市長提案事項説明要旨

おはようございます。

武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

治水対策についてであります。

本市を含む九州北部地域は、昨年より2週間ほど早く梅雨入りし、本格的な出水期に入りました。台風や前線の活発化による大雨が、日本各地に大きな被害をもたらしており、本市におきましても、災害に対する十分な警戒が必要です。
災害への備えをさらに強化するため、自治公民館や集会所などの地域避難所への備蓄品配備を行うとともに、迅速な避難所開設が行えるよう、職員による避難所設置・運営訓練を実施しております。5月23日には新たに避難所として指定した市民体育館におきましても訓練を行い、災害時に市民の皆さんが安心して避難できる体制を整えております。併せて、訓練には、佐賀災害支援プラットフォーム様などの専門家にも参加していただき、避難所ごとに最適な設置・運営に関するアドバイスを受け、避難所の環境改善にも取り組んでおります。

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大雨による被害を二度と起こさないため、治水対策については、昨年より今年、今年より来年と毎年着実に進めていくことが何より重要であります。
国県におかれましては、六角川の河道掘削、ヨシの育成を抑制するための湛水池の整備、高橋排水機場のポンプ排水能力の増強、焼米ため池における事前放流施設整備などの治水対策を行っていただいております。
本市におきましても、ため池による浚せつや事前放流に協力いただくための環境を整備し、田んぼダムでは松浦川流域も含めた面積の拡大を行うことで、雨が降っても河川への流入量を減らすための「ためる」対策を強化していきます。

また、排水ポンプ車の配備や志久排水機場の耐水化工事など、内水氾濫を起こさないための対策にも取り組み、支川から本川へ「送る」力を強化しました。
加えて、令和6年度竣工予定の広田川排水機場周辺の排水対策や河川の浚せつなど、河川の水を「流す」ための対策にも力を入れてまいります。こうした取り組みを強化しながら、引き続きいつまでも安心して住み続けられるまちを目指してまいります。

令和5年3月28日に、六角川が九州で初めて特定都市河川に指定されました。1000平米以上の開発を行う際は、雨水貯留槽の設置などの対策が義務付けられますが、大規模な遊水池や調整池などを整備する場合には、国の支援を優先的に受けることができるようになりました。
この指定を受け、今後は松浦川等も含めた市全体の治水対策計画の策定に着手してまいります。そのなかで、いつまでに何に取り組むか、また、その効果を市民の皆さんにお示しすることで、未来に希望を持っていただくと同時に、災害に対する不安の軽減を図ってまいります。

今後も国県等と連携して流域治水を着実に進め、住み慣れた場所に住み続けることができ、誰もが安心して暮らせるまちをつくってまいります。

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西九州新幹線を活かしたまちづくりについてであります。

新幹線開業の効果を、まちの活性化にさらにつなげることが重要であります。
4月から通勤通学定期券半額補助の要件を緩和したことで、新たに4名の中高校生が利用されています。転居することなく、行きたい学校に通えることで、引き続き武雄に住み続ける若者を応援してまいります。
また、7月28日と29日には武雄を玄関口として周辺自治体や広域エリアで連携したイベントの開催を予定しております。西九州のハブ都市としてさらなる交流人口の増加を目指してまいります。

加えて、教育の強みをさらに伸ばし、移住や定住につなげていくことが重要であります。これまでのデジタル教育の積み重ねの結果、武雄小学校と武雄中学校が佐賀県内で唯一のリーディングDXスクール拠点校として、国より指定を受けました。この拠点校を中心にデジタル教育の指導方法や技術のモデル化を行い、市内外の学校へ先駆的で効果的な取り組みを広めることで教育の高度化を目指すとともに、こどもの育ちと学びにデジタルをさらに活用し、魅力ある新しい学校づくりに取り組んでまいります。

6月7日には、学校法人旭学園様より新大学の名称が「武雄アジア大学」と発表されました。名称に「武雄」の地名を入れていただいたことは、地域と一緒に、これからもしっかり歩んでいくという意気込みの現れと受け止めており、心より感謝申し上げます。
これからも大学開学に向け、市民に開かれた大学、市民が一緒になって作っていく大学、市民とともに育つ大学を目指して、議会や市民の皆様のご意見を伺いながら旭学園様との協議を進めてまいります。

交通の利便性に加え、これからも子育てや教育環境の良さを最大限PRし、交流人口や移住定住人口のさらなる増加を図ってまいります。

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デジタル政策の推進についてであります。

令和5年度を「デジタル本格活用元年」と位置づけ、4月1日付で「デジタル政策課」を新設し、国の交付金を活用しながらデジタル活用事業を強力に進めてまいります。
働き方や暮らし方が多様化する中、スマートフォンやパソコンを利用して、いつでもどこでも簡単に行政手続きができる環境を整備します。これにより、行政手続きにおける来庁や待ち時間、手続きの負担を大幅に軽減し、市民の利便性向上を図ってまいります。

また、カメラやアプリを活用して人流データを収集し、可視化や分析を行うことで、観光施設等の混雑情報や防災情報などを、市民や観光客がスマートフォンで確認できる環境を整備し、イベント開催時における混雑緩和や効率的な周遊観光などに活用してまいります。
さらに、この人流データを事業所等にも公開することで、繁忙期や混雑時間帯が細かくわかるようになり、事業の効率化や、新規出店の検討など今後のビジネスの参考としても活用することが可能となります。

デジタルを活用して観光の新たな価値を創造しながら、データに基づいた観光戦略を行うなど、デジタルの取り組みをもっと便利で暮らしやすいまちづくりにつなげてまいります。

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物価高騰対策についてであります。

公共料金や物価の高騰が続く中においても、安心した市民生活が送れることが重要であります。
公共料金の価格高騰が続く中、市民や事業所が困っておられる状況下であることに鑑み、20立米までの水道料金を7月から9月までの3か月間無料にします。これにより、一般家庭や事業所が負担されている公共料金全体の軽減を図るとともに、夏場の光熱水費負担を軽減することで、エアコンの使用控えなどを防ぎ、熱中症対策にもつなげてまいります。

また、物価高騰において特に家計への影響が大きい世帯を支援するため、国の制度の下、ひとり親世帯や低所得の子育て世帯、住民税非課税世帯等に対し、給付金を迅速に支給することで、家計への負担を軽減し、安心して暮らすことができる環境をつくってまいります。

今後も、公共料金や物価高騰の状況を注視し、市民の命と暮らしを守るため、機動的に対応してまいります。

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以上、市民の皆さまの命と暮らしを守ると共に、未来への希望をつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願いいたします。