市長提案事項説明要旨


 平成24年9月武雄市議会定例会の開会に当たり、市政運営の状況及び方針について御説明申し上げます。

 まず、昨日実施いたしました総合防災訓練では原発事故と土砂災害を想定した訓練を行いました。この訓練には、武雄市、伊万里市、関係機関合わせて1000名超える方々にご参加いただいたところであります。原発事故を想定した訓練では、県が策定されました暫定行動計画による伊万里市住民の避難受け入れ、また、武雄市の判断による山内町船の原地区の住民の皆様方の避難行動の訓練も行いました。土砂災害を想定した訓練では、武内町柚ノ木原地区の住民の方の避難行動の訓練などを行いました。訓練にご参加いただきました住民の皆様、関係機関の皆さん、関係者のみなさん、ご協力ありがとうございました。訓練の結果をしっかりと検証し、伊万里市との災害応援協定を結ぶなど、今後の災害対策に生かしてまいりたいと考えております。

 次に、武雄市が取り組むメガソーラー事業に関して御報告申し上げます。去る8月1日、武雄市は、株式会社九電工と武雄市若木町の「本部ダム湖畔工場適地」におけるメガソーラー発電事業に関する協定を締結しました。

 私自身、既に何度も表明しておりますとおり、我が国は将来に向かい脱原発を目指すべきとの考えであり、そのためにも、再生可能エネルギーの普及は不可欠であって、武雄市としてもこれに資するべく、今回、メガソーラー事業の誘致を決定した次第です。

 今回、メガソーラー事業地として、武雄市土地開発公社が所有していた若木町本部の「本部ダム湖畔工場適地」2万1,377平方メートルを確保すべく、去る6月定例市議会において公社から取得するための予算、また、7月18日の臨時議会では、公社との買取契約議案について議会でも審議いただき、可決いただいたところであります。

 これと併行して、メガソーラー事業者の選定手続きを進めてまいりましたが、武雄市の企画提案募集に対して、全国のメガソーラー事業者10社から提案を受け、これらの提案内容を経営基盤、技術力、地元への貢献度など様々な観点から審査を行った結果、最終的に株式会社九電工に決定した次第であります。

 現在、九電工におかれましては、8月1日に締結した進出協定に基づき、発電に必要な資材調達や各種手続きが行われているところあります。年内に着工、最終的には現地に約4,100枚のソーラーパネルが敷設されることになり、来年3月には発電規模約1メガワットの、武雄市初となるメガソーラー発電施設が完成、稼働の運びとなる予定であります。

 なお、今回の本部地区のメガソーラー発電施設によって発電される電力量は、一般家庭約300世帯の使用電力量に相当し、これを太陽光という再生可能エネルギーによって発電することで、年間約300トンの二酸化炭素の削減効果が見込まれ、これは、杉の木約21,000本を植林したのと同じ効果を実現することになります。

 私といたしましては、今回の本部地区のメガソーラー事業を皮切りに、市内に適地があれば今後もメガソーラー発電施設を増やすことで我が国の再生可能エネルギーの利用を加速させたいと考えており、これをぜひ産業化として全国に広めていきたい、このように思っております。また、こうした施設への見学、体験の受入れなどを行うことで、発電事業にとどまらず「目に見える」環境教育の教材や、観光資源としての活用も図っていきたいと考えておりますので、九電工の皆さん達にはぜひ頑張ってほしいと思います。

 次に、武雄市図書館の指定管理に関して御報告申し上げます。

 先の6月定例市議会においては、武雄市図書館・歴史資料館に指定管理者制度を導入するための条例改正案の可決をいただきました。また、7月18日の臨時議会においては、図書館の指定管理者として、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)を指定する議案についても可決をいただいたところです。

 これを受け、以後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、CCCとの間においては、新たな武雄市民の知的活動拠点と呼ぶにふさわしい施設として来年4月の運営開始を迎えるべく、具体的、綿密なる協議、準備を進めているところでありますが、この間、その一環として、9月号の市報に掲載したとおり、去る8月14日、来年4月のオープンに併せ、武雄市図書館への「スターバックスコーヒー」の出店が決定したところです。

 是非、市民の皆様におかれましては、カフェのくつろいだ空間で、たくさんの知に触れ、新しい情報を得ながら、新しい知を発想するという、図書館を超えた図書館を体験いただきたいと考えております。

