市長提案事項説明要旨

市長提案事項説明要旨

 平成22年6月武雄市議会定例会の開会にあたり、市政に関する重要案件及び提案いたしました条例議案、平成22年度補正予算議案等について、その概要を私から御説明申し上げます。

「みんなの政策集」(PDF)

 私は、この度の市長選におきまして、21の項目からなる「みんなの政策集」を掲げました。

 この「みんなの政策集」をまとめるにあたり、私は、机の上だけで考えるのではなく、是非、市民の皆様の一人ひとりのお声を聞きたい、そういう思いから、その中から具体的な政策をまとめたところであります。

 実際、市内4,500世帯以上の市民の皆様方から、様々な地域のミニ集会での声、本当にたくさんの声を聞かせていただきました。

 そして、その声から聞こえてきたもの、私が切実な課題として受け止めさせていただいたことは、多くの市民の皆様方にとって、そして永年続けてこられた普通の暮らし、地域での普通の日々の暮らしというものが、この武雄においても難しくなっているという状況でありました。

 例えば、ある新聞の社説にも掲げられていましたが、高齢のために運転免許を返還し、これまでできていた病院通いや買い物などができなくなり、「どうしたらいいのか・・・」と途方に暮れておられる老婦人がおられました。

 また、自ら勤めに出ながら家では親御さんの介護を担っておられ、「出会いの場がなくて・・・」とあきらめ顔の独身の女性の方がいらっしゃいました。これは昨日、ある集まりの中、お祝いごとの中でも本当に切実な声として、多く寄せられた声の一つであります。

 また、小さな赤ちゃんを抱えながら、日々の育児や子育てに追われ「誰かと話せたら・・・」と一人思い悩むお母さんがおられました。

 こうした地域の皆様の悩み、痛み、悲しみ、苦しみを真摯に受け止め、一つでも二つでも市民の皆様方の御負担を軽減するための政策として、21の項目からなる「みんなの政策集」をまとめさせていただきました。

 私は、この「みんなの政策集」を、再び市政の場に送っていただいた市民の皆様方との約束として、今後4年間をかけその実現を図ってまいります。早速、このうちいくつかの事業につきましては、着手あるいは準備を開始いたしております。

「みんなのバス事業」

 まず、「みんなのバス事業」です。先に申し上げましたとおり、地域における移動手段の確保は、地域の日常生活を維持するうえでの喫緊の課題となっております。

 そこで、今回、「みんなのバス事業」として、地域で支え合い、地域が自ら運営する交通手段の仕組みづくりに取り組んでまいります。

「お結び事業」

 次に、「お結び事業」であります。私は、地域に伺う中で、出会いを願いつつもその機会に恵まれず、悩み、苦しんでおられる市民の方が多くおられることを知りました。これは単に個人の問題としてだけではなく、地域の生活を守り、次代につないでいくために、行政として解決すべき課題と認識をしました。

 まず、9月を目途に市民の皆様の結婚相談や支援、御縁を取り持つための部署として政策部に「お結び課」を設置いたします。「お結び課」の課長、つまり「お結び課長」は、例えば「60歳以上で多数の仲を取り持つなど人生経験豊富な方」といった条件を設定し、7月から公募を開始いたしたく思っております。

 なお、この「お結び事業」の実施にあたりましては、お結び課やお結び課長という市役所の一部署、職員だけで果たし得るものではなく、広く市民の皆様、特に豊かな人生経験、社会経験を持たれ、また、日々の地域生活、コミュニティー活動に通じておられる区長さんや議員の皆様方の御協力が不可欠であると考えております。

 このほか、子育て中のお母さんたちが集い、育児の悩みや子育て情報の交換などの拠点としての「ママズ・カフェ」、民生委員さんをはじめ、市役所の職員の皆さん、議会の皆さん、各地区のボランティアの皆様方の力を結集して声かけを行う「みんなの見守り隊」などについても、検討を開始しております。

 繰り返しになりますが、市民の皆様の切実な声を受け止め、まとめさせていただきました「みんなの政策集」につきましては、今後4年間をかけ、その実現を随時図って参りたいと思っております。議員各位におかれましても、是非、御理解、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。

北方町杉岳・白仁田地区水道施設整備事業

 去る4月28日、北方町杉岳・白仁田地区におきまして、60年来の悲願でありました水道施設の整備が完成しました。今回の杉岳・白仁田地区への給水は、隣の若木町に水源を求めることで実現したものであり、これも新武雄市として、合併効果として成し得たものと考えております。

さざんか荘

 4月1日、山内町で武雄市老人福祉センター「さざんか荘」がオープンいたしました。「さざんか荘」は、「日輪荘」、「長寿園」に次ぎ、本市では三つ目の老人福祉センターとなり、これまでのデイサービスに加え、生活相談、健康相談、就労相談などの各種相談への対応、機能回復訓練、レクリエーション等を行うこととしており、本市の老人福祉向上に大きく寄与するものと期待をしております。

楼門朝市3周年

 また、4月25日、「楼門朝市」が3周年を迎えました。平成19年4月29日、新武雄市の細々とした新たな名物としてスタートしましたが、以降、毎週日曜日、楼門前の温泉通りで開催されてまいりました。

