市長提案事項説明要旨
おはようございます。
武雄市議会定例会の開会にあたり、市政を運営するにあたっての所信を述べさせていただくとともに、提案事項についてご説明申し上げます。
この度、市民の皆様、議会の皆様、そして各方面の方々より幅広いご支援を賜り、1月11日より引き続き3期目の市政運営を担わせていただくことになりました。まさに身の引き締まる思いでこの場に立っております。
私は、市長就任以降、できるだけ現場に出向き、皆様の切実な声をお聞きしながら、災害やコロナなど本当につらい思いをされている中でも、安心して暮らせるまちの実現に向けて様々な取り組みを進めてまいりました。
これからも引き続き、「市民目線」、「信頼」、「一所懸命」を基本姿勢として、市民の負託を受けた責任の重さを胸に刻み、全力で市政運営にあたってまいりますので、議員の皆様、市民福祉の向上、そして本市のさらなる発展に向けて、共に市政を進めるべく、どうぞよろしくお願いいたします。
治水対策についてであります。
大雨による被害を二度と起こさないため、治水対策を最優先施策としてさらに前へ進めてまいります。治水対策は、今日明日で一気に進むものではありませんが、まず第一に、昨年より今年、今年より来年と毎年着実に進めていくことが何より重要であります。
ため池については、浚せつを進めて貯水量を増やすとともに、協力金の創設や水位標の設置により、出水期前の事前放流に継続してご協力いただける環境を整備するなど、さらなる活用を進めてまいります。田んぼダムについては松浦川流域も含めて面積を拡大し、さらには、河川の浚せつや令和6年竣工予定である広田川排水機場周辺の排水対策など各取り組みを強化するとともに、新たに雨水貯留施設の整備や市民の貯留タンク購入を支援するなど、流域治水を強力に進めてまいります。また、万一に備えて、水災補償保険未加入者の保険加入を促進してまいります。
第二に、様々な治水事業を行っている中で、また、今後さらに行っていく中で、床上浸水ゼロに向けて、いつまでに何に取り組むのか、また、その効果などのロードマップを市民の皆様にしっかりとお示しし、皆様の不安を軽減するとともに、未来への希望を持ってもらうことが今こそ重要です。特定都市河川の早期指定を目指すとともに、令和5年度中に市全域を対象とした治水対策計画を策定いたします。
今後も、引き続き、国県等と連携し、流域全体での治水対策を着実に進め、いつまでも住み慣れた場所に住み続けることができ、誰もが安心して暮らせるまちをつくってまいります。
新幹線を活かしたまちづくりについてであります。
西九州新幹線開業によるまちの盛り上がりをさらに伸ばして、まちの活性化につなげることが重要であります。
通勤通学定期券半額補助の下限年齢要件を撤廃し、より幅広く使いやすい制度へと拡充し、さらなる移住につなげてまいります。さらに、市内外在住を問わず、移住定住のために空き家をリノベーションする際の支援や長崎県を中心に子育て世代をターゲットとした移住プロモーションを大きく展開するなど、あるものを活かしながら、移住定住を強力に推進いたします。
教育については、これまでもICT教育など教育改革のトップランナーとして力を入れて進めてまいりましたが、さらに、小学3年生から中学卒業までの7年間の一貫した英語カリキュラムの実施や市内在住の英語ネイティブとの交流など、英語教育の抜本的強化を図ってまいります。また、県内初の全教職員へのファシリテーター研修を行うなど、学びの環境を充実させ、教育という本市の強みをさらに伸ばし、移住定住にもつなげてまいります。
高等教育については、2月15日に、本市初となる4年制大学の開学に向けて、学校法人旭学園と覚書を締結いたしました。市民の皆様から多くの期待の声をいただいております。今後は、新たに設置した「大学設置支援室」を中心に、市民や議会の皆様や関係者のご意見を聴きながら、大学設置に向けた協議を丁寧に進めてまいります。
また、眉山キャンプ場の通年利用など武雄にある資源を活かして本市へのさらなる誘客を図るとともに、周辺自治体や広域エリアとの連携をさらに深く、さらに広く進め、西九州のハブ都市として交流人口を増やし、市民の皆様と一体になって活気やにぎわいのあるまちをつくってまいります。
文化・スポーツのまちづくりについてであります。
文化については、令和8年の竣工を目指し、新たな文化交流拠点施設の整備に着手いたします。文化交流拠点施設の整備をきっかけに、文化やアートを通して市民が集い、多くの方々が交流することで、新しい文化の創造や文化によるまちのにぎわいの創出など、文化都市武雄を目指します。
また、本市の歴史を市民共有の財産として後世に継承するため、教育委員会に4月1日付けで「市史編さん室」を新設し、市史編さんに着手いたします。市史については、市町村合併前に編さんされた、それぞれの市史、町史発行以降、新たな記述がない状態となっているため、昭和から令和までを中心に本市の軌跡を取りまとめ、新市施行20周年を迎える令和8年の発行を目指し進めてまいります。
スポーツについては、令和6年に開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の成功に向け、リハーサル大会などの準備を進めるとともに、5月に運用開始予定の新体育館の活用や障がいスポーツの充実など、年齢や特性に関係なく、誰もが気軽にスポーツに親しめる環境づくりを進めてまいります。
文化やスポーツを通して心の豊かさや誇りを醸成するとともに、まちのにぎわいにもつなげてまいります。
次に、誰一人とり残さないまちづくりについてであります。
どんな環境や境遇であっても、誰もが自分らしく幸せに暮らせる温かいまちをつくるため、「ヤングケアラーゼロ」を目指した取り組みに力を入れてまいります。まずは、市内の小学5年生から高校生まで、また小中学校の教職員を対象にした県内初となる実態調査を実施いたします。また、同じく県内初となる関係機関が連携した「ヤングケアラー支援チーム」を発足し、一人一人のこどもに応じたきめ細かい支援を充実してまいります。
また、サロンお出かけ支援などによる高齢者のお出かけや地域包括ケアの取り組みを支援するなど、全ての高齢者がいつまでも元気に、生きがいをもって毎日を楽しんでいただく機会を増やしてまいります。
また、4月1日付で「デジタル政策課」を新設し、総務省の地域活性化企業人制度を活用して企業から人材を受け入れ、専門的な知見も活用しながらデジタル活用を加速します。加えて、武雄市DX推進計画の策定を行うなど、令和5年度を「デジタル本格活用元年」と位置づけ、デジタルをもっと便利で暮らしやすいまちづくりにつなげてまいります。
さいごになります。
令和に入り、2度の水害や長引くコロナ禍、物価高騰など大変厳しい時代であります。そのような中ですが、本市では、新幹線開業や新大学設置など明るい兆しも見えてまいりました。
市民の皆様が今求めているのは、このまちにずっと住み続けていけるという希望、このまちはもっと良くなるという希望、すなわち、未来への希望であると考えております。
これからも、市民の命と暮らしを守ることを最優先に、このまちにあるものを活かして、さらに伸ばし、住み続けたい、帰ってきたいと思える希望あふれるまちを目指してまいります。そして、文化やスポーツ、教育を通じて、誰もが夢に向かってチャレンジできるまち、その夢をみんなで応援するまち、誇りある、未来へつながるまちを目指し、今後もより一層努めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ、私の提案事項説明とさせていただきます。
本議会もどうぞよろしくお願いいたします。