市長提案事項説明要旨
おはようございます。
武雄市議会定例会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
治水対策・防災についてであります。
本市を含む九州北部地域は、間もなく梅雨入りを迎え、本格的な出水期に入ります。大雨による被害を二度と起こさないため、治水対策を最重要施策として引き続き強力に推進してまいります。
六角川流域の治水対策については、令和5年3月に九州で初めて国から「特定都市河川」の指定を受けたことで、流域治水の協議が大きく加速しました。これにより、昨年3月には「六角川流域水害対策計画」が策定され、床上浸水ゼロへの道筋が示されました。さらに、昨年8月には、「武雄市総合治水計画」を策定し、国の直轄事業をはじめ、国や県と一体となった流域治水対策を着実に推進しております。
今後の具体的な取り組みといたしまして、国の直轄事業については、橘地区の六角川洪水調整池の整備に向けた河川改修に加え、板橋地区の遊水地整備に向け、現地調査や地元住民の皆様との意見交換を積極的に実施し、国による早期の事業化を目指してまいります。また、朝日地区や北方地区においては、堤防整備等に向けた地元との意見交換を進めてまいります。
本市の施策としては、橘町東川流域の高頻度洪水対策に着手し、道路や農地の冠水被害の軽減を図ってまいります。また、市街地の浸水被害対策として、市役所東側にある一の坪公園において、約220トンの雨水を一時的に貯留できる地下貯留槽の整備を進めており、今月末の完成を予定しております。加えて、中町地区に側溝を新たに整備することで排水能力の向上を図るとともに、事業者の皆さまに止水板設置への補助を行い、浸水被害の軽減を図ってまいります。さらには、市河川の改修や遊水公園の整備、ため池の事前放流等、国や県、地域と連携し、流域治水を着実に推進してまいります。
雨期を前に、5月28日から新たな防災気象情報の運用が開始されました。新たな気象情報は、大雨や河川氾濫等の災害に対して、5段階の警戒レベルとともに発表されます。これにより、市民の皆様にとって、いま自身が置かれている状況と次に取るべき避難行動が分かりやすくなります。
また、令和3年8月豪雨時の教訓から避難経路の情報が不足していた課題に対応すべく、必要な情報を素早く把握して命を守る行動に移せるよう、公開型GIS「たけおデジタルマップ」の機能を拡充します。これにより外国人や高齢者、子どもにも分かりやすい多言語及びやさしい日本語によるハザードマップの公開や、災害時における、通行止めや土砂くずれ情報の迅速な公開が可能となります。加えて、平時からの備えに役立つマイ・ハザードマップの印刷機能を新たに追加し、市民の皆様の防災意識の向上につなげてまいります。
さらには、災害時の避難生活において、キッチンカーを活用し、温かい食事を新たに提供できるよう、事業者との協定を締結します。あわせて、ペット避難についても、受け入れ態勢の充実を図ってまいります。地域事業者との連携を通じ、避難環境の改善を進めることで、市民の命を守る地域防災力をより一層強化してまいります。
教育や医療福祉へのデジタル活用についてであります。
次世代を見据えた教育環境の整備と医療福祉サービスの向上に向けて、デジタル技術の活用は不可欠であります。
本市では、これまで他市町に先駆けて教育へのデジタル活用に取り組んでまいりました。これまでの生成AIパイロット校事業の成果を踏まえ、本年度は、対象校を昨年度の2校から4校へ拡大し、生成AIの校務への活用を進めてまいります。教材や文書作成等、様々な場面で生成AIを活用して校務の効率化を図り、教職員の働き方改革を推進するとともに、先生が子どもたち一人一人と向き合う時間を増やすことで、教育の質のさらなる向上につなげてまいります。これらの取り組みを通じ、これからも本市が教育改革のトップランナーとして、教育大綱の基本理念に掲げる「もっとこどもまんなか」の教育の実現と次の世代を見据えた学校づくりを目指してまいります。
本市におけるマイナンバーカードの保有率は、8割を超えております。また、医療機関におけるマイナ保険証の利用について、国民健康保険においては、6割を超える利用率です。マイナ保険証のデジタル基盤を活かし、こどもや障がい者を対象とした医療費助成の資格確認ができるようシステム改修を行います。これにより、医療機関の窓口では、医療費助成の手続きに必要な紙の受給者証の提示が不要となり、マイナ保険証1枚で受診が可能となります。デジタル技術の活用により受診時の手間や負担を減らし、利便性を向上させるとともに、安心して過ごせる社会の実現を目指してまいります。
産業の持続的な発展についてであります。
基幹産業である農業を維持、発展させていくためには、強い農業経営への転換が必要であります。
県と連携して農業の収益性向上につながる園芸用ハウスの整備や省力化機械の導入を積極的に支援することで、生産基盤のさらなる強化と地域農業の活性化を図ってまいります。
競輪事業については、本年度、過去最高額となる10億5千万円の一般会計繰り出しを見込んでおります。この財源は、地域福祉や教育環境の充実をはじめ市民サービスの維持、向上のために有効に活用してまいります。今後は、選手宿舎等の建替えを計画的に進めることで、施設の維持費削減を図るとともに、より効率的な運営体制への見直しを進め、将来にわたって安定的な財源を確保してまいります。
大学を活かしたまちづくりについてであります。
この4月に、市内初の4年制大学である武雄アジア大学が開学し、新たな学生を地域に迎えることができました。入学者数については定員には至っていないものの、入学した学生はいずれも期待に胸を膨らませ、目を輝かせながら新たな学びに挑戦しようという意欲にあふれております。その姿から、これからの大学と地域が未来に向けてつながる大きな可能性を感じております。新たに武雄で学び、生活を始めた学生が安心して充実した生活を送ることができるよう、市民一体となって温かく迎えてまいります。
開学以降、市民大学や各種団体との連携、さらには地域の方々との関わりを通じて、市民と大学との新しいつながりが次々と生まれています。
例えば、小学生が大学施設を見学し、「大学とは、自分が学びたいことを主体的に学ぶ場である」ということに触れる機会が生まれています。子どもたちにとって、大学を身近に感じながら、学びの連続性を実感し、自らの将来の道筋を描くきっかけとなっております。
また、大学の教授が講師となり、市民の皆さんにまちづくりについての講演を行うなど、大学の知見が地域へ還元される動きも始まっております。さらに、様々な団体が大学施設を活用しながら、「大学と連携して何か新しいことができないか」と考える動きも広がっております。これらは、市内に学びの拠点ができたからこそ生まれた新たなつながりや可能性であり、本市のまちの活性化に向けて大変意義深いものであります。
大学ができれば大学の風が吹く。
今後も、大学と市民や地域、企業等との連携をより一層深め、大学が持つ知見や若者の活力を活かして、まちの活性化を図るとともに、若者に選ばれる持続可能なまちづくりを推進してまいります。
以上、市民の皆様の命と暮らしを守ると共に、未来への希望をつくるための各種政策に全力で取り組んでまいりますので、議員各位のご理解・ご協力を切にお願い申し上げまして、私の提案事項説明とさせていただきます。
本議会もどうぞよろしくお願いいたします。