 今回、朝市が3周年を迎えることができましたのも、この間の実行委員会をはじめ、関係者の皆様方の御尽力の賜物であり、心から敬意を表します。特に私の後を引き継いでいただいた江口実行委員長には、この場を借りてお礼申し上げます。

 新市誕生から4年、「これまでの文化や伝統を継承しつつ、併せて、新たな魅力や価値も創造する。」この2つの視点を持ちながら、今後もできない理由よりも出来る理由を掲げ、市政運営をあたってまいります。

 最後となりますが、去る5月10日、市民病院の民間移譲に関し、住民訴訟が起こされました。

 市民病院の民間移譲につきましては、これまでの市民の皆様方に対し、救急医療の充実、悪化する財政の現状等を機会あるごとに御説明申し上げてまいりました。自ら職を辞したことも含め、過去2回の選挙を通じましても、民間移譲の必要性について意をそして言を尽くしてきたところであり、いずれにおきましても市民の多くの皆様方からは、再び市長の職を与えていただくということとなっております。

 さらに、具体的な移譲までの諸手続きについても、我々執行部といたしましては、全て市の顧問弁護士と協議をしたうえで庁議決定、部長会議、様々な会議を開き、市議会に対し、条例・予算議案として提案申し上げ、議決をいただき進めてきたところであります。とりわけ、黒岩委員長の市民病院特別委員会から様々なアドバイスを賜り、私としては議会とともにこの救急医療の再開、そして市民病院を中心とする地域医療の再生に命をかけて取り組んでまいったところであります。

 その結果、本年2月1日の移譲後においても、おかげさまで市民の皆様方をはじめ、市外からも御利用をいただくなど、救急医療をはじめとする医療環境は充実され、順調に運営がなされております。

 このように、市民病院の民間移譲につきましては、これまで必要性の説明、移譲までの手続きなど、誠実かつ遺漏のなきように進めてきたところであり、今回の提訴に関しましても、これまでと同様、誠実かつ遺漏のなきように対応してまいります。

 それでは、今回提案いたしました議案について御説明申し上げます。

 条例議案では、先程御説明いたしました、お結び事業の「お結び課長」につきましては、非常勤の特別職としての位置づけを考えております。その報酬額等を定めるための「武雄市特別職の職員の給与、旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」、そのほか、4件の一部改正条例を提案しております。

 事件議案では、武雄温泉ハイツの民間への売却に伴う「財産の処分について」提案をしております。

 続きまして、予算議案について御説明申し上げます。

 今回の補正予算は、本年4月が市長改選期であったため、当初予算を骨格予算として編成をしております。政策的な経費等骨格予算に計上されなかった経費を肉付けするものと、当初予算編成後、早急に対応が必要となったものについて、所要の額を計上しております。

 それでは、一般会計補正予算の主な内容について申し上げます。

 政策部門では、「お結び課」の設置に関する経費のほか、地域健康ポータルサイト構築に関する経費、新たな交通手段としての「みんなのバス事業」に要する経費等を計上しております。

 営業部門では、駅周辺整備構想の策定に要する経費、農業水利施設等の補修に要する経費、漏水等で危険な溜池の災害防止のために要する経費などを計上しております。

 こども部門では、小学校、中学校の子育て相談体制の整備に要する経費、食育シンポジウム開催経費等を計上しております。

 くらし部門でであります。がん予防日本一を目標に、がんについて正しく理解していただき受診率向上を図るため、市民対象の講習会の開催に要する経費などを計上しております。

 次に、まちづくり部門であります。主要道路や一般道路、街路など道路整備に要する経費、地域住民が共同して生活道路等の舗装、維持補修等を行う行政区に対する補助に要する経費、老朽化しております市営和田住宅の改築に要する経費などを計上しております。

 教育部門であります。武雄中学校校舎改築事業に係る校舎の解体及び改築工事費などの追加経費、老朽化した山内中学校校舎改築の設計業務委託料、文化会館の耐震調査に要する経費などを計上しております。

 次に、特別会計であります。公共下水道事業特別会計補正予算につきましては、本年度事業完了となる当初認可区域の管渠工事と、平成23年度からの変更認可区域の管渠基本設計及び水処理施設建設に要する経費等を計上しております。

 土地区画整理事業特別会計補正予算では、駅前商店街を中心とした道路整備等と永松地区の本格的な整備を行うため、仮換地指定、建物調査、移転補償等に係る経費を計上しております。

 そのほか、平成21年度武雄市民病院事業会計の決算認定議案の提出、平成21年度武雄市一般会計繰越明許費繰越計算書の報告等6件の報告をいたしております。

 追加議案といたしまして、専決処分の承認についての議案を提出しておりますが、国民健康保険特別会計におきまして、平成21年度の収支不足を補うため、平成22年度予算より繰上充用の処理を行う補正予算の専決処分を行いました。これについて、議会の承認を求めるものであります。

 最後になります。一般会計補正予算では、先ほど御説明いたしました、市民病院の民間移譲に関する住民訴訟に関し、訴訟代理人いわゆる弁護士費用、委託料が必要となり、一般財源として、つまり市民の皆様方の負担として4千430万円の補正をお願いするところであります。

 詳細につきましては、議案審議の際、それぞれ説明させていただきます。

 よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

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