市長提案事項説明要旨

おはようございます。

武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。まず大学誘致についてご説明をいたします。

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学校法人旭学園が国に申請されていた新大学の設置について、8月29日に大学設置を審査する大学設置・学校法人審議会から設置を可とする答申が出され、同日付で文部科学省より武雄アジア大学の新設が認可されました。

大学誘致に際し、市議会をはじめ、商工団体を中心に設置いただきました大学設置促進期成会など、これまで多くの関係者の皆様と準備を進めてまいりました。来年4月、武雄市に大学が開学されるということが、いよいよ現実になろうとしています。ここに至るまでご尽力いただきましたすべての皆様に心より感謝申し上げます。

武雄アジア大学が本市に設置されることで、子どもたちの夢の実現に向けた選択肢が増えるとともに、若者の定住促進や新たな雇用の創出など地域経済の活性化に大きく貢献するものと期待しております。また、大学が有する知見が、地域の課題解決や産業振興、文化の発展に寄与することも期待しております。加えて、生涯学習の機会拡充や、学生との交流を通じて、市民の皆様が、より豊かな生活を送れるようになると考えております。

そのためには、まちと大学が一体となって、ともに持続的に発展していくことが重要です。

市民の皆様とともに、来年春の開学を温かく迎え入れ、市民の皆様だけでなく、新しく本市へお越しいただく学生や教職員の皆様にとっても学びやすく、暮らしやすいまちをつくってまいります。そのために、旭学園と連携し、市民一体となって、大学開学に向けた準備を着実に進めてまいりますので、引き続きどうかよろしくお願いいたします。

治水対策・防災についてであります。8月6日からの大雨による災害については、全国的に甚大な被害が発生し、九州6県を含む14道府県が激甚災害に指定される見込みと発表されています。この大雨により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

本市においても、8月10日に、令和元年を上回る1時間あたり約110ミリの猛烈な雨が降り、気象庁から「記録的短時間大雨情報」が発表されました。しかし、市内の浸水被害は、一部の道路や農地等にとどまり、特に広田川排水機場や東川排水機場の稼働、鐘撞川での排水ポンプ車の稼働により、大雨の際、頻繁に発生していた北方小学校南側市道や橘町の国道498号の冠水を防ぐことができました。これまで進めてきた河道掘削や排水機場の整備、ため池や農地を活用した貯留対策等の効果が着実に出ているものと考えております。

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現在も、遊水公園整備や一ノ坪公園の治水機能強化、学校グラウンドを活用した貯留機能の調査、松浦川流域を含めた市河川の改修など切れ目ない治水対策を進めています。さらに、これまで取り組んできたため池の浚渫に加え、新たにクリークも対象に含め、併せて8か所の浚渫事業を、今後計画的に進めてまいります。

六角川が特定都市河川に指定されたことを受け、今年3月に流域水害対策計画が策定されました。この対策をより具体的な事業として進めていくため、8月20日には、北方地区の皆様、国、県、市が一緒になって北方地域の水路の流れ方など現地を確認し、意見交換を行いました。橘地区については、8月27日に開催された橘町の水害対策委員会において、流域水害対策計画などこれからの地域の治水対策について説明をし、現在、国や県、市で協議を進めている高頻度洪水対策の検討状況について意見交換を行いました。また、朝日地区については、地域の治水対策である堤防整備には農地との調整が必要であることから、現在の農地について調査を進めています。

今後も、治水対策を最重要政策として、さらに強力に推進するとともに、水害対策とまちづくりの両立を図り、安心して住み続けられるまちの実現を目指してまいります。

昨日実施した市総合防災訓練では、地域避難所での自主防災組織による訓練に加え、今年新たに購入したプライベートテントやエアマットを活用した避難所運営の訓練、保存食を活用した温かく栄養バランスの取れた食事の提供、山林火災を想定した消防団と消防署による中継訓練などを実施しました。今後も地域の皆様と共に、地域防災力の一層の強化に努めてまいります。

