『いで湯と陶芸のふるさと』

武雄市(たけおし)は、佐賀市と長崎県佐世保市の中間に位置する市です。平成18年3月1日に、旧武雄市、山内町、北方町が合併して誕生し、9つの町(武雄町、橘町、朝日町、若木町、武内町、東川登町、西川登町、山内町、北方町)から成っています。開湯以来1300年の歴史を誇る武雄温泉が有名で、温泉のシンボルである楼門は、日本銀行や東京駅の設計を行った有名な建築家、辰野金吾氏が設計し国の重要文化財に指定されています。

温泉 hot springs

透明で柔らかな湯ざわりが特徴の武雄温泉は、約1300年前に書かれた「肥前風土記」の中に「郡の西の方に温泉の出る巌(いわや)あり、・・・」と記されたほど歴史ある温泉で、「日本書紀」や「古事記」に登場する勇敢な女帝、神功皇后が太刀の柄(つか)で岩を一突きしたことで湯が湧き出したのが始まりとも言われています。

また、文禄・慶長の役の際には、名護屋城に集められた多数の兵士が武雄温泉を訪れ、戦で負傷した体を癒しました。その時に、他の入浴客に迷惑をかけないようにと豊臣秀吉が兵士向けに示した朱印状「入浴心得」が、現在も武雄温泉新館に残されています。

江戸時代には、長崎街道の宿場町として栄え、歴史上名高い宮本武蔵やシーボルト、伊達政宗や伊能忠敬などが入浴した記録も残されています。温泉の入口に立つ朱塗りの楼門は、竜宮城を連想させる鮮やかな色彩と形で、天平式楼門と呼ばれる釘を一本も使用していない建築物です。

泉質はさまざまな成分が程よく入った弱アルカリ性単純泉。保温性と保湿性に優れ、美肌をつくる泉質として有名です。

陶芸 pottery

武雄のやきものは、文禄・慶長の役の頃、武雄領主が連れ帰った深海宗伝らによって武内町を中心に生産が始まりました。

白い化粧土や緑釉(緑色)、褐釉(茶色)を使用して装飾を施したデザインが斬新であると人気を呼び、日本各地だけでなく東南アジアにも輸出されていました。現在、市内にはおよそ90軒もの窯元があり、伝統的な技法とそれぞれの窯元の個性を生かした多様な作品を生み出しています。平成28年4月には、近隣の7市町と共に「日本磁器ふるさと肥前」として「日本遺産」に認定されています。

「いまの武雄」「新しいことをはじめる人」など
未来につながるリアルな武雄を
写真家のルパートさんが描き伝えます。
ルパート・シングルトン
写真家
ルパート・シングルトン
1967 年生まれ。イギリス・ヨークシャー州出身。グラフィックデザイナー。写真家。 18 年間シンガポールに、2 年間マレーシアに住んだ後、2012 年に福岡に移住。 グラフィックデザイナーで26 年、写真家としては13 年のキャリアを重ね、写真家と しての初めての仕事は『ニューヨークタイムズ』で、中国人家族を撮影している。 2015 年にはジェットスターから機内誌の撮影依頼を受けて福岡の人や景色を撮影。

心が寄っていく、たけお

9町の魅力

武雄市には9つの町、9つの文化、9つの特色があります。
それぞれの魅力を知ることで、さらに武雄を好きになる。
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武雄町(たけおちょう)

武雄温泉楼門
辰野金吾博士が設計した、竜宮城を連想させる建築物。
撮影:2014.01.10 豊永和明
武雄の大楠
樹齢3,000年以上の大楠で、市の天然記念物に指定。神秘的な雰囲気でパワースポットとして人気。
撮影:2014.09.22 豊永和明

新しさと伝統に出会う

武雄市のシンボルのひとつである武雄温泉楼門を中心に広がる温泉街。神秘的なたたずまいの武雄の大楠。そんな古くからあるものに加え、武雄市図書館のような近代的な建物や商業施設も多く共存する町。

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朝日町(あさひちょう)

黒尾のきゅうり
主に黒尾地区にきゅうりハウスが並んでおり、近年は若い就農者が増えている。
撮影:2014.05.02 豊永和明
中野の荒踊
宇土手と高瀬と合わせ「武雄の荒踊」として、国の無形民俗文化財となっている。
撮影:2015.09.23 豊永和明

