市長提案事項説明要旨

おはようございます。

武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

大学誘致についてであります。

本年4月に、民間の有識者グループによる人口戦略会議において、今後人口が減少し、最終的には消滅する可能性があるとする「消滅可能性自治体」が公表されました。武雄市は、消滅可能性自治体には該当しなかったものの、現在の人口が2050年には、3万7千人ほどに減少すると推測されています。地方創生が全国で叫ばれる中、いかに人口減少を食い止め、持続可能で活気あるまちをつくるかということは、市に課せられた最大の使命であると考えております。

大学誘致については、特に若者世代の人口減が著しい本市にとって、定住人口が増える等大きな効果があるものと考えております。加えて、子どもが学べる機会が増え、また、学びたい人が、いくつになっても学べる場が増えることは、生きがいや夢をもつことにつながります。さらに、産業も活性化し、地域や市民一人一人の元気につながるものと確信しております。

令和8年4月の武雄アジア大学開学を目指す学校法人旭学園に対して、文部科学省からの大学設置認可を条件に、キャンパスの施設整備費や設計費等に対し補助金を交付いたします。この補助金については、市財政への影響や大学開学が市にもたらす効果を踏まえ、公益性を十分考慮して設定いたしました。大学を誘致することで、市民サービスの低下を招くことはなく、また自然災害など突発的な事案が発生しても十分に対応できる範囲での財政支援となっております。

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これまで、大学設置に関する特別委員会等における議員の皆さまへの説明をはじめ、中高生や大学生、母親世代の皆さまとの意見交換会や大学設置促進期成会、旭学園主催の市民説明会など機会があるごとに、市が考える大学開学後のまちの姿やその効果を説明し、ご意見を伺ってまいりました。そこでは、大学がまちにできることへの期待の声や地域の活性化や人手不足の解消につながるといったご意見、受験時に開学していれば受験を考えたという声や、まちに大学ができることは歓迎するが、学部が少なく魅力が伝わらない、自分の進路に合わないなど多くのご意見をいただいております。

今後も、市民の皆さまへできるだけ多くの説明の場を設けて、ご意見を伺いながら、市民の皆さまが不安に思われている点については、旭学園との協議を進めるなど、大学開学に向けた準備を市民一体となり進めてまいります。

市民サービスの充実についてであります。

市民生活のさらなる向上のため、地域交通の充実やデジタル活用が重要であります。

地域交通については、国の補助金を活用し、公共交通に関するニーズや移動データの調査結果を分析し、地元のタクシー会社との連携による自治体版ライドシェアの実証運行を実施し、地域の移動を支える新たな取り組みの可能性を探ります。

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加えて、市民や交通事業者、隣接自治体などと共に、バスやタクシーの運転手不足解消や地域公共交通の在り方を一緒に考え、持続可能な地域交通につなげていくためのセミナーやワークショップを開催します。また、そこで出された意見を、今年度中に策定する地域公共交通計画に反映し、持続可能な公共交通網の形成を目指してまいります。

デジタル政策については、市民サービスの充実に向けたアプリやシステムを整備します。市が提供する様々な情報や行政サービスを1つに集約したスーパーアプリ、給付金や市独自のポイントなどを受け取れるデジタル通貨アプリ、公共施設の予約や決済などがオンラインでできる公共施設予約管理システム、そして、ごみ収集場などの行政情報を地図に落とし込み、市民の皆さんと共有する公開型GISシステムを導入し、市民生活の利便性を向上させます。

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これらの4つのデジタル化の取り組みにおいては、豪雨災害の経験を活かして、防災情報を充実させるなど、既存の事業との連携を図りながら、武雄ならではのデジタル化を進めてまいります。

また、住民票等のコンビニ交付を便利で身近に感じてもらうため、7月から1年間限定で手数料を100円に大幅値下げします。加えてコンビニ交付体験ツアーを開催し、操作方法への不安がある方にコンビニ交付を体験していただくことで、コンビニ交付の利用促進を図るとともに、窓口業務の充実にもつなげてまいります。

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デジタル技術を私たちの暮らしの様々な場面で活用することで、市民生活における満足度や利便性の向上に加え、行政事務の効率化を実現してまいります。

安心して暮らせるまちづくりについてであります。

本市を含む九州北部地域は、間もなく梅雨入りを迎え、本格的な出水期に入ります。豪雨災害による被害を二度と起こさないため、治水対策を強力に推進することが重要であります。

六角川流域においては、本年3月に、毎秒61トンという九州最大の排水能力を有する高橋排水機場の増強工事が完了しました。広田川排水機場の新設工事は、今年度の完了を目指し進行しております。六角川の河道掘削とヨシ繁茂抑制対策も完了しており、先日の六角川水系流域治水協議会では、令和3年8月規模の大雨が降っても、排水機場の運転停止が回避できる見込みであると示されました。

また、六角川が特定都市河川に指定されたことによる流域水害対策計画については、今年度中の策定に向け、国県等と連携し、引き続き全力で取り組んでまいります。

六角川流域以外においても、市街地の排水対策が完了し、短時間の大雨に対する排水能力が向上するとともに、松浦川流域では、県による皿堰の改修が進んでおり、河川の流下能力が着実に向上しております。

今後も、治水対策については、手を緩めることなく着実に進め、誰もが安心して暮らせるまちをつくってまいります。

物価高騰対策については、市民の暮らしを守るため、国の支援のもと、非課税世帯への支援や定額減税に取り組み、市民の家計への負担を軽減します。

また高齢者等の希望する方が安心してワクチンを接種できるよう、新型コロナワクチン定期接種に対し、市独自で接種費用を助成します。

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以上、市民の皆さまの命と暮らしを守ると共に、未来への希望をつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願い申し上げます。