市長提案事項説明要旨
おはようございます。
武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
まず治水対策と防災・減災の強化についてであります。
本市を含む九州北部地域は、間もなく梅雨入りを迎え、本格的な出水期に入ります。昨今の気候変動の状況に鑑みると、いつなんどき大きな災害が起こるとも限らず、十分な警戒が必要です。そこで、2年で2回の豪雨災害を踏まえ、同じ被害を二度と起こさないために、大雨にあっても被害を最小化できる「備え」を強力に推進する必要があります。 昨年の豪雨災害以降、国県や関係機関と連携し、河川の緊急河道掘削や浚渫、排水ポンプの増強を進めてまいりました。あわせて、市民の皆さんへ協力をお願いしながら、田んぼダムの設置やため池の事前放流を行うことで、雨が降っても河川への雨水の流入量を減らし、排水ポンプの停止を回避するための取り組みを進めております。
また、広域で連携した治水対策を進めるため、六角川水系流域治水協議会では、「流域治水プロジェクト」を策定し、それぞれの機関において行動計画を取りまとめました。本市においても、遊水公園の整備などの新たな内水対策や水害に強いまちづくりなど様々な観点から中長期的な治水対策にも強力に取り組んでまいります。 加えて、仮に大雨等に見舞われても、安心して避難できる環境の整備を行ってまいりました。 これまでの指定避難所に加え、地域の自治公民館や集会所等を避難所として活用するため、非常食や飲料水を配備し、お一人お一人が居住地からできるだけ近く、安全な場所に避難できる環境を整備してまいります。 5月20日には、農業用機械を含む車両避難所の設置について、市内の事業所と協定を締結し、市内20か所で、昨年までの3倍以上にあたる、最大5,000台の車両避難所を確保いたしました。
また、3年前の豪雨災害を受けて、洪水ハザードマップを作成し、全戸への配布等により、災害に向けたリスク低減を図ってまいりましたが、今回さらに「大雨時の内水による被害」の想定を加え、浸水深をこれまでよりきめ細かく表示するなど、市民の皆さんがより使いやすい形で「内水ハザードマップ」を新たに整備し、さらなる自助・共助の強化を図ってまいります。
引き続き、市民の命とくらしを守ることを最優先としながら、気候変動に対応したまちづくりを進めてまいります。
西九州新幹線の開業についてであります。
9月23日の西九州新幹線の開業に向けて、5月11日に武雄温泉駅に西九州新幹線「かもめ」の車両が走行試験として初入線いたしました。待ちに待った新幹線開業が間近に迫ってまいりました。この開業を契機に、交通の利便性の高さや地域資源を活かして、さらなるまちの元気と活性化につなげていくことが重要であります。
4年前に開催し、8万人のご来場をいただいた東北三大まつりのひとつ「秋田竿燈まつり」を、新幹線開業記念として、11月12日に再び本市にて開催することを決定いたしました。
4年前に多くの皆さんを感動の渦に包んだ、竿燈の灯りが、再び武雄の夜を彩ります。九州で「秋田竿燈まつり」を見られるのは、ここ武雄市だけであり、加えて、今回は、前回より3本多い8本の竿燈をお持ちいただきます。これまで秋田との絆を繋いできていただいている、市民の皆さんに深く感謝申し上げます。「竿燈のあかり」を「希望のあかり」としてみんなでお祝いし、未来に繋げていくとともに、開業に向けた機運醸成も官民一体となって行ってまいります。また、新幹線開業を移住定住人口の増につなげていくため、4月19日にピープル株式会社と、「子育て環境分野における連携協力協定」を締結いたしました。今後は、本市の子育て環境のよさを、官民連携で積極的に発信してまいります。
さらに、新幹線開業効果を最大限に活かすために、西九州新幹線沿線5市で人気アニメとのコラボレーション事業を発表いたしました。 また、「西九州の玄関口」となる武雄温泉駅に新たに設置する「観光交流センター」には、本市を基点に西九州エリアを周遊いただくため、本市だけではなく近隣市町の情報や特産品等を取り揃える準備を進めております。 今後も、周辺自治体と連携しながら「西九州のハブ都市」としてのまちづくりを引き続き進めてまいります。
新型コロナウイルスへの対応等についてであります。
武雄市における新規陽性者はピーク時と比べて減少してきましたが、引き続き、市民の皆さんに基本的な感染予防の徹底を呼びかけるなど、感染拡大防止に努めてまいります。ワクチン接種につきましては、3回目までのワクチン接種について、医師会や医療機関の皆様の全面協力の下、全国や佐賀県の接種率を大きく上回るペースで着実に接種が進んでおります。4回目接種については、6月2日に3回目接種を12月に受けた60歳以上の方に接種券の発送を開始いたしました。今後は、60歳以上の方で3回目接種から5か月を経過する前に「4回目ワクチン接種券」を順次発送いたします。また、18歳から59歳で、基礎疾患がある方の申請を受け付けております。 引き続き、希望するすべての方が1日でも早くワクチンを接種できる環境を 整備してまいります。
市民生活への支援といたしましては、コロナ禍の長期化による影響を受けやすい世帯を支援するため、ひとり親世帯や低所得の子育て世帯等へ、生活支援特別給付金を支給いたします。4月分の児童扶養手当受給者の方は、申請不要で6月15日に支給をいたします。
また、昨年度に引き続き、市立小中学校における修学旅行や宿泊研修がコロナの影響により中止や延期、行き先の変更等を余儀なくされた場合のキャンセル料を、市が全額助成いたします。 引き続き、市民の命とくらしを守るため、感染防止の徹底、市民生活への支援、地域経済の回復と活性化、次への備えの4つの基本方針に基づき、コロナ対策に全力で取り組むとともに、原油価格や物価の高騰に対しても機動的に対応してまいります。
スポーツ・文化のまちづくりについてであります。
この7月に武雄市民球場がオープンいたします。野球をしない方も含めて市民の誰もが利用できる「親しみやすく、みんなで育てていく球場」として、幅広く活用してまいります。あわせて、新体育館の確実な事業推進を図るとともに、合宿や大会誘致を積極的に行い、市民のスポーツ人口の増加だけではなく、市内経済の活性化にもつなげてまいります。
また、文化施設エリアの整備については、市民の皆さんの意見を聞きながら来年2月までに「新文化施設の基本計画」を策定してまいりますが、策定にあたり整備方針を定めました。文化会館の大ホールについては、文化のシンボル的な建物として、長寿命化工事を行って今後も残すこととし、その他については、建替えを行い、敷地内に文化施設を新たに整備いたします。あわせて、武雄公民館の整備も行います。
加えて、建物の整備だけではなく、旧武雄鍋島家庭園や塚崎の大楠なども含めて「文化施設エリア」として整備いたします。本年3月に策定いたしました「武雄市文化のまちづくり構想」の基本理念「もっと開かれた もっと関われる もっとつながれる 文化が生きるまち」を実現できる拠点として、より多くの市民の皆さんが気軽に文化に関わり、つながり、交流することで、新しい文化の創造と文化によるまちのにぎわいの創出を目指してまいります。
以上、市民の皆さんの命と暮らしを守ると共に、未来への希望をつくる各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ、私の提案事項説明とさせていただきます。本議会もどうぞよろしくお願いいたします。