市長提案事項説明要旨

おはようございます。

武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

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治水対策・防災についてであります。

本市を含む九州北部地域は、間もなく梅雨入りを迎え、本格的な出水期に入ります。大雨による被害を二度と起こさないため、治水対策を最重要施策としてこれまで以上に強力に推進してまいります。

六角川流域の治水対策については、令和5年3月に九州で初めて国から「特定都市河川」の指定を受けたことで、流域治水の協議が進み、本年3月に「六角川流域水害対策計画」が策定され、床上浸水ゼロへの道筋が示されました。これにより今後、国の直轄事業を中心に、国や県と一体となった河川整備などの流域対策が加速していきます。

本格的な出水期を前に本年3月に、国の激特事業で令和4年度から進められてきた広田川排水機場が完成し、広田川流域周辺の排水対策が強化されました。加えて、焼米ため池の事前放流施設が完成し、ため池を所有する白石土地改良区との治水協定を締結したことで、焼米ため池を活用し、大雨に備えた雨水貯留のポケットを確保することが可能になりました。このように、流域自治体と連携した治水対策が確実に前進しています。

本市においても、本年度重点事項として進めている雨水をためる対策である『武雄市「ためる」プロジェクト』において、遊水公園や公共用地への雨水貯留施設の整備、松浦川流域を含めたため池の活用等の対策も確実に進めてまいります。

また、六角川流域水害対策計画による治水対策をまちづくりと一体的に進めていくため、5月26日に「武雄市気候変動対応モデル都市構想」を策定しました。本構想は、六角川流域水害対策計画において重点整備地区に位置付けられている朝日、北方、橘地区について、それぞれの特色や受け継がれてきた歴史・街並みなどを活かしながら、水と共に生きる将来のまちづくりの方向性を地区ごとに示しています。

住民の命と暮らしを守るため、水害の解消はまず何より大事です。加えて、持続可能で魅力的な地域にするためのまちづくりを両立させていくことが、これからの時代の治水対策であると考えています。今後も、治水対策については、手を緩めず一歩一歩確実に進め、さらに加速をし、いつまでも住み続けたいと思えるまちをつくってまいります。

災害時の被害を軽減し、避難生活を円滑に進める上で不可欠な「共助」を強化し、地域防災力を高めるため、県内で初めて作成した自主防災組織訓練マニュアルを広く市民の皆さまに周知し、活用してまいります。

また、いつ起こるか想定できない災害への備えとして、消防や民生委員、訪問看護師など行政と福祉や医療関係者と連携し、医療的ケア児を対象に今回初めて地震を想定した避難訓練を実施しました。このほか、佐賀災害支援プラットフォームや社会福祉協議会と連携会議を開催し、平時から顔が見える関係性を築くとともに、災害に備えた連携体制の確認を行いました。

この訓練や連携会議で確認した内容については、今後の防災対策に活かしてまいります。

本年2月に岩手県大船渡市で発生した林野火災は、市内の約1割が延焼し、鎮火まで1か月以上を要しました。全国で林野火災が多発する中、迅速な消火活動に対応するため、背負式消火水のうを市が所有する消防積載車全台に配備するとともに、効率的に水の補給ができる給水器具を全分団に配備し、地域の安全安心の向上を目指すとともに、消防団員の負担軽減にもつなげてまいります。

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交流人口の拡大についてであります。

西九州新幹線開業後、観光客数が年々増加する中、西九州のハブ都市として、交通の利便性を活かした誘客をまちの活性化につなげることが重要であります。

西九州新幹線でつながる長崎市は、駅や市街地周辺の開発など100年に一度の進化の時期を迎え観光客が増加しています。また、オランダとの歴史や蘭学などの共通点があり、昨年度は歴史文化モニターツアーを開催するなど様々な連携を行ってきました。さらに本年度は、職員の人事交流を実施しています。そのような本市と関係が深い長崎市と連携して「Visit NAGASAKI・TAKEOスタンプラリー」を実施します。たけおPayアプリを活用し、本市を中心とした佐賀県内や長崎市内の観光施設などに設置するQRコードを読み取り、数か所を周遊してポイントを取得した方に、市内で使用できるデジタル通貨たけおPay4,000円分を付与します。広域連携による交流人口の拡大をまちのにぎわいや地域経済の活性化につなげてまいります。

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教育環境の充実についてであります。

子ども一人ひとりの個性を伸ばす教育環境を充実させることが重要であります。

このたび、子どもの成長を家庭や学校、地域で支えるための「学校教育ビジョン」を策定しました。このビジョンについては、今後市民の皆さまへ広く周知してまいります。家庭や地域など様々な場面で「これからの学校の話」をするきっかけになることを期待しています。

令和5年度には、文部科学省から川登中学校が県内で唯一、生成AIパイロット校の指定を受け、生成AIを主に子どもたちの教育に活用することで、これから必要とされる情報活用能力を伸ばすとともに、その成果を市内各学校にも広げてまいりました。

本年度は、御船が丘小学校と朝日小学校において、文科省の指定を受け、生成AIパイロット校事業に取り組みます。今回は、生成AIを校務に重点活用することで、教職員の働き方改革を推進し、先生が子ども一人一人と向き合う時間をこれまで以上につくることができるようになります。

このような取り組みにより、「もっとこどもまんなか」の教育の実現と次の時代を見据えた学校づくりを目指してまいります。

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大学誘致についてであります。

昨年10月に学校法人旭学園より文部科学省へ新大学の設置認可申請が提出され、現在、その審議機関である大学設置・学校法人審議会において審査が行われており、早ければ、8月末に認可の判断が示される予定です。

令和8年4月の新大学の開学に向け、市民の皆さまに大学での学びをイメージいただけるよう、月1回の市民講座を旭学園と連携し開催しております。今後も引き続き、大学開学に向けた準備を着実に進めてまいります。

以上、市民の皆さまの命と暮らしを守ると共に、未来への希望をつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願い申し上げます。