市長提案事項説明要旨

おはようございます。

武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

治水対策についてであります。

7月3日明け方に、時間雨量58ミリを記録する激しい雨が降ったことで、中町地区や永島地区などで浸水被害が発生いたしました。
地形の高い場所の雨水や道路表面水が側溝に入りきれず、地形の低い場所に流入することから、側溝の新設や浚渫など、雨水等を適切に排水し、浸水被害が軽減できるような対策を講じてまいります。

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今後も、河川の水位に関係なく浸水被害が発生する場所におきましては、中町地区などと同様に、その要因を調査し、適切な治水対策に取り組んでまいります。

さらに、大雨による被害を二度と起こさないために、排水ポンプ車を効果的に活用できる適地の調査を行い、安全かつ迅速に排水ポンプを稼働できる環境を整備することで、内水氾濫による被害の軽減を図ってまいります。

11月には、国県と連携して治水シンポジウムを開催し、六角川の特定都市河川指定に伴う治水対策の見える化に加え、まちづくりの方向性について市民の皆様と一緒に考えました。今後も、六角川流域水害対策計画の今年度中の策定など、いつまでに何に取り組むのか、また、その効果など、「床上浸水ゼロ」に向けたロードマップを市民の皆様にお示しすることに加え、様々な治水対策を確実に進めることで、いつまでも安心して住み続けられるまちを目指してまいります。

西九州新幹線を活かしたまちづくりについてであります。

西九州新幹線による交通の利便性の高さを、まちの活性化にさらにつなげていくことが重要であります。

西九州新幹線は、昨年9月23日の開業より年間で約242万人が利用されています。開業1周年を記念して、沿線自治体と連携したイベントやJR九州による企画で、「GO WEST」の赤いTシャツを着た市内外の方々が駅周辺に溢れ、賑わいが生まれました。
加えて、駅南口広場におきましては、周辺自治体や広域エリアで連携したイベントの開催や市民による様々な活用など、新たな賑わいが日常的に生まれ、駅が新たな観光資源となり、交流人口の増加につながっております。

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また、観光客数がコロナ禍以前の状態に回復しつつあるなか、12月には新たな宿泊施設が開業を予定しております。また、既存の宿泊施設におきましても、客室の改修やサウナの新設など魅力向上のための施設整備が進んでおります。今後も、魅力ある宿泊施設の整備を行う事業所の皆様を支援し、宿泊客や交流人口の増加につなげるとともに、地域経済の活性化を図ってまいります。

移住定住におきましては、通勤通学定期券半額補助の申請状況が9月までの半年間で当初の想定数を約1.5倍上回っており、今後も利用者のさらなる増加が見込まれます。武雄に住みながら、福岡県や長崎県に通勤通学できることを積極的にPRし、移住定住人口のさらなる増加を目指してまいります。

今後も、移住定住における様々な支援に加え、デジタルを活用した教育の充実や大学新設に向けた協議を進めながら、子育て・教育環境の強みを移住定住にもつなげてまいります。

デジタル政策の推進についてであります。

市民生活の向上のためには、デジタル技術を活用し、行政サービスの利便性の向上を図ることが重要であります。

デジタル活用におきましては、本年度を「デジタル本格活用元年」と位置づけ、10月に「武雄市デジタルトランスフォーメーション推進計画」を策定いたしました。デジタル技術を、私たちの暮らしの様々な場所に活用することで、市民の満足度や利便性の向上を図ってまいります。

10月23日から、24時間365日いつでも、どこからでも、デジタルを活用し簡単に行政手続きができる「オンライン市役所」を開設し、市役所の窓口に来庁しなくても、サービスが受けられる環境を整備しております。

加えて、誰もがデジタル技術を活用できることを目指し、スマートフォンやインターネットなどの使い方に慣れていない、高齢者などのデジタル弱者に対する相談窓口や講座を開設し、市民の皆様のデジタル格差の解消を図るとともに、地域社会活動や経済活動への積極的な参加にもつなげてまいります。

今後も、デジタル技術を活用した取り組みをさらに進めることで、持続可能で魅力的なまちを目指してまいります。

誰一人取り残さないまちづくりについてであります。

どんな境遇であっても、誰もが自分らしく幸せに暮らせるまちをつくるため、ヤングケアラーゼロを目指した取り組みに力を入れてまいります。

小学5年生から高校生までのこどもたちと小中学校の教職員を対象とした県内初の「ヤングケアラー実態調査」を行いました。この調査によって、家族のお世話をしていることで、遊ぶことや勉強など、やりたいことができていないこどもたちの実態や遅刻、早退などといった学校生活への影響が出ている状況がわかりました。

加えて、11月にはヤングケアラー支援講演会を開催し、講師の体験談などを通して、ヤングケアラーの考え方や必要な支援などについて理解を深めました。

本年度中に、ヤングケアラー支援マニュアルの策定やヤングケアラーを「見逃さない」、「取り残さない」ために関係機関を含めた支援チームの設立を行い、一人一人のこどもに応じたきめ細かい支援を充実してまいります。

また、エネルギーや食糧価格の高騰が続く中においても、安心して市民生活を送れることが重要であります。

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物価高騰において特に家計への影響が大きい世帯を支援するため、国の制度の下、低所得世帯に対し、給付金を迅速に支給することで、家計への負担を軽減し、安心して暮らすことができる環境を作ってまいります。

今後も、誰一人取り残さないひとにやさしいまちを目指すとともに、物価高騰の状況にも注視し、市民の命と暮らしを守るため、機動的に対応してまいります。

以上、市民の皆さまの暮らしを守ることを最優先に、市民福祉の向上や未来への希望をつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願い申し上げます。