市長提案事項説明要旨

おはようございます。

私より、提案事項の説明をさせていただきます。


■まず、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。


 

日頃より、感染予防を徹底いただいている市民の皆様方や感染リスクと闘いながら日々仕事に従事されている皆様方に対しまして、心から感謝申し上げます。

これまで、市民の皆様の命と暮らしを守るため、感染防止の徹底、市民生活の支援、地域経済の回復と活性化、次への備えを4本柱として各種対策を実施してまいりました。加えて、現在、「新型コロナウイルスワクチン接種室」を中心に、市民の皆様に一日も早くワクチンを接種していただけるよう体制整備を進めております。

今後も、市民の皆様が安心して暮らすことができるやさしいまちづくりを目指し、コロナ禍における長期的な市民生活の支援といたしまして、市民の孤立を防ぐ取り組みを進めてまいります。

女性の産後うつの早期発見と早期支援につなげるため、保健師等による乳児家庭への全戸訪問を実施いたします。母子の健康状態や養育環境を把握し、育児相談や子育て支援の情報提供を行ってまいります。なかでも、継続した支援が必要な家庭については、より専門的な知識を持つ助産師が継続して訪問し、母子に対する心身のケアを行います。

一人暮らしの高齢者等の孤立を防ぎ、つながりを増やすため、地域住民が複数人で見守るネットワークづくりを進めてまいります。今年度は、令和元年の豪雨災害の被害が大きかった、朝日町、橘町、北方町の3町でモデル的に実施してまいりましたが、来年度は全町へ拡大し、見守り体制を強化いたします。

また、コロナ禍による自殺を社会で防止するため、臨床心理士による相談やゲートキーパー養成講座を実施いたします。悩んでいる人に寄り添いながら必要な支援につなげてまいります。

次への備えといたしまして、キャンプ場のさらなる魅力化に取り組んでまいります。乳待坊キャンプ場については、管理人を配置し、年間を通じて適正な管理を行うことで、黒髪山エリア全体の集客につなげてまいります。また、保養村エリアについても、その恵まれた自然環境を活かし、キャンプ場等の整備方針を策定し、さらなる魅力向上を図ります。

武雄市歴史資料館においては、特別企画展として「伝染病と闘う~種痘と西洋医学」を開催いたします。感染症における武雄の先人たちの功績や知恵を学び、これからの時代へ活かしてまいりたいと考えております。

今後も、さらなる感染予防を図るとともに、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金も活用しながら、状況に応じ、必要な時に必要な支援を速やかに実施してまいります。


■地域経済の底上げについてであります。


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来年秋に控える九州新幹線西九州ルートの暫定開業に向けた準備を加速させるとともに、ハブ都市に向けた取り組みを強化するため、営業部内に新たに「ハブ都市・新幹線課」を設置いたします。交通の要衝としての利便性にさらなる磨きをかけ、人の流れを呼び込み、市民生活をより豊かにする「ととのうまち武雄」を目指してまいります。

武雄温泉駅前広場と新幹線駅構内の観光交流センターの一体的な整備を進めてまいります。西九州エリアの観光情報発信に加え、多くの市民が集う交流の場として心地良い空間づくりを目指してまいります。

あわせて、公園や高架下を含めた駅周辺エリアの公共空間の活用について、官民で連携し、使う人の意見を出し合いながら、賑わい空間の創出にむけた具体的なビジョンの策定を進めてまいります。

また、市内の既存宿泊施設が行う施設改修を支援し、各施設の魅力と機能向上を図り、市内の宿泊客の受け皿をしっかりと確保してまいります。

さらに、九州新幹線西九州ルートの沿線5市や、有田・武雄・嬉野3地区の連携した取り組みを進めていくとともに、鹿島市や伊万里市といった県西部自治体との新たな連携も模索しながら、西九州エリア全体の魅力化と活性化を図ってまいります。

移住・定住政策といたしまして、武雄で育った人たちが地元に戻ってくることを目指し、Uターン施策を促進していまいります。3世代で同居もしくは近居するために市外から転入する方に対する、近居・同居補助金を新設いたします。

また、新幹線開業を見据え、長崎県からの移住を促進してまいります。ハウスメーカーなどの事業者と合同で長崎県内において移住フェアを開催し、武雄で家を持つメリットをしっかりと伝え、移住体験などを通して実際の移住につなげます。長崎県内からの移住者に対しては各種補助金、支援金を加算いたします。

 

この度、市内の空き家を活用し多拠点居住施設を整備しましたが、これらの施設を利用する多拠点居住者が実施する市民との交流などの活動に対して支援を行います。関係人口を増やし、将来的な移住者の増加やまちの活性化を目指してまいります。