 なお、後ほど予算についてはお願いすることになりますが、来年4月のオープンに向け、来る11月1日から3月31日まで、大規模な改装工事に伴い図書館を休館させていただきます。ただし、児童図書については11月15日から2月28日まで、文化会館の2階ラウンジで貸出可能とするほか、近隣の自治体図書館の協力で、武雄市民の一般利用を受け入れていただくなどの対応をいたします。市民の皆様には、しばらくの間、御不便をおかけいたしますことをお詫び申し上げますとともに、来年4月のオープンを御期待いただきますようお願い申し上げます。

 今後も引き続き、CCCと協議を行いながら、着実に準備を進めてまいりたいと考えております。その進捗状況、決定状況については、随時議会にも御報告申し上げ、また、必要な議決等の手続きについてもお願いいたしたいと考えております。

 議員各位におかれましては、来年4月には武雄市が全国に誇れるような素晴らしい図書館がオープンすることになるよう、建設的、具体的な御議論、御提案を切にお願い申し上げます。

 現在、新図書館構想について1000人規模のアンケートを実施しております。このアンケートにつきましてはまとまり次第、9月の前半になろうかと思いますけども、まず市議会にご報告申し上げます。

 次に、市庁舎に関する検討体制について御報告申し上げます。

 御承知のとおり、市庁舎については、必要な耐震力を保持していないとして、これまで耐震補強や建替え等について、庁内での調査、検討を進めてきたところでありますが、さらにこれを深めるため、議会における議論をお願いいたしたところ、先の6月定例市議会最終日において、新たに、山口昌宏議員を委員長とする「庁舎問題検討特別委員会」の設置をいただき、今後の庁舎のあり方についての問題を調査、検討していただくこととなりました。

 その後、早速、7月6日には第一回の委員会を開催していただいたところでありますが、これに併行して、広く市庁舎に関する市民の皆様の声を受け止めるべく、公募委員3名を含む15名の委員からなる「庁舎検討市民会議」を設置し、去る7月30日と8月23日に2回の会合を開催したところであります。

 こうした議会における特別委員会や市民会議の設置に対応し、庁内の検討体制を強化すべく、7月1日付けで組織改正を行い、つながる部企画課内に庁舎問題を専属的に扱う「庁舎対策室」を設置いたしました。

 これまでの調査や検討、議論の中でも明らかになっているとおり、今後の市庁舎のあり方としては、現在の庁舎の補強、現在地での建て替え、さらには場所を移転しての建て替えという、3つの考え方があると認識しております。

 果たして、耐震補強のみで現在の庁舎が抱える様々な問題を全て解決できるのか、また、新幹線事業によって敷地の狭あい化が余儀なくされる中、現在地において将来において必要となる市役所としての機能を維持、確保できるのか、など様々な問題について広く議論を行う必要があり、以後は、市議会、市民会議、そして市役所の3つの場において活発な検討、議論、連携をいただくことで、これからの武雄市の庁舎としてふさわしい姿を成案として得たいと考えております。

 最後に、震災がれきの受入れに関して御報告申し上げます。

 武雄市は、昨年3月11日に発生しました東日本大震災において、全国に先駆け、いち早くその被災地、被災者の支援に着手、以後も、チーム武雄の派遣や福島の子どもたちの受入れなど、他の自治体のモデルともなる取組みを積極的に行ってきたところです。

 そうした中、私としましては、震災で発生したがれきの処理、撤去が被災地における復興、復旧の妨げになっていることを捉まえて、その処理は広く日本国全体で取り組むべき、同じ日本人として負担は分かち合うべきとの信念から、その受入れについても、いち早く表明を行ったところであります。

 また、市議会におかれても、先の3月定例市議会において「東日本大震災で発生したがれきの受入れに関する決議」を議決いただき、後押しをいただいたところであり、これを受けて、国及び県に対し、受入れのための条件整備を求めてまいりました。

 そうした中、去る8月7日、国において「東日本大震災に係る災害廃棄物の処理工程表」が発表されましたが、これによると、岩手県、宮城県の震災がれきについては、そのほとんどは両県内や近県での処理、既に受入れ実績のある自治体等での処理によって対応可能とされたところであります。

