査では、佐賀県内が61.1パーセント、武雄市内が83.2パーセントでありました。

 「佐賀のがばいばあちゃん2」の放送は、「全国に武雄の魅力をPR出来たのではないか」と思っております。現時点でも市民の皆様方の御希望の強い続編の誘致に、市民の皆様とともに努力をしてまいりたいと考えております。

レモングラス

 「中山間地耕作放棄地対策と収益性の高い、やりがいのある農業の確立」を目指し取り組みましたレモングラスにつきましては、農・商・工の連携をし20種類を超える商品開発を行い、生産・加工でも雇用が創出をされ、経済産業省のマーケティングアドバイザーによりますと、武雄市全体の広告を含む経済効果は5億円以上との評価を受けております。

レモングラス歯磨き

 本日14時を目途に、インフルエンザにも効くレモングラスのハミガキ粉の記者会見をしてまいります。レモングラスの取組は3年目となり、武雄の新たな農産物として定着してまいりました。販路についても確保できたことから、今後も側面的な支援は行っていくもののレモングラス課は廃止をいたします。武雄市の特産品の「ブランド化」を推進するための課を4月に設置をいたします。

いのしし肉

 また、イノシシによる農作物被害対策を進めることを目的に「いのしし課」を設置し、被害軽減対策、これまで埋設処理されていましたイノシシ肉の有効活用を推進しております。レモングラス同様、各方面から大きな反響を集める中、イノシシ肉を使った商品の開発も進み、武雄の新たな特産品化を目指しております。これからは、この効果を最大限活かし、武雄市の農商工の連携的発展につなげてまいります。

 このような施策を進めることで武雄市の知名度が飛躍的に向上し、観光客数も18年度145万人、19年度149万6千人、20年度161万人と増加をしております。

 観光客増に並行して、全国の自治体等からも注目され、議員御案内のとおり、行政視察も激増しており、大阪府議会を含み、この4年間で延べ2,579名の自治体や議会関係者の方々にご視察をいただいております。視察対応に関しては、特に杉原豊喜議長に感謝申し上げます。

 また、市民の皆様にお示しをしておりました具約の中で、佐賀県で最も高く、全国でトップクラスの水道料金につきましては、平成20年4月使用分から引き下げを実施し、月20立方メートル使用の標準世帯で年間9,300円の減額、平均13パーセントの減額となりました。

 合併後、不均一課税でありました固定資産税率につきましては、平成21年度に合併協議会で確認をされました1.55パーセントに統一をいたしましたが、これもまた佐賀県一高い税率であることから22年度から1.48パーセントに引き下げることができました。

 介護保険料につきましても、佐賀県内でトップレベルであり、基準額で約1万円の引き下げ、15.8パーセントの引き下げを行うことができました。

市長と語る会

 まちづくりにつきましては、市民の皆様のまちづくりに対する考えをお聞きし、市民と行政が協働して進めるまちづくりが「市民が誇れるまちづくり」につながるものと考え、市長就任以来、各町、地区、団体、学校等での「市長と語ろう会」を89回開催をし、5,000人近くの皆様方に参加をしていただき、貴重な御意見・御提言を頂戴するとともに、私の市政に対する思いを熱く語ったところであります。

 合併後、住民の方自らが独自に事業を展開することができるよう「協働まちづくり地域交付金」を創設をいたしました。各町まちづくり協議会で独自の取組をいただいております。

 子育て支援の一環として、乳幼児医療の無料化を就学前まで引き上げ、子育てに関する相談や情報交換の場として自由に集まることができる「きっずステーション」を行政では異例と思える本庁舎内に設置をいたしたところであります。

子育て支援センター

 地域社会全体で子育てを支援する拠点として「子育て総合支援センター」、障がいをお持ちの方たちの福祉の増進を図る拠点として「共生ふれあいセンター」を合併により生じた庁舎の空きスペースを活用して設置、高齢や障がい等で市役所にお越しいただくことができない方々の家庭に出向く「動く市役所制度」を日本で最初に導入するなど、市民サービス、福祉の維持向上に最も力を注いでまいりました。

 市民の安全を守る立場から、特に橘町・朝日町・北方町の水害被害の解消につながる六角川の治水対策につきましては、流域にあります採石場のくぼ地を洪水調整池に転用できないか、数次にわたって、政府与党に直接提案をいたしました。国も事業効果について本格調査をするとされております。これもまた全国で初めての取組であり、全国各地で参考とされる事業につながるものと思っています。

 議会等でも再三御指摘がございます雇用の場を確保するために、北方町宮裾地区に計画いたしました新工業団地は、地元の深い御理解を得て既に附帯工事に着手をしております。平成23年4月に分譲開始をする予定であります。今後、分譲に向けての企業誘致に全力を挙げます。

JR武雄温泉駅

 市民の念願でありましたJR佐世保線高架事業及び武雄温泉駅の全面改築が完成し、昨年12月5日には武雄温泉駅高架完成記念式典を開催をいたしました。

 次に、新幹線であります。長年の市民一丸となった運動の成果で既に着工されており、平成30年3月には九州新幹線西九州ルートが開業をされます。新幹線の開通は、地域浮上の起爆剤として期待するものは大きく、相乗効果により交流人口の増加、企業誘致等経済面でも武雄市を大きく発展させるものであります。

 武雄市は、今後も九州西部の中核都市として益々の発展が期待されるまちであります。それを成し得る多くの市民力があります。また、必ずそうしなければなりません。

 私はこれからも皆様の力を結集し、関係自治体、関係団体との連携を深め、議会の御指導をいただきながら、先頭に立って市民の皆様と協働し、武雄市の発展に努めてまいります。

 市民各位、議員各位の更なる御理解、御協力をお願いいたします。

 それでは、条例議案につきまして御説明申し上げます。

 新規条例として提案しております「武雄市老人福祉センター設置条例」につきましては、老人の方々の福祉の増進を図るため、健康相談、教養講座等を実施する拠点施設として、武雄市老人福祉センターさざんか荘を設置するものであります。

 次に、一部改正の主なものにつきまして御説明いたします。

 「武雄市情報公開条例の一部を改正する条例」につきましては、開かれた市政の一層の推進を図るため、公文書の開示の請求権者を何人にも拡大するものであります。

 このほか、国県等の制度改正等に伴う一部改正条例6件、廃止条例2件を提案しております。

 次に、事件議案では、指定管理者の指定について議会の御議決をお願いしております。

 続きまして、予算議案について、主なものを御説明いたします。平成21年度一般会計補正予算では、国の補正予算で措置された地域活性化・きめ細かな臨時交付金を活用し、橋梁の補修、学校施設等公共施設の補修を進めることといたしております。

 平成22年度当初予算議案につきましては、本年4月が市長改選期に当たるため、政策的経費については、特に当初予算に計上しなければならないものを除き、骨格予算として編成をしております。

 そのほか、「専決処分の報告について」2件の報告をいたしております。

 詳細につきましては、議案審議の際、それぞれ説明をさせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願いいたします。

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