市長提案事項説明要旨

おはようございます。
武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

8月29日以降、県内で52年ぶりに豚熱が発生しました。現在、県や自衛隊などで殺処分等の防疫措置が懸命に行われており、関係者の皆様に心から敬意を表します。

本市の養豚農家に対しては、豚熱発生後直ちに消毒用の消石灰について必要の有無を確認し、消毒液と併せて配布いたしました。また、若木公民館には畜産車両向けの消毒ポイントが設けられております。

現在、市内で豚熱の疑いがある事例につきまして養豚農家からの報告はございませんが、今後も県等の対応状況を注視しつつ、本市でも対策が必要な場合は、速やかにかつ機動的に対応してまいります。

また、9月3日には武雄市総合防災訓練を実施しました。現時点で台風等による大きな被害は発生しておりませんが、引き続き警戒を怠らず、治水対策なども着実に進めながら、防災対策の充実強化に努めてまいります。

西九州新幹線を活用したまちづくりについてであります。

今月23日をもって西九州新幹線が開業1周年を迎えます。開業以来、西九州新幹線の利用者数は7月末時点で200万人を超えました。駅南口広場におきましては、周辺自治体や広域エリアで連携したイベントの開催、市民による様々な活用によって武雄に新たな賑わいが生まれ、交流人口の増加につながっております。
あらためて、半世紀にわたり開業に向けて動いてこられたすべての皆様に感謝申し上げるとともに、今回の開業を、さらなるまちの活性化につなげてまいります。

新型コロナウイルス感染症の5類移行後、観光客数がコロナ禍以前の状態へ回復を見せております。そうした中、観光客から武雄を滞在先として選んでいただけるよう、宿泊施設の魅力向上のための改修に支援を行い、観光客のさらなる増加や地域経済の活性化を図ってまいります。加えて、開業1周年イベントをはじめ、今後も広域連携の取り組みを進め、「西九州のハブ都市」としてさらなる交流人口の増加につなげてまいります。

また、インバウンドのさらなる伸びが予測される中、外国人観光客のニーズに対応するため、市内事業所へのキャッシュレス決済サービスの導入支援を行い、キャッシュレス決済導入率を、現状の30%から1年後には50%を目指します。併せて、観光案内の多言語対応を推進し、外国人観光客が安心して滞在できる環境を整え、観光の満足度を高めるとともに、多文化共生にもつなげてまいります。加えて、営業部内に「インバウンド推進係」を新たに設置し、県内で一番外国人に優しい観光地を目指してまいります。

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移住定住につきましては、新幹線開業以来、移住相談件数が953件と、前年度と比較して約1.8倍に増加しました。また、本市の人口も社会増が続いている状況であり、本市への移住定住に対する関心は高まってきております。

このチャンスを逸することなく、通勤通学定期券への半額補助や空き家リノベーションへの補助など様々な支援制度も活用しながら、交通の利便性や子育て・教育環境など本市の強みを引き続き発信することで、人口流出の防止と移住定住人口のさらなる増加を目指してまいります。

物価高騰対策についてであります。

昨年度から世界的な原材料価格や物価の高騰が続く中におきましても、安心して事業を継続できる環境づくりが重要であります。

長引く配合飼料価格高騰の影響で、経営が圧迫されている畜産農家に対し、国等が行う支援に市が独自に上乗せして支援を行います。これにより、飼料価格高騰分の約75%を支援することになります。市の基幹産業の1つである畜産業に与える影響を軽減することで、引き続き安心して事業が行える環境を整えてまいります。

また、食材費等の価格高騰も続いていることから、給食を提供している保育所等におきましても負担が増え続けております。食材費等における価格高騰分に対して支援を行うことで、引き続き子どもたちに安全で質の高い給食を提供していただき、保護者の皆様が安心して子育てできる環境につなげてまいります。

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今後も、物価高騰の状況を注視し、国県とも連携を図りながら、産業の継続や市民生活の維持に向けた支援を機動的に行ってまいります。

デジタル政策の推進についてであります。

近年のデジタル技術は社会生活に大きな変化をもたらしております。本市は令和5年度を「デジタル本格活用元年」と位置づけ、10月には「武雄市デジタルトランスフォーメーション推進計画」を策定するなど、デジタル活用事業をさらに進めてまいります。

市庁舎1階にマイナンバーカードを使って各種証明書が取得できる多機能端末を導入し、職員が操作方法を案内するとともに、最寄りのコンビニエンスストアで簡単に行政手続ができることなどを周知することで、コンビニ交付の利用促進を図ってまいります。併せて、コンビニ交付の増加による窓口の混雑緩和を、より充実した窓口サービスの提供につなげ、市民の満足度や利便性のさらなる向上を目指します。

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また、スマートフォンやインターネットなどの使い方に慣れていない高齢者などに対して、デジタル活用に向けた支援を行います。デジタル格差の解消を図るとともに、地域社会活動や経済活動への積極的な参加を促し、10月から運用を開始する行政手続の電子申請「武雄いつ電どこ電申請」の利用にもつなげてまいります。

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デジタル技術を積極的に市民生活に取り入れることで、さらに便利で暮らしやすいまちを目指します。

大学誘致についてであります。

8月6日に旭学園様より、大学設置認可申請の確実性を増すことなどから、「武雄アジア大学」の開学予定年度を1年延ばし2026年とすることが発表されました。
武雄アジア大学の開学は、子どもたちの夢の実現に向けて選択肢を広げるだけでなく、移住定住やまちの活性化に大きく寄与するものと確信しております。

市民に開かれた大学、市民が一緒になって作っていく大学、市民とともに育つ大学を目指し、大学開学に向けて、議会や市民の皆様への丁寧な説明を行い、ご意見を伺いながら旭学園様との協議を進めてまいります。

以上、市民の皆さまの暮らしを守ると共に、未来への希望をつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願い申し上げます。