市長提案事項説明要旨

おはようございます。


私より、提案事項の説明をさせていただきます。


平成27年1月11日の市長就任以来、「前進と対話」という基本姿勢の下、皆さまと議論を重ねながら、市政運営に取り組んでまいりました。

この3年間、まずは「子育て・教育」を一丁目一番地として、こども図書館建設をはじめ、子育て施策に積極的に取り組むとともに、雇用の創出や確保、さらには福祉政策にも重点的に取り組んでまいりました。

平成30年度は、これまでの取組をもとに、雇用創出や地域経済の活性化を通じて市民福祉の向上を図るという経済と福祉の好循環の確立に向けて、「福祉」、「雇用」、「西九州のハブ都市」の3本を柱に据え、持続可能なまちづくりを推進していきたいと考えております。

特に、福祉政策、とりわけ高齢者福祉に重点的に取り組み、この武雄市を、いくつになっても安心して住み続けられるまち、子どもたちにとってもずっと住み続けたいまちを目指します。


■高齢者福祉についてであります。


市政運営においては、市民福祉の充実が最も重要であります。

とりわけ、高齢者福祉については、高齢者人口が昨年末時点で14,545人と本市の総人口の29.5%まで達し、この5年で4ポイント弱も増加しております。平均寿命の延びに伴い、今後もこの傾向が続くと予想される中、地域の活力、本市の活力につなげるためには、高齢者の生きがい・元気づくりが必要不可欠であります。

これまで、市民の皆さまからは、買い物や趣味のサークル等に行きたくても交通手段が中々ないといった声や、生きがいづくりや元気づくりにもっと取り組んでいつまでも元気でいたいといった声を数多くいただきました。

そこで、皆さまからいただいた声を実現すべく、地域振興を含めた高齢者福祉を平成30年度の最重要施策とし、事業費ベースで3億円の政策パッケージを用意いたします。高齢者が外出するきっかけを作り、様々な生きがい・元気につなげるため、高齢者のお出かけ支援事業、プレミアム付商品券事業、元気なまちづくり交付金事業等に取り組みます。

高齢者のお出かけ支援事業については、75歳以上の高齢者を対象に、1万円分のタクシー助成券等を交付することにより、買い物、趣味・娯楽、通院、市内観光等で外出しやすい環境づくりを行います。

プレミアム付商品券事業については、75歳以上の高齢者を対象に、販売金額5,000円で7,500円分の買い物ができる商品券を交付することにより、買い物に出かけるきっかけづくりにするとともに、消費活動を通じた地域経済の活性化につなげてまいります。

元気なまちづくり交付金事業については、市内各行政区への20万円を上限とした交付金を、それぞれの地域で健康づくり・元気づくり、地域づくりのための活動に活用していただくことで、魅力的なまちづくりを支援いたします。

このように、「外出を支援する」、「外出するきっかけをつくる」、「地域でつながる場をつくる」ことをセットで、パッケージとして行うことで、一人一人の生きがいや健康、元気、幸せにつなげ、高齢になっても住み慣れた地域で生き生きと住み続けられるまちを目指します。

あわせて、地域サロンの充実、糖尿病重症化予防やがん対策の推進等、健康寿命の延伸に向けた取組にも力を入れ、世代を超えて、若者からお年寄りまでの健康・元気づくりを推進してまいります。


■雇用創出についてであります。


雇用の創出・確保は、地域経済の活性化にとって必要不可欠であります。

雇用の状況については、昨年8月以降、ハローワーク武雄管内における有効求人倍率が1を超える状態が続いており、昨年末時点では1.15に達しております。

このように、本市においても人手不足感が強まる中、今年度、雇用の確保・創出に向けて、「企業合同求人説明会」等の各種事業を実施いたしました。昨年夏と今月15日に開催した企業合同求人説明会では、参加企業延べ33社、来場者延べ161名と、多数のご参加を得たところであります。しかし、依然として、雇用のミスマッチの解消が大きな課題となっており、引き続き雇用の確保・創出に向けた取組が必要であります。