市民サービスの充実についてであります。

デジタル技術を活用し、市民サービスを高めるため、行政情報を集約した公式スーパーアプリの機能の拡充やたけおPayのさらなる利便性向上を進めます。

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公式スーパーアプリについては、図書館サービスと連携したスマート図書館の機能を追加し、図書カードを使わずアプリで本を借りられるほか、本の検索や予約利用なども可能となります。また、24時間365日利用可能なAIチャットボットの導入や防災アプリたけぼうへのスムーズな画面の切り替えなどアプリ内の各種の機能や相互連携の強化を進めます。アプリをより便利に活用いただき、行政サービスをいつでも、どこでも、誰でも、簡単・便利に利用できる環境の実現に向け、これからも鋭意取り組んでまいります。

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デジタル地域通貨たけおPayについては、さらに利用しやすい環境をつくるために、加盟店舗の決済手数料を10月から来年3月までを無料とし、利用店舗拡大による市民の利便性向上につなげてまいります。

市民が安心して暮らせる便利で持続可能なまちづくりを進め、誰もが日常的に利用しやすい行政サービスの実現を目指します。

西九州新幹線を活用したまちづくりについてであります。

西九州新幹線による交通の利便性の高さを、まちの活性化にさらにつなげていくことが重要であります。

開業以降、本市を訪れる観光客数は年々増加しており、令和6年には観光客数が、令和3年に比べ50万人以上増加し、160万人を超えました。

今月6日には、駅南口で開業3周年を記念し、JR九州及び沿線自治体等と連携したイベントを開催します。地域の魅力を伝える飲食ブースの出店やワークショップの開催に加え、佐賀県立宇宙科学館と武雄市観光協会による武雄温泉駅から図書館、保養村を結ぶ、当日限定のシャトルバスが運行します。また、長崎と武雄を中心とするスタンプラリーも同日から開始します。

さらに、11月には蘭学をテーマに、オランダとゆかりの深い長崎市や平戸市と連携したモニターツアー第3弾を実施し、その成果を今後の商品化につなげてまいります。

広域連携によるさらなる交流人口の増加により新たな賑わいの創出を目指してまいります。

文化とスポーツ、多様性を活かした共生のまちづくりについてであります。

令和9年春の開館を目指し、新文化交流施設の建設工事に着工しました。最大300人収容できる多目的ホールや大小会議室、スタジオ、和室などを備え、武雄公民館も併設します。旧鍋島庭園側をガラス張りとすることで開放感が感じられる施設となり、フリースペースやギャラリー、カフェを設け、新たな文化振興の拠点として、さらには地域の学習、交流の拠点として活用します。

これまでの文化活動の中心であった文化会館の歴史を受け継ぎながら、これまで以上に多くの方が気軽に文化に触れ、出会い、つながり、そして新たな文化が生まれる場として、市民の文化活動の活性化や新しい文化の創造、文化によるまちの賑わいの創出を目指してまいります。

健康で豊かな生活を送るためには、運動やスポーツを継続して行う習慣を身につけることが重要であります。病気などで体を動かすことに制限がある人でも、安心して日常的に運動やスポーツが楽しめる機会をつくります。また、運動にあまり関心がない人でも参加していただけるよう、医療機関や民間企業、プロスポーツ団体等と連携し、健康づくりにつながる参加型プログラムを構築してまいります。

本市の外国人登録者数は、新型コロナウイルスの流行に伴う入国制限により、令和4年と5年は減少したものの、その後は再び増加し、本年7月末時点で370人、人口の約0.8%を占めています。また、在住外国人の約9割がアジア圏の出身で、外国人労働者は、製造業や介護施設、農業、飲食・宿泊業等の分野で勤務されています。今後さらに外国人労働者やそのご家族などの増加が見込まれ、市民との相互理解を促進することが重要であります。そのため、本年7月末に男女参画・市民協働課に本市初となる国際交流員が着任しました。今後は、異文化交流イベントの開催や地域行事への参加、在住外国人の生活支援等を通じて多文化共生を推進してまいります。

以上、市民の皆様の命と暮らしを守ると共に、次の世代に続くまちをつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。

本議会もどうぞよろしくお願い申し上げます。