 また、8月21日の佐賀県知事定例記者会見においては、古川知事からは、国の工程表を踏まえ「震災がれきの受入れについては、具体的な手続きを進めることはしない」旨の発言がなされました。

 そこで、私としては、これらを踏まえ、武雄市としては震災がれきの受入れを積極的に行う状況にはなくなったと判断し、被災地、被災者に寄り添い、負担は分かち合うべきとの考えは持ちつつも、この際、その旗を下ろすこととし、8月21日に市長談話として発表いたした次第であります。

 ここに改めて経過を御報告申し上げるとともに、これまで、武雄市の姿勢に対し後押しをいただいた市議会及び市民の皆様に心から感謝申し上げます。

 最後となりましたが、議員各位におかれましては市政運営に関し、引き続きのご理解ご協力をお願い申し上げますとともに、その推進のため活発なご議論を賜りますようお願い申し上げ、私の市政運営に関する報告といたします。

提出議案概要

 今定例会に提出しております議案について、その概要を御説明申し上げます。

 条例議案につきましては、新規制定条例1件、一部改正条例4件を提案いたしております。

 まず、新規制定条例について御説明申し上げます。

 「武雄市空き家等の適正管理に関する条例」につきましては、空き家等の管理の適正化を図り、市民の安全で安心な暮らしの実現及び地域環境の保全に寄与するため制定するものであります。

 一部改正条例では、国民健康保険事業の健全な運営を図るための「武雄市国民健康保険税条例の一部を改正する条例」ほか3件を提案しております。

 次に、事件議案の「平成23年度武雄市水道事業会計未処分利益剰余金の処分について」及び「平成23年度武雄市工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分について」は、地方公営企業法の規定により、議会の議決をお願いしております。

 続きまして、一般会計補正予算(第6回)につきまして、主なものを御説明いたします。

 今回の補正は、6月、7月の梅雨前線豪雨により発生した災害の復旧に要する経費や、国及び県の補助金の内示に伴う事業費の追加など、7月補正後に生じた事由により、速やかに対応すべき経費について補正をお願いしています。

 まず、災害復旧事業として、農地災害41箇所、農業用施設災害81箇所、公共土木施設災害35箇所等の災害復旧に要する経費をお願いしております。

 国や県の補助金の内示等に伴うものとして、地域共生ステーションの防火壁の整備に対する補助金や、緊急雇用創出基金事業補助金を活用した雇用対策事業などをお願いいたしております。

 次に、特別会計補正予算の主なものについて申し上げます。

 国民健康保険特別会計では、後期高齢者支援金、介護納付金、人間ドック業務委託料等を、後期高齢者医療特別会計では、後期高齢者医療広域連合納付金などを増額補正するものであります。

 その他、平成23年度決算認定議案12件及び2件の報告をいたしております。

 なお、詳細につきましては、議案審議の際、それぞれ説明させていただきます。

 よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

教育長の教育に関する報告

 教育に関する報告を申し上げます。

 はじめに、学校教育について申し上げます。

 学力向上のための施策として今年度もICTを活用した教育による「質が高く分かる授業の実践」を推進しております。電子黒板を今年度8台新しく整備し市立小中学校で74台となりました。

 さらに、中学校全学年に国語・数学・理科・英語の4教科に電子教科書を整備し9月から授業に活用します。電子黒板や電子教科書を効果的に活用することで、生徒の興味・関心や学ぶ意欲を高め、確かな学力へとつなげます。

 また、今年度新たに文部科学省の委託で「栄養教諭を中核とした食育推進事業」をスタートしました。栄養教諭等の先生ができるだけ授業に参画することや、地場産物の有効活用を通して食育の充実を図っていきます。

 各学校では、指導力、教師力の向上に努め、今年度も御船が丘小、山内西小、北方小が授業を公開し研修を深めました。先日の武内小には、県内外300余名の参加を得て、熱心な協議がなされました。本当に前向きな先生方の取組みが児童生徒に通じ、各学校の信頼感につながっています。今後も、山内中、武雄中、山内東小、山内西小、東川登小など計画しております。

 「地域とともにある魅力ある学校づくり」に取り組んでいる北方中学校に今年度コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を指定しました。保護者や地域の皆様、学校が教育活動の方針や目指す生徒像の共通認識を図り協働することで、地域とともにある学校づくりを推進します。