働く場所の確保といたしまして、事務系企業の誘致に取り組んでまいります。民間事業者が行うオフィス整備を支援することにより、新たな雇用の場を創出いたします。

また、嬉野市と連携し、求職者の希望と求人側のニーズを結び付ける新たな雇用対策事業に取り組みます。個人のライフスタイルに合わせた新たな働き方を提案し、市民所得の向上や企業の人手不足の解消につなげてまいります。

農業については、施設園芸の団地整備に着手いたします。後継者や担い手を確保し、技術を伝承する持続的なサイクルを確立し、稼ぐ農業を目指してまいります。

また、中山間地における除草作業の負担を軽減させる芝生化支援や、高オレイン酸大豆を使った新商品の開発支援、捕獲したイノシシの肥料化などに取り組み、持続可能な農業へつなげてまいります。

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■文化のまちづくりについてであります。


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新しい文化の創造や文化によるまちのにぎわいの創出を目指し、新たに文化のまちづくりに着手いたします。文化会館エリアや白岩運動公園及び北部市街地との連動や、各町の地域文化との連携などについて、検討委員会を設置し、文化を活かしたまちづくりの構想を策定いたします。

教育委員会に新たに「新文化会館整備準備室」を設置し、文化会館の今後の整備方針及び基本計画を策定するための基礎調査を実施いたします。


■人にやさしいまちづくりについてであります。


市内コミュニティバスの大再編といたしまして、新コミュニティバス「ほんわカー」の運行を開始いたします。これまでよりも、もっと近く、もっと便利になるように、運行エリアの拡大を行い、バス停を増加し、利便性を向上させます。また、予約制やAIの活用により効率的な運行に取り組みます。どこに住んでいても、高齢者が気軽に出かけられるまちを目指してまいります。

 

あわせて、運転免許をお持ちでない75歳以上の方を対象に、市内を運行する路線バスやコミュニティバス等の全路線やタクシーで使用可能な市内公共交通回数券1万円分を配布し、高齢者の外出を後押しいたします。

障がいをお持ちの方への支援といたしまして、手話言語の普及及び多様なコミュニケーション手段の利用促進を図る条例を制定し、啓発・普及を図ってまいります。障がいの特性や有無に関係なく、人と人とが交流し、支え合い、安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指してまいります。

また、発達障がい児を育てる保護者の育児不安等を軽減するために、ペアレント・プログラムを開催いたします。具体的な関わり方を学ぶ場を提供し、支援者の要請にも取り組んでまいります。

子育て支援につきましては、医療費助成を高校生まで拡充いたします。子どもの疾病の早期発見と健康増進を目指し、経済的にも健康的にも安心して子育てできる武雄市を目指します。

また、ひとり親への支援といたしまして、養育費を取り決める公正証書の作成手数料を助成いたします。養育費支払いの継続した履行を確保し、ひとり親家庭の安定した生活につなげてまいります。

教育に関しましては、今年度新たに整備いたしました1人1台の学習者用端末をさらに活用していくため、全小中学校において、学習者用のデジタル教科書を導入し、教育のデジタル化を推進してまいります。また、ICT利活用の大きな利点として挙げられる個別最適化教育について、一人一人の個性に合わせた適切な指導に向け、実証研究を進めてまいります。

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■災害に強いまちづくりについてであります。


今年度より整備を進めております防災情報発信システムにつきましては、令和3年度中に戸別受信機の市内全域への設置を完了いたします。また、自主防災組織の活動支援やプッシュ型の出前講座を行いながら、引き続き、地域防災力の強化を図ってまいります。

また、災害時の長期間の停電に備え、全ての一次避難所へ非常用電源を配備いたします。あわせて、市が所有する電気自動車を非常用の電源として活用する装置を導入し、避難者の安心と安全を高めてまいります。さらに、浸水被害が想定される地域に配備している救命ボートを更新いたします。

令和元年8月豪雨災害から2年目を迎え、創造的復興プランに基づく各種事業を着実に進めながら、災害に強いまちづくりを目指してまいります。

最後に、財政運営についてであります。

今回、一般会計が過去最大の予算額となりましたが、国や県の補助金を活用し、市の一般財源の持ち出しを極力抑制しております。さらに、ふるさと納税や競輪事業からの繰り入れ、市有地売却などを行い、必要な財源を確保しております。

これらの事業を実施するためにも、引き続き行政改革を実施しながら、持続可能な財政運営を心掛けてまいります。

以上、市民生活を支えながら、武雄の未来を見据えた各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ私の提案事項とさせていただきます。本議会もどうぞよろしくお願いいたします。