昨年12月22日、本市と、商工会議所、商工会、観光協会及びJAさがみどり地区の5者で、武雄市地域雇用創造協議会を発足いたしました。来年度から、同協議会を主体に、雇用拡大や人材育成につながる各種セミナーの開催、観光体験プログラムの商品化や、特産品の組合せによるメニュー開発等に取り組み、より多くの雇用創出を目指します。

また、障がい者の雇用促進に向け、ハローワーク、商工団体等の関係機関と連携して、事業所向けに障がい者雇用に関する相談会や説明会を開催するとともに、障がい者と事業所とのマッチングを随時行ってまいります。

こうした官民一体の取組により、高齢者、女性、障がい者を含めた働きたい全ての市民の雇用確保・創出を加速化してまいります。

農業分野においては、近年、イノシシの捕獲頭数が高止まりし、鳥獣害対策を強化する必要があることから、ワイヤーメッシュ柵の設置はもとより、来年度は修繕にも補助を拡充いたします。また、優良肥育素(もと)牛(うし)の導入に係る助成頭数の拡大や、農業施設整備等のための地域への原材料支給の拡大等、現場発の農畜産業施策を推進し、所得向上を目指します。


■次に、「西九州のハブ都市」に向けた取組についてであります。


4年後の九州新幹線西九州ルート開通により、本市が道路に加え鉄道についても、長崎と佐世保の分岐点になる地の利を活かし、「西九州のハブ都市(結節点)」を目指します。

武雄温泉駅が西九州の玄関口としてふさわしい駅となるよう、駅周辺の整備を促進いたします。そのため、付近の眺望や景観にも配慮しつつ駅南口の駅前広場整備に取り組みます。また、駅の高架下の活用計画を策定し、市街地への誘導も視野に入れた高架下の有効活用につなげてまいります。

観光分野については、本市を拠点に周辺地域を巡り、市内で宿泊してもらう「観光ハブ都市」を目指します。その一環として、観光客の利便性向上と、ハブ都市としての認知度向上を図るため、本市を中心とした西九州観光のルートマップを作成いたします。また、長崎空港からも誘客できるよう、夏季に、観光客を中心とした長崎空港と本市とをつなぐ予約制乗合タクシーの試験運行を計画しております。

移住・定住施策も強化いたします。来年度より、市外から移住し、住宅を取得された方を対象に、1件当たり20万円の定住支援金を交付する事業を開始いたします。本事業により、従来の定住特区補助金と合わせ、市内全域をカバーする定住支援策が整備されることになります。

その他、シティプロモーションにおいても、ハブ都市を踏まえた取組を着実に進めてまいります。


■次に、子育て・教育についてであります。


武雄の未来を担う人材育成のためには、より良い子育て・教育環境が重要であります。

昨年10月にオープンした「こども図書館」については、様々な体験スペースや食のスペースを設置し、各種講座・イベントを精力的に開催したこともあり、開館後4か月で13万人を超える方が来館されました。今後も、子どもの育ちを応援する場、子どもからお年寄りまで多世代が交流できる場というコンセプトに沿った取組を更に推進してまいります。

子どもの貧困対策については、現場のニーズを踏まえ、伴走型支援を担う「こどもの笑顔コーディネーター」を増員するとともに、非課税世帯の高校生等の入院費を助成する制度を創設する等、取組を更に強化いたします。

発達障害児を始めとする障がい児支援については、早期発見・早期療育を更に進めていくとともに、関係機関が連携して情報共有を図りながら、将来を見据えた切れ目のない支援を充実させていきたいと考えております。

来年度より、武雄こども園敷地内で、病児・病後児保育事業を開始いたします。病気等により集団保育が困難な子どもを受け入れることにより、子育てと就労等の両立を支援いたします。

今後も、「武雄で子どもを産み育てたい」と思っていただけるよう、そして、全ての子どもに育ちと学びの機会があるよう、子育て・教育環境の充実に努めてまいります。


今後もさらに一層、市民の福祉向上に努めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願いいたします。

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武雄市議会事務局
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