 また、北方小校区の各地区においては、区長会、公民館、婦人会、老人会などの連携のもとに「地域子ども教室」事業が計画的に取り組まれました。中学校の事業とも連動し、「地域で育む子ども」の具体化として、市内で推進できたらと強い希望を持ったところです。

 全国的な課題となっておりますいじめ問題については、各学校早期発見・早期対応に心がけ、いじめの未然防止に緊張感を持って取り組んでおります。不登校対策も、改善の方向にはありますが、なお一層組織的な対応を行ってまいります。

 子どもたちは、別紙行事報告に挙げておりますように、運動面、文化面において県大会や九州・全国大会に出場するなど大いに活躍しております。東川登小児童は、東北大震災被災地へのボランティア事業を続け、テレビ交流に続き、現地への訪問交流を行いました。被災地支援の思いをさらに深め、広めてくれることを期待しています。

 学校施設整備に関しましては、武雄小学校の仮設校舎が完成し、9月から使用を開始しており、今後は普通教室棟の解体に着手し工事を進めてまいります。武雄小校区の皆様には、今後もしばらく工事が続き、交通障害等が予想されますが、ご協力いただきますようお願いいたします。山内中学校におきましても特別教室棟大規模改造第2期工事が夏休み中に完了し9月から供用開始となりました。

 次に、生涯学習関係について申し上げます。

 公民館や各地域の方々のご協力による「通学合宿」、こども部との連携・協力による「わんぱくスクール青島サバイバルキャンプ」「北海道雄武町との児童交流」また「少年の船沖縄交流」などの体験学習や集団生活を通して、子どもたちは、仲間づくりや地域の人たちとの交流を深め、「生きる力」を養うことができたものと思っております。

 新図書館構想につきましては、7月18日の臨時議会において図書館・歴史資料館の指定管理者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定することに議決をいただきましたので、8月31日にカルチュア・コンビニエンス・クラブと協定書を締結いたしました。

 今後は、9月の市報でもお知らせしていますように、来年4月の新図書館オープンに向けた改修工事及び開館準備のため、11月1日から来年3月31日まで休館させていただく計画をしております。さらに多くの皆様にご利用いただける市民価値の高い施設として開館できるよう準備をさせていただきます。しばらくの間、市民の皆様にはご不便をきたしますが、よろしくご理解いただきますようお願いいたします。

 なお、児童図書コーナー及び読み聞かせ等の講座につきましては、11月15日から来年2月末までは、場所を文化会館2階ラウンジに移して開設いたしますのでご利用ください。

 スポーツ推進事業につきましては、5月6日から8月5日までの日程で「第59回市民体育大会」が行われました。総合優勝は武雄町、2位朝日町、3位山内町、そして躍進賞は北方町が獲得されました。

 10月20日・21日の両日、佐賀市・多久市・小城市を会場に開催されます「第65回県民体育大会」に向けて、9月4日には武雄市選手団の結団式が行われます。現在、各競技団体においては選手強化が図られております。

 文化振興事業では、武雄市民ジュニアウィンドオーケストラ育成事業を5月に開始し、専門家講師の指導を受けております。また、OMURA室内合奏団によるロビーコンサート、一青窈tour2012、高校生のための舞台技術研修会、優秀映画鑑賞会などを開催し、市民の皆様に育てる文化、創る文化、観る文化に親しんでいただきました。 

 日本宇宙少年団武雄分団は、7月21日・22日に霧島市で開催された「日本水ロケットコンテスト2012」九州ブロック大会で見事優勝し全国大会への切符を手に入れました。

 文化財関係では、文化庁補助事業「文化遺産を活かした観光振興・地域活性化」の事業のほとんどがこれからの時期に実施予定であり、地域活性化につながるよう進めて参ります。

 「教育委員会の点検・評価」につきまして、平成23年度に実施いたしました教育委員会事業の評価結果について、今市議会に報告申し上げ、その後、市民の皆様へ公表することとしております。

 以上、教育に関する報告をいたしました。なお、6月から8月までの3ヶ月間に実施いたしました主な行事等につきましては、別紙一覧表にお示しした通りでありますのでご覧下さい。

 今後とも、更なるご指導・ご鞭撻をお願い申し上げまして、教育に関する報告とさせていただきます。

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