市長提案事項説明要旨

おはようございます。

私より、提案事項の説明をさせていただきます。

令和3年8月の豪雨災害から半年が経過いたしました。この間、被災された皆様や事業者の皆様の懸命なご努力に加え、全国の多くの方からのご支援により、着実に復旧が進んでまいりました。昨年11月に策定した「武雄市 新・創造的復興プラン」の実現に向け、引き続き、被災者の生活再建と事業の継続を支援し、これまで以上に復旧と復興へ力強く取り組んでまいります。

市民のくらしをしっかりと守り、新幹線開業を契機としたまちの賑わいによって災害からの復興を強力に進め、未来への希望が溢れるまちづくりへ取り組んでまいります。

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治水対策・防災についてであります。

2年で2回の豪雨災害を受け、同じ被害を二度と起こさないために、治水対策を強力に進めるとともに、今後のさらなる気候変動を見込んだ被害を最小化する取り組みを行ってまいります。

県と協調して田んぼダムを整備するとともに、ため池や利水ダムの管理者へ事前放流の協力を求め、利水施設が持つ洪水調整機能を最大限に活用しながら、降った雨を貯留し、下流への水量を減らす取り組みを進めることで、令和4年度は130万トンの貯水を目指します。

国河川である六角川においては、出水期までに大規模な掘削が予定されており、市河川においても、緊急的に浚渫を実施いたします。河川の水をできるだけ早く流すことにより、排水機場のポンプが停止することがない状況を作ります。加えて、市独自で排水ポンプ車を購入し、浸水したエリアへ機動的に配備するなど、実施可能な対策を緊急に実施し、内水氾濫による被害の軽減を図ってまいります。

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さらなる内水氾濫対策に向け、現在、国の調査データを活用し内水氾濫メカニズムの分析やため池の基礎調査などを行っておりますが、新たに遊水公園の整備に向けた適地調査を開始いたします。公園の設置が求められている住宅地に遊水機能を持った公園を整備することで、住環境の充実と併せて浸水被害の軽減にもつなげてまいります。また、抜本的な治水対策に向けて、各種調査結果を基に、国や県、流域市町などとの協議を、引き続き、急ぎ進めてまいります。

他にも、今後の気候変動を見越し、水に浸かっても安心して暮らせるまちの在り方を示すため、官民学により「気候変動対応モデル都市構想」の策定に取り組みます。さらに、治水シンポジウムの開催や市報等を活用した幅広い情報発信により、治水対策の「見える化」と「考える化」を図りながら、住民や企業の皆様と一緒になって、水に強いまちづくりを進めてまいります。

防災力をさらに高めるために、これまでの災害の教訓を踏まえ、安心して避難できる環境をさらに整備いたします。従来の指定避難所に加え、地域の実情に合わせて自治公民館や集会所等をより身近な避難所として確保していただき、非常食や飲料水を事前に配備いたします。車両についても、公共施設の活用や民間事業所の協力を得て、現在の避難可能台数を倍増いたします。

さらなる備えとして、救命ボートの追加配備や各町公民館への土のうステーションの新設により、自助、共助の取り組みを進めてまいります。また、戸別受信機の設置や防災アプリ「たけぼう」の普及に加え、臨時災害FM局を整備し、情報発信手段の強化を図ります。

豪雨災害がもたらすのは浸水被害だけではありません。国や県の補助の対象とならない箇所のがけ崩れ防止対策に対し、市独自で新たに補助を行います。あらゆる災害に備え、市民の安心安全なくらしを守ってまいります。

西九州新幹線の開業についてであります。

 今年の秋、いよいよ西九州新幹線が開業いたします。武雄市が飛躍する大きなチャンスであり、開業に向け、万全の体制を整えてまいります。

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 駅構内に、観光案内や物販、飲食店等を備えた観光交流センターを開設いたします。単なる待合いスペースではなく、誰もが心地よく過ごせる空間を目指し、さらには西九州エリアの玄関口として、市内のみならずエリア全体の情報を発信してまいります。

 また、開業に合わせ、これまで交流を深めてまいりました秋田市との友好事業として、「秋田竿燈まつり in 武雄」を開催いたします。さらには、鉄道と共に歩んできた武雄市の歴史を振り返るとともに、新たな歴史の幕開けとして、「大鉄道展」を開催いたします。JR九州などにも協力を求め、図書館・歴史資料館だけではなく、「まちじゅう」で子どもやファミリー層も楽しめるようなイベントを企画してまいります。これらを契機に、市民全体で開業をより一層盛り上げてまいります。

 開業後に向けた取り組みといたしまして、新幹線を利用し、市内の宿泊施設に宿泊された方へクーポン券を発行する「武雄へGO!」キャンペーンを実施いたします。さらに、駅を降りた観光客が市内を巡る仕掛けとして、市内観光周遊バスを新たに運行するとともに、住民参画による地域資源の磨き上げを支援することで、市全体の魅力向上を図ります。多くの交流人口を呼び込み、地域経済の底上げを図るとともに、西九州エリアの拠点として、市内はもちろん、エリア全体へその効果を波及させてまいります。

