市長提案事項説明要旨
おはようございます。 武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。西九州新幹線の開業についてであります。
1972年に国が定めた基本計画の告示から今年でちょうど50年、今月23日に待ちに待った西九州新幹線がいよいよ開業いたします。これまで開業に向けてご尽力いただいたすべての皆様に感謝申し上げると共に、交通が便利になるたびに発展してきた武雄市としてはこの機会を本市飛躍の大きなチャンスと捉え、万全の体制で準備を進めてまいります。
現在、西九州の食と文化の情報発信基地として、市民や観光客など多くの人が集う駅前広場や観光案内所などの整備を開業日のオープンに向けて急ぎ進めております。また、開業にあわせて開催する物産祭りや大鉄道展などの各種イベント、11月12日に行う「秋田竿燈まつりin武雄」などの準備を官民一体となって進めてまいります。開業を市民みんなでお祝いし、その盛り上がりをまちの活性化につなげてまいります。
開業により、武雄から長崎まで初めて新幹線で結ばれます。同時に、博多方面への特急の本数は2倍になります。長崎までは最短で23分、朝早くから夜遅くまで1日につき長崎までは44本、博多への特急は66本運行されます。すなわち、この開業で交通の利便性が大幅に向上し、長崎や福岡が通勤通学圏内となります。そこで、コロナ禍によるリモートワークの増加状況にもかんがみ、両県への通勤通学定期代を半額補助いたします。これにより、本市で暮らしながら両県へ通勤通学する市民の負担を大幅に減らして定住を促し人口流出を止めるともに、西九州全体へのアクセスのよさや自然の豊かさなど市のPRを積極的に行って移住を促し、流入人口の増加を目指します。この通勤通学補助をひとつの目玉として、10月開催の移住大相談会や移住支援メニューもあわせて、本市の定住移住政策を強力に進めてまいります。
さらに、10月から始まる、JRグループと佐賀県、長崎県が開催する大型観光企画「佐賀・長崎デスティネーションキャンペーン」も活用しながら、本市への観光客増を図るとともに、周辺自治体や長崎も含めた沿線自治体との広域連携をさらに進め、本市を軸とした西九州エリアへの交流人口の増加を促すなど「西九州のハブ都市」としてのまちづくりを引き続き進めてまいります。
物価高騰対策についてであります。
世界的な原材料価格や原油・物価高騰の状況下においても、市民生活の継続が重要であります。これまでも、国や県が行う各種支援に加えて、高齢者へのガソリン券の配布やプレミアム商品券の発行、多子世帯や学校給食への支援稲作や畜産への支援など市独自で様々な支援を行ってまいりました。
現在も急激な肥料価格の高騰が続いていることを受け、次期作に必要な肥料費を国等の支援に市が独自に上乗せする支援を行います。これにより、肥料価格高騰分の85%を支援することになります。市の基幹産業である農業の経営に及ぼす影響を緩和し、農家の営農意欲向上を図ります。今後も、原油や物価高騰の状況を注視し、国県と連携しながら、産業の継続と市民生活の維持に向けた支援を機動的に行ってまいります。
新型コロナウイルス対策についてであります。
全国的に新型コロナウイルスの「第7波」が拡大しており、市内でも多くの陽性者が確認されております。感染予防対策の徹底やワクチン接種の推進を継続しながら、感染拡大の防止と社会活動の両立に向けた取り組みを進めることが重要であります。
陽性が確認され、自宅療養を余儀なくされた際に、買い物に行けない方を支援するため、買物代行サービスを8月より開始するとともに、保育園や介護施設などの事業継続や災害への備えのため、抗原検査キットの追加確保をいたしました。また、コロナ禍が続くことで、生活困窮者の困りごとが多様化しております。そこで、NPO法人や社会福祉法人等が取り組む新たな活動を支援し、よりきめ細かな相談・支援体制を強化いたします。
依然として新型コロナウイルスの収束が見通せない状況でありますが、引き続き、感染予防の徹底など4つの柱に沿って、市民の命と暮らしを守ることに、全力で取り組んでまいります。
治水対策と防災の強化についてであります。
昨年8月の大雨による災害から1年が経過いたしました。この間「武雄市新・創造的復興プラン」のもと、一日も早い復旧と生活再建に取り組むと共に、大雨による災害を二度と起こさないため、治水対策と防災の強化を強力に進めてまいりました。
多くの皆さんにご協力いただいた田んぼダムの実施に加え、7月には、ため池に関する調査の中間報告を取りまとめ、市内ため池の貯水量を算定し、水利権者へ事前放流の協力を依頼しました。また、本格的な台風到来シーズンを控え、河川の河道掘削や浚渫、排水ポンプの増強など国県と連携した治水対策を着実に進めております。加えて、安心して避難できる環境を充実するため、自治公民館や集会所などを地域避難所とし、備蓄品を配備いたしました。
今後も「床上浸水ゼロ」を目指して決して手を緩めることなく治水対策にさらに取り組んでいくとともに、治水シンポジウムを再び開催し、治水対策の見える化に加え、まちづくりの方向性について市民の皆さんと一緒に考え、安心して住み続けられる「水と共に生きる」まちづくりを進めてまいります。
以上、市民の皆さん一人一人が安心と、そして希望を感じられるまちを目指し、各種施策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位の御理解・御協力を切にお願い申し上げ、私の提案事項説明とさせていただきます