市長提案事項説明要旨

おはようございます。

私より、提案事項の説明をさせていただきます。


◼︎災害からの復旧・復興についてであります。


昨年8月28日の豪雨災害から1年が経過いたしました。この間、今年1月に策定した「武雄市創造的復興プラン」のもと、一日も早い復旧と生活再建に取り組んでまいりましたが、今年7月には、梅雨前線の影響により、各地で甚大な被害が発生し、本市においても農地や道路等の被害が発生いたしました。本議会において、復旧予算を計上しており、昨年の被害箇所と併せて迅速な復旧を進めてまいります。

今後、台風シーズンを迎えるにあたり、いつなんどき大きな災害が起こるとも限りません。昨年の災害を教訓に、まずは目の前の災害に十分備えるとともに、被災前よりも一人一人が幸福を実感できるまちを目指し、引き続き、早期の復旧と創造的復興に全力を挙げてまいります。


◼︎新型コロナウイルス感染症についてであります。


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緊急事態宣言解除後、全国各地において感染者の拡大が確認されております。この間、感染予防を徹底していただいている市民の皆様方や感染リスクと闘いながら日々仕事に従事されている皆様方に対しまして、心から感謝申し上げます。

未だ予断を許さない状況ですが、手洗いや消毒、マスク着用や物理的距離をとるなどの対策により、感染リスクを大幅に下げることができます。このコロナの危機においては、私たち全員が当事者です。どうか引き続き感染予防策を徹底しながら、そしてできるだけ普段どおりの生活を送っていただき、感染予防と経済活動を両立させていきたいと考えております。

その例といたしまして、武雄市では、コロナ禍の状況をしっかりと把握し、安心・安全な修学旅行を実施いたします。子どもたちの学校生活の中で、修学旅行は思い出作りの貴重な機会です。そこで、各学校においては、児童生徒や保護者の声を踏まえながら、どうすれば実施できるかを考え、旅行先の変更を含め工夫を凝らして実施してまいります。そのための支援といたしまして、万が一、修学旅行の中止や行先の変更によりキャンセル料が発生した場合、その全額を市が負担いたします。これにより、児童生徒や保護者の心理的・経済的負担を軽減するとともに、各学校が直前まで実施に向けた検討が行える環境を整えてまいります。

感染症対策といたしましては、これまで、感染防止の徹底、市民生活の支援、地域経済の回復と活性化、次への備えを4つの柱として、状況を見ながら各種対策を実施してまいりました。コロナ禍の収束が見通せない中、さらなる対策の強化を図ってまいります。

感染防止の徹底といたしまして、教育・保育施設の感染予防対策をさらに強化いたします。国の補助金を活用しながら、保育所等や放課後児童クラブが購入する感染防止用の備品等の経費を補助するとともに、市内小中学校におきましても、飛沫防止用のパーテーションを購入し、子どもたちが安心して学べる環境づくりを進めてまいります。

休業や失業された方への生活支援といたしまして、社会福祉協議会が行う緊急小口資金及び総合支援資金の貸し付けを受けられた方を対象に、本年5月より市独自の支援として生活福祉支援金の給付を行ってまいりました。これまで、多くの方にご利用いただきましたが、緊急小口資金等の貸付期間が9月末まで延長されたことを受け、本市の支援金の給付についても期間を延長いたします。

また、生活困窮者等に対する住宅確保給付金につきましても、国の制度により給付対象者が拡大されました。引き続き生活にお困りの方に対する支援に力を注いでまいります。

地域経済の回復と活性化に向けた対策として、7月に、武雄市プレミアム付商品券「たけおニコニコ商品券」を販売し、多くの市民の皆さまにご購入いただきました。総額2億円の商品券の有効期間が今月末までとなっておりますので、商品券を、まだお持ちの方は、市内加盟店でのお買い物に、是非ご利用いただきますようお願いいたします。

また、市内事業者が連携し、地域経済の活性化を目的とした新たな取組みを支援する「武雄フレフレ大作戦」では、現在、310を超える事業所の皆様方により約20件の事業が申請され、市内各所で様々な取組みが行われております。今後も、状況をみながら、市民で市民を応援するような施策を随時打ち出してまいりたいと考えております。

コロナ禍においては、「新しい生活様式」の定着が求められており、本市においても、小中学校におけるオンライン教育を含め、自宅などでのインターネット利用の増大が予想されます。そこで、「新しい生活様式」に必要な情報通信環境を整備するため、市内の光ファイバー未整備地区に対してケーブルテレビ事業者が行う光ファイバー整備を支援いたします。これにより、光ファイバーの市内エリアカバー率100%を実現いたします。

今後も、状況を把握しながら、国の地方創生臨時交付金を活用し、市民の暮らしや地域経済を支えながら、感染予防と経済活動を両立させ、そして未来へ繋がる施策を実施してまいります。


◼︎子どもの貧困対策についてであります。


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どのような環境や境遇であっても、すべての子どもたちが育ち、学べる環境を保障するため、平成28年4月に「子どもの貧困対策課」を設置、翌年3月には「武雄市子どもの未来応援計画」を策定し、子どもの貧困対策について、中長期的な視野で断続的に取り組んでまいりました。

 

この度、対策の強化に向けて計画を改定するにあたり、再度、子どもの生活実態調査を実施いたします。これにより、これまでの事業を検証し、現状の把握と課題の分析を行います。また、今回の調査では、子どもたちの就職や進学までの切れ目のない伴走型支援に繋げるため、調査対象を高校生まで拡大いたします。

子どもの貧困対策のトップランナーとして、貧困の連鎖を断ち切り、すべての子どもたちが夢と希望をもって未来を切り開いていける社会の実現を目指していまいります。


最後になります。


これまで、武雄市内でも図らずも新型コロナウイルスの陽性や濃厚接触が確認された方がおられます。コロナが原因で誰かを誹謗中傷することが決してあってはなりません。コロナによる地域社会の分断を、この武雄で生んではなりません。

また、このコロナ禍で、大変厳しい生活や経営を強いられている皆さんが数多くおられます。市としても、先般申し上げましたとおり、感染予防の徹底に加え、市民の暮らしや経済をしっかりと支えてまいりますが、困ったときにはお互いに支え合い、助け合う、共感と思いやりのあるまちをこれからも皆さんと一緒になってつくっていきたいというのが私の強い思いです。

そして、新幹線開業が2年後に迫るなか、交通の結節点という利点を活かして、にぎわいのある西九州のハブ都市を目指したまちづくりや、いくつになっても安心して暮らすことのできる、安心して子育てができる福祉のまちづくりなど、このコロナ禍においても、コロナ対策だけでなく武雄の未来をしっかりと見据えて全力で取り組んでまいります。どうか、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願いいたします。