市長提案事項説明要旨

おはようございます。


武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。


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8月28日の未曾有の豪雨災害から、3か月が経過いたしました。この間、一日も早い復旧と市民の皆様の生活再建を目指し、自衛隊、佐賀県、消防、警察等の関係機関や議会の皆様と密に連携を取りながら、全力を挙げて取り組んでまいりました。被災された方々の懸命のご努力に加え、地域での助け合い、支え合いもあちこちで見られました。また、地元消防団員の皆様、市内外からの大勢のボランティアの方々などから多大なるご支援も賜りました。その結果、本市では着実に復旧が進んでいるところであり、全ての皆様に対しまして心から感謝申し上げます。

今後は、「被災前よりも一人一人が幸福を実感できるまちへ」を基本理念に掲げ、何よりもまずは、一日も早い復旧・生活再建を達成し、そして創造的復興を皆様とともに目指してまいります。

この理念の下、復興に向けた大きな方針の一つ目が、災害に強いまちの創造であります。防災対策については、これまでも全力で取り組んでまいりました。しかしながら、今回の災害や全国的な災害の状況をみますと、今後いつなんどき大きな災害が起きるとも限りません。防災に加えて、災害が起きた時に被害を最小限にするための減災への取り組みも重要であり、今回の災害の教訓を踏まえ、これまで以上に災害に強いまちを創造してまいります。

次に、安心して住み続けられるまちの創造であります。被災後の住まいや生活の再建はなにより重要であります。行政だけではなく、地域の皆様やNPOなど様々な団体と一緒になって、最後の一人まで支援してまいります。また、地域内でのつながりを増やし、コミュニティの強化を目指してまいります。

次に、なりわいの再生と新たなまちの賑わいの創造であります。農業をはじめ商工業、観光業など産業の再生や雇用の確保は非常に重要であります。加えて、3年後には、九州新幹線西九州ルートの開業も見込まれる中、新たなまちの賑わいを創造することにより、更なるまちの活性化を図ってまいります。

そして、新しい文化の創造です。文化やスポーツは、私たちに生きる力と希望をもたらし、私たちの心の復興につながると考えております。誰もが文化を通して更なる幸福を実感し、豊かな人間性を育むような文化を創造してまいりたいと考えております。

こうした方針の下、「市民みんなの参加でつくる」という行動指針を掲げ、関係団体や地域住民の方々、市民の皆さんの参加で、この難局を乗り切り、新しいまちをつくりあげてまいります。

また、チャレンジするということは、創造的復興において大変重要であります。前例にとらわれずにチャレンジすることにより、「それ、武雄が始めます。」というキャッチフレーズを具現化してまいりたいと考えております。

そして、「あるものを活かしてないものをつくる」というまちづくりの考え方の下、市内の地域資源に磨きをかけ、新たな価値を生み出してまいりたいと考えております。

今後も、一日も早い復旧と生活再建を第一に取り組んでまいりますとともに、創造的復興をベースとした復興プランを本年度中に作成し、来年度予算へ反映させながら、復興へ向けて着実に進んでまいります。

それでは、私より、提案事項の説明をさせていただきます。


■豪雨災害からの復旧・生活再建に向けてであります。


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生活の復旧が着実に進み、街では飲食店などのお店が再開するなど、以前の活気を取り戻しつつある一方で、見えてきた課題もございます。特に大きな課題といたしまして、高齢者や障がい者など災害弱者と言われる方々に対する支援の強化が必要だと感じております。復旧がなかなか進まない方々をしっかりと支えていくことにより、一人も残すことなく、復旧及び生活再建を早期に進めてまいります。

浸水した家屋のうち、約30%が高齢者や独居老人の世帯であります。健康面等で不安を抱えられている高齢者世帯に対しましては、平時より、訪問活動を行っておりましたが、災害後は、被害を受けられた高齢者への訪問ニーズが増加していることから、その中でも、特に支援が必要とされる方に対する訪問活動を強化いたします。自宅へ訪問し、日常生活や家事に関する援助を行い、より手厚く、よりきめ細やかに、一人一人に寄り添った支援を行ってまいります。

また、被災した児童・生徒に対しましては、災害直後に学用品等の支給を行いました。更なる支援といたしまして、被災した児童・生徒の保護者の方へ就学援助費を支給します。これにより、保護者の方の経済的な負担軽減を図るとともに、被災に負けず、すべての子どもたちが、どのような状況であっても安心して学び、育つ環境づくりを進めてまいります。

農業者の営農再開には農業用機械や施設の早急な復旧が必要不可欠であります。本年8月から9月にかけての大雨や台風により被害を受けられた農業者に対し、ハウス等の施設再建に向けた付帯設備や農業用機械の修繕買い替えに係る費用を、国、県と共に支援いたします。農業者の一日も早い経営再建を後押しし、本市の基幹産業でもある農業をしっかりと支えてまいります。

農地・農業用施設や、道路・河川等の公共土木施設については、9月の専決予算及び補正予算にて、一日も早い復旧に向けて応急工事を行ってまいりました。国の災害査定を受け、今後、国や県の災害復旧事業等を活用しながら、市道や河川、農地や農業用施設等の本格的な復旧を行い、迅速な機能回復を図ってまいります。

今回の災害に関しまして、個人や団体、企業など、たくさんの皆様から心温まる支援金を頂戴しました。この支援金を原資として、今後の復旧・復興を着実に進めるために、災害復興基金を新設いたします。基金を作ることで、今後、被災者の実情に応じた弾力的かつきめ細やかな支援を展開してまいります。


■組織改編についてであります。


令和2年4月より、水道事業が佐賀西部広域水道企業団へ広域化されることに伴い、上下水道部を廃止し、新たに環境部を設置いたします。環境衛生や廃棄物に関することのほか、下水道事業や公園の一括管理に取り組み、更なるくらしの質の豊かさを求めてまいります。


以上、まずは一日も早い復旧・生活の再建を目指し、更なる市民の福祉向上に努めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願いいたします。