 開業効果を子どもたちに実感してもらうため、新幹線を利用した小学6年生の修学旅行に対して補助を行います。子どもたちの一生の思い出となるばかりでなく、ふるさと武雄に対する誇りと郷土愛を育んでまいります。また、交通の結節点としてさらに高まる利便性に加え、「子育て・教育のまち武雄」を大きくプロモーションし、移住と定住につなげてまいります。

 市民の誰もが未来への希望を持ち、いつまでもこの地に住み続けたいと思えるまちを皆さんとともにつくってまいります。

人にやさしいまちづくりについてであります。

 市民福祉の向上は、市政の根幹であります。年々、多様化、そして複雑化する諸問題に対応するため、福祉課内に「福祉まるごと相談窓口」を新たに設置いたします。相談者に、より深く寄り添うとともに、市民の利便性向上を目指します。

 高齢者福祉につきましては、コロナ禍やガソリン価格の高騰により外出を控えられている高齢者の方が、安心して買い物や病院などに出かけられるよう、75歳以上の方へガソリン券を配布いたします。併せて、今年度から配布しているバス・タクシー回数券「いってくっけん」を、より実情に合った運用へと見直します。さらに、デイサービス送迎車を活用し、高齢者サロンなど仲間同士での外出を支援いたします。運転免許や移動手段を持たない方であっても、気軽に外出できるようにし、フレイルや認知症予防といった高齢者の健康づくりや生きがいづくりにつなげてまいります。

 子どもへの支援といたしまして、貧困対策をさらに強化してまいります。生理の貧困問題を解消するため、生理用品を全小中学校の女子トイレに設置することで、誰もが気兼ねなく、安心して学校生活を送れる環境を整備いたします。さらに、新たに子どもの居場所や子ども食堂等を開設する団体を積極的に支援し、子どもたちの孤立を防ぐ取り組みを進めるなど、「第二期子どもの未来応援計画」に沿って、引き続き、きめ細かい支援を行ってまいります。

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また、子どもを取り巻く環境の多様化、複合化する問題に対応するため、子どもの福祉に関連した業務を一本化し、福祉部に「こども家庭課」を新設いたします。これまで、事業ごとに分かれていた福祉に関する窓口をライフステージごとに分かりやすく整理し、チームでより効果的な支援を行ってまいります。

 障がい者への支援といたしまして、武雄市手話言語の普及及び多様なコミュニケーション促進条例の施行に伴い、手話通訳者や要約筆記者の派遣を充実させるとともに、ケーブルテレビにおいてワンポイント手話の放送を開始し、手話に対する理解を深め、普及に努めます。障がいの有無に関わらず、誰もが気軽にコミュニケーションできるまちを目指してまいります。

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 中山間地域等においては、水路や農道などの地域環境の保全に、日々、大変ご苦労されております。さらなる高齢化や担い手不足を見据え、自走式の草刈り機の購入など作業の省力化に向けた取り組みを新たに支援することで、地域の美しい環境とコミュニティを維持し、市内全域の環境保全につなげてまいります。

スポーツ・文化のまちづくりについてであります。

 本年7月には、武雄市民球場がオープンいたします。また、新体育館につきましても、令和5年度の供用開始に向け、確実に整備を進めてまいります。スポーツをするしないに関わらず、誰もが親しみ、まちに開かれた活動拠点としてのにぎわいづくりを進めてまいります。また、大会や合宿等を積極的に誘致し、スポーツを通じた交流人口の増加を目指してまいります。

 文化の振興につきましては、今年度「文化のまちづくり構想」を策定し、文化による新たなまちづくりを進めてまいります。誰もが気軽に文化に関わり、交流する新たな拠点施設の整備に向けた基本計画を策定いたします。

 心身の健康や豊かさの醸成と交流やまちのにぎわいの創出に向け、次の時代を見据えた、スポーツと文化によるまちづくりを着実に進めてまいります。

新型コロナウイルス感染症対策についてであります。

 「オミクロン株」による急激な感染拡大により、武雄市でも多くの新規陽性者が確認されております。県内での陽性者数はピーク時と比べてやや減少してきましたが、依然高止まりを続けており、医療体制を守るため佐賀県への「まん延防止等重点措置」が3月6日まで延長されました。引き続き、基本的な感染予防対策の徹底を市民へ呼びかけながら、市が備蓄する抗原検査キットを活用した検査体制の確保など、感染拡大の防止に努めてまいります。

また、希望する全ての方への3回目のワクチン接種を迅速に進めるとともに、感染予防の徹底、市民生活の支援、地域経済の回復と活性化、次への備えを基本方針とし、感染状況に応じて、迅速かつ機動的に対策を行ってまいります。

 以上、市民のくらしを守るとともに、未来への希望につながるような各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ私の提案事項説明とさせていただきます。本議会もどうぞよろしくお願いいたします。