輝ける日常がある

住宅地が多いまち。新しく移り住んでくる人達が増える中、伝統的な行事などはきちんと受け継がれている。そこにはちょうどいい田舎暮らしが待っている。

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橘町(たちばなちょう)

橘産さがびよりと一面の稲田
秋になると黄金の稲穂がまるで絨毯のように一面に広がる。
ここでつくられる橘産さがびよりは、最高級のお米として特A評価をうけている。
撮影:2017.07.20 豊永和明
カッパの里サロン
つけもの加工所かっぱの里に毎日のように溢れる笑顔は地域の宝。 カッパの里サロンは地元の憩いの場になっている。
撮影:2014.09.22 豊永和明

のどかな景色に心癒される

平坦部が多く、稲作や畑作が盛んな地域。農村ならではののどかな景色は住む人はもちろん通りかかった人も癒してくれる。

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 若木町(わかきちょう)

川古の大楠
全国巨木ランキング5位の大楠。町の中心に位置し、若木町のシンボルとなっている。
撮影:2016.10.09 豊永和明
永野の風穴
いつ、誰が、何のために作ったか不明のミステリースポット。夏場でも8~9度を保っている。
撮影:2014.06.09 豊永和明

緑と水に抱かれ

全国巨木ランキング5位の川古の大楠と豊かな水が象徴的なまち。永野地区の風穴もパワースポットとして人気がある。

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武内町(たけうちちょう)

馬場の山桜
3月から4月にかけて白っぽい花を咲かせます。菜の花も一面に咲き誇り、素晴らしい景観を楽しめます。
撮影:2014.03.31 豊永和明
飛龍窯
世界一の登り窯。工房ではろくろや楽焼体験ができる。 毎年2月中旬には、数千本の灯ろうが灯る「TAKEO・世界一飛龍窯灯ろう祭り」が開催される。
撮影:2013.11.28 豊永和明

つながり育む

地域のつながりが強いまち。世界一の登り窯である飛龍窯では陶芸体験ができる。夏は蛍が飛ぶような田舎の環境で子どもも大人も成長できる。

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東川登町(ひがしかわのぼりちょう)

コスモス街道
地元の手で一から作り上げた道沿いにならぶコスモス。
撮影:2015.10.18 東川登公民館
袴野面浮立
赤と青の鬼の面を付けた先導役に続き列をなして踊り手が舞う様は圧巻。
撮影:2017.09.23 豊永和明

郷土を愛し共に歩く

地元に根付いた伝統を守り、多世代の交流が盛んなまち。
地元で管理しているコスモス街道は、通る人の笑顔を誘うスポットとして人気。

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西川登町(にしかわのぼりちょう)

弓野人形
博多人形師によって誕生した弓野人形。親しみのある素朴な人形はどこか懐かしさを覚える。
撮影:2016.12.02 豊永和明
庭木ダムの桜
ダム湖を周回する道路沿いに桜並木が続き、桜の時期は花見客で賑わう。
撮影:2015.03.29 豊永和明

豊かな自然と技術がいきる

庭木ダムは桜の時期には多くの客でにぎわうスポット。
地元の工芸品として有名な弓野人形。

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山内町(やまうちちょう)

黒髪神社の流鏑馬
毎年10月29日に黒髪神社にて奉納されている。緑に囲まれた馬場を駆け抜ける様は圧巻の一言。
撮影:2014.10.29 豊永和明
黒髪山
至るところに奇岩・巨岩がそびえたつ黒髪山。比較的登りやすい山として登山客にも人気。
撮影:2015.09.23 豊永和明

黒髪山に抱かれた豊かな自然

黒髪山は登山や散策にちょうどいい山。その麓には陶芸家が集まり、陶芸作家村として活動している。国道沿いの道の駅「黒髪の里」では連日多くの客であふれている。

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北方町(きたがたちょう)

ちゃんぽん街道
武雄北方インターを下り、国道34号線を東に向かうと「ちゃんぽん街道」です。
人気のちゃんぽんをはじめ、グルメなお店が並んでいます。
撮影:2016.09.27 豊永和明
きたがた四季の丘資料館
四季の丘公園の一番見晴らしのいい場所に建つ資料館には、かつての炭坑や農業の歴史資料を展示しています。
撮影:2019.02.19 北方公民館

活気あふれる元気なまち

平成29年に武雄バイパスが町の中心部まで延伸。周辺には新築のアパートや住宅が増えてきた。  子育て総合支援センターもあり、子育てやスポーツと元気